EXPANDING UNIVERSE / VISUAL SCIENCE

宇宙は、どう広がっている?

遠くの銀河ぎんがほど速く遠ざかる。光の波長はちょうも長くなる。広がる宇宙うちゅうの証拠。

イラスト+体験入門から専門へ
図の銀河間距離は宇宙の一様な膨張を表すための模式図。銀河そのものの大きさは変えません。
図の銀河間距離は宇宙の一様な膨張を表すための模式図。銀河そのものの大きさは変えません。

30秒でわかる答え

遠方銀河ぎんがの赤方偏移せきほうへんいと距離の関係などから、宇宙うちゅう全体の平均的な空間の尺度(スケール)が時間とともに大きくなっていると分かっています。現在の加速膨張ぼうちょうを何が引き起こしているかは、なお研究中です。

主な観測証拠
赤方偏移遠い銀河の光は平均して波長が長い側にずれる
遠ざかる速さ
距離に比例近傍の平均的な関係は v ≈ H₀d
光の変化
波長が伸びる宇宙膨張による宇宙論的赤方偏移
まだ分からない
加速の原因ダークエネルギーの物理的正体は未解明

ILLUSTRATED JOURNEY

3つの絵で、膨張の証拠を追いかける

宇宙の膨張は、「爆発で銀河が一点から飛び散った」という単純な図では説明できません。空間の尺度が変わっていく様子を確かめます。

銀河の大きさは変わらず、間隔が広がる
01 / 銀河

銀河と銀河の間が広がる

宇宙うちゅう全体の平均的な膨張ぼうちょうでは、離れた銀河ぎんがどうしの距離が大きくなる傾向があります。ただし銀河ぎんがや太陽系たいようけいのように重力で結びついた系は、膨張ぼうちょうによって引き延ばされません。近くのアンドロメダ銀河ぎんがのように、私たちに近づいている銀河ぎんがもあります。

銀河を点で表した、宇宙膨張の概念図です。

光が長い波長へずれる
02 / 光

旅してきた光の波長が長くなる

光が宇宙うちゅうを旅する間に空間が膨張ぼうちょうすると、光の波長はちょうも引き伸ばされます。これを宇宙うちゅう論的赤方偏移せきほうへんいといいます。紫外線が赤外線にずれる場合もあり、いつも肉眼に「赤く」見えるという意味ではありません。

ドップラー効果と宇宙膨張による赤方偏移は物理的には異なります。

遠方銀河の光を分光観測
03 / 証拠

距離と赤方偏移を調べる

天文学者は銀河ぎんがの距離や光のスペクトルを測り、宇宙うちゅう膨張ぼうちょうを調べています。現在の加速膨張ぼうちょうを説明するダークエネルギーの正体は分かっていません。

実際の宇宙論は一般相対論と観測データで検証されます。

TOUCH AND DISCOVER

銀河の間隔と光の波長を、いっしょに伸ばす

宇宙の伸び具合(相対的な大きさ)を表す「スケール因子」を動かします。点の間隔と光の波長が同じ比で大きくなる、宇宙膨張の基本モデルです。

銀河どうしの間隔

相対距離のモデル
基準の銀河 点の大きさは変えずに、間隔だけ拡大

光の波長も変わる

波長比のモデル
放射時(基準:a = 1) 観測時(a が変化) 赤方偏移 z = 0.0 波長の伸び率だけを示す概念図
銀河間の距離基準の 1.0倍
光の波長基準の 1.0倍

この操作は現実の年月日や宇宙の膨張速度を表しません。銀河や太陽系自体を大きくする図ではありません。

LEARN AT YOUR LEVEL

宇宙のふしぎを、もう少し。

入門から少し専門的な話題まで。4つの段階で、知っておきたいポイントを短く紹介します。

入門

宇宙では、遠くの銀河どうしの間が広がる

銀河ぎんがそのものではなく、平均的には銀河ぎんが間の距離が広がっています。

  • 遠い銀河ぎんがの光の波長はちょうが長い側(赤い側)にずれることが、重要な手がかり。
  • 宇宙うちゅうの外側へ飛び出している、という意味ではない。
基礎

赤方偏移が教える、空間の広がり

分光器で銀河ぎんがの光を調べると、もとの波長はちょうに比べて長くなっていることが分かります。

  • 宇宙うちゅう全体の平均的な膨張ぼうちょうでは、離れた銀河ぎんが間の距離が増える。
  • 銀河ぎんが系や太陽系たいようけいは重力で結びついており、同じ割合で広がらない。
  • アンドロメダ銀河ぎんがのように、近くで重力が強く働く銀河ぎんがは私たちに近づくこともある。
発展

距離と後退速度の関係を理解する

近くの銀河ぎんがでは、後退速度と距離の間に近似的な比例関係があります。

  • 小さな赤方偏移せきほうへんいでの平均的な関係は v ≈ H₀d。個々の銀河ぎんがには膨張ぼうちょうからのずれに当たる固有運動もある。
  • 遠方では単純な速度換算だけでなく、宇宙うちゅう論モデルによる距離と赤方偏移せきほうへんいの関係を扱う。
専門

スケール因子と宇宙論的赤方偏移

膨張ぼうちょうする宇宙うちゅうでは、光の波長はちょうとスケール因子の比に関係があります。

1 + z = aₒ / aₑ

  • aₑは光が放たれた時、aₒは観測かんそく時のスケール因子。
  • 宇宙うちゅう論の膨張ぼうちょうを厳密に求めるには、宇宙うちゅうの物質・放射ほうしゃ・ダークエネルギーと一般相対論の方程式が必要。

本ページのスライダーは aₑ=1 として aₒ を変える教材。過去の特定年代や観測銀河の赤方偏移値を表しません。

1 QUESTION CHECK

図のあとに、1問だけ

宇宙の膨張の説明として、より適切なのは?

答えを1つ選んでください。

COMMON QUESTIONS

よくある誤解

宇宙は、どこか特定の中心から膨張している?
標準的な宇宙論の一様・等方な近似では、空間内に特別な膨張の中心はありません。図はどこから見ても距離が広がることを表しています。
太陽系や人間も宇宙の膨張で大きくなる?
いいえ。重力や電磁気力で結びついた天体・物体は、一般に宇宙全体の平均的な膨張にそのまま引き延ばされません。
宇宙の膨張と、加速膨張は同じこと?
異なります。宇宙の膨張そのものは一般相対論と観測で記述・検証できます。一方、宇宙の膨張が現在加速していることを説明する「ダークエネルギー」の物理的な正体は未解明です。
近くのアンドロメダ銀河は、なぜ近づいてくる?
宇宙の膨張は平均的な大規模構造での関係です。天の川銀河とアンドロメダ銀河のように近くで重力が働く銀河は、平均的な膨張に従って遠ざかるとは限りません。両銀河の将来の衝突の有無は研究が続いています。

科学的な前提と出典

宇宙の平均的な一様膨張を学ぶ2D概念モデルです。スケール因子1〜2.5は現実の時刻や将来予報を示さず、各点は観測された実在銀河ではありません。宇宙論的赤方偏移の波長比だけを表し、宇宙論的距離・後退速度・加速膨張は算出しません。局所的な固有運動や重力束縛を受けた系の運動はモデル外です。

資料確認日:2026-10-16

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