月面基地・ホテル滞在- 「月で暮らす」という未来

月は、訪れる場所から「暮らす」場所へと変わります。

機関・企業目標時期主な内容
NASA2030年代半ば〜アルテミス・ベースキャンプ建設
NASA + ICON2040年3Dプリントによる月面住宅の建設
ispace2040年1,000人が暮らす月面都市構想

最新動向と主要プレイヤー

  • NASA「アルテミス・ベースキャンプ」構想:
    NASAは、月の南極域に30〜45日間の長期滞在が可能な前哨基地「ベースキャンプ」の建設を計画。移動用の「月面地形車(LTV)」や、加圧された居住モジュールで構成されます。さらに、建設企業ICONと協力し、月の砂(レゴリス)を材料に3Dプリンターで住宅を建設するという、驚くべき計画も進めています。NASAは「2040年までに月に家を建てることは可能」**と明言しています。
  • 国際月面研究ステーション(ILRS):
    中国が主導し、2045年までに拡張版の建設を目指す巨大プロジェクト。世界中の科学者が集い、資源開発や科学研究を行う、国際的な研究拠点です。
  • 民間企業の壮大なビジョン:
    日本のispace社は、「2040年には1,000人が暮らし、1万人が訪れる月面都市」という驚異的なビジョンを掲げています。また、米ロッキード・マーティン社も、月面の水資源と小型核分裂炉を利用した商業基地の未来像を描いています。

技術的課題

この究極のフェーズを実現する鍵は、「現地資源利用(ISRU)」と経済性です。水や酸素を月で自給自足する技術が確立できなければ、高コストな地球からの補給に頼り続けることになります。また、膨大な建設費用を賄うためには、観光だけでなく、資源採掘や科学研究といった、月面での持続可能な経済圏を創り出す必要があります。

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