映画の世界が現実に? 宇宙旅行がすぐそこに
かつて「宇宙旅行」といえば、映画やSFの世界の話でした。
しかしいま、民間による宇宙旅行が現実のものになりつつあります。
特に注目されているのが、サブオービタル飛行。
これは、高度80〜100kmまで到達してからすぐに帰還する、短時間の宇宙体験です。
とはいえ、「夢の体験にはいくらかかるのか?」
多くの人が気になるのは、やはりその価格ですよね。
現在、このサブオービタル飛行を提供している企業は主に2社:
- ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)
- ブルー・オリジン(Blue Origin)
最新情報を出典付きで丁寧に解説します。
ヴァージン・ギャラクティックの宇宙旅行:飛行機のように宇宙へ
ヴァージン・ギャラクティックの宇宙旅行は、飛行機型の母機で上空へ運ばれた後、宇宙船「スペースプレーン」が切り離されて急上昇します。

わずか数分間ですが、宇宙から地球を眺め、無重力を体験できる90分ほどの旅です。
◾ 創業期の価格は20〜25万ドル(約3,000〜3,800万円)
まず最初に、創業初期のチケット価格は、1席あたり20〜25万ドル(約3,000〜3,800万円)でした。
この価格はヴァージン・ギャラクティックの創業者ブランソン氏が、2013年にSpace.comの取材で語っており、その後Business Insiderも報道しています。
◾ 2021年以降は45万ドル(約6,700万円)に値上げ
そして、2021年にはブランソン氏本人が搭乗し、話題となった「Unity 22」飛行が成功しました。
それを機にチケット価格は45万ドル(約6,700万円)へと引き上げられます。
この価格改定は、ヴァージン・ギャラクティック公式のIR資料で確認できます。
購入には15万ドル(約2,200万円)のデポジットが必要で、販売再開後の数ヶ月で約1,000人の新規予約が入りました。
◾ 将来の価格は60万ドル超?(約8,900万円〜)
現在はチケット販売が一時停止中ですが、2026年からは新型「Deltaクラス」宇宙船の運用が始まる予定です。
その価格について、同社CEOは60万ドル(約8,900万円)を超える見込みであると、2025年Q1決算説明会で発言しました
(The National, 2025年5月)。
◾ ヴァージン・ギャラクティックの価格まとめ
時期 | 円換算(目安) | 価格(ドル) |
---|---|---|
創業期 | 約3,000〜3,800万円 | $200,000〜$250,000 |
現在(2021〜) | 約6,700万円 | $450,000 |
将来(2026〜) | 約8,900万円〜 | $600,000超 |
ブルー・オリジンの宇宙旅行:ロケットで真上に打ち上がる体験
一方、ブルー・オリジンの宇宙旅行は、ロケット「New Shepard」に乗って真上へ垂直に打ち上がる体験です。
約3分で高度100kmまで到達し、カプセルが切り離されて降下。
パラシュートでゆっくり着地する、約10分間の宇宙旅です。

◾ ブルー・オリジンの価格は「非公開」
ただし、ヴァージン・ギャラクティックと違って、ブルー・オリジンはチケット価格を公開していません。
予約ページにも金額は明記されておらず、価格は「顧客ごとの交渉制」です(Observer, 2022)。
◾ 初回フライトは2,800万ドル(約43億円)で落札!
2021年7月の初回有人飛行では、1席がオークションで2,800万ドル(約43億円)に。
この記録的価格はブルー・オリジン公式サイトでも明言されています。
ただし、同社はこの価格について「特例である」とコメントしており、通常の価格とは異なります。
◾ 一般顧客の支払い額は100〜200万ドル(約1.5〜3億円)
実際の顧客が支払った金額としては、100万〜200万ドル(約1.5〜3億円)が報じられています。
2022年8月、MoonDAOが2席分を購入し、1席あたり125万ドル(約1.8億円)だったことが報道されました
(Spaceflight Now, 2022)。
◾ 無料やスポンサー支援による搭乗も存在
さらに注目すべきは、無料で宇宙に行った人もいることです。
俳優ウィリアム・シャトナー氏や82歳のウォリー・ファンク氏は、ブルー・オリジンに招待されて無償で搭乗しました
(Observer, 同上)。
また、メキシコ系アメリカ人女性のケイティア・エチャザレッタ氏は非営利団体からのスポンサー支援で搭乗しています。
◾ ブルー・オリジンの価格まとめ
顧客タイプ | 円換算(目安) | 価格(ドル) |
---|---|---|
一般搭乗 | 約1.5〜3億円 | $1,000,000〜$2,000,000 |
MoonDAO事例 | 約1.8億円 | $1,250,000 |
特別ゲスト・招待 | 0円 | $0(無料) |
初回オークション | 約43億円 | $28,000,000 |
「庶民には無理」と思わず、まずは知ることから
ここまで読んで「やっぱり夢のまた夢だな…」と感じた方も多いかもしれません。
けれど、スマートフォンがかつて100万円だったように、宇宙旅行もやがて身近になるかもしれません。
実際、ヴァージン・ギャラクティックは「将来的な価格引き下げ」を明言しています(ヴァージン・ギャラクティック公式)。
現時点での比較まとめ
比較項目 | ヴァージン・ギャラクティック | ブルー・オリジン |
---|---|---|
価格公開 | 公開済(45万〜60万ドル) | 非公開(個別交渉) |
通常価格帯 | 約6,700万〜8,900万円 | 約1.5〜3億円 |
宇宙旅行は「未来の贅沢」から「人生の選択肢」へ?
2025年時点では、宇宙旅行は超富裕層のための体験です。
けれど、その技術と価格は少しずつ変化しています。
今はまだ遠い夢かもしれません。
でも、未来のあなたがその夢に手を伸ばす日は、そう遠くないのかもしれません。