OCEAN TIDES / 海が動く力
月と潮の満ち引き
海はどうして上下する? 月と太陽の引力の「差」がつくる模様を、角度を変えて見てみよう。
30秒でわかる答え
海の満ち引きの大きな原因は、地球の場所ごとに月と太陽の重力の強さ・向きが少し違うことです。新月・満月のころは潮位差が大きくなりやすく、半月のころは小さくなりやすい傾向があります。ただし実際の潮位は地形や天候にも左右されます。
- 月の寄与
- 主な原因月からの潮汐力が太陽からの寄与より大きい
- 太陽の寄与
- 月の約半分潮汐力の大きさの目安
- 大潮
- 新月・満月のころ一般に干満の差が大きくなる時期
ILLUSTRATED JOURNEY
海の高さを変える力を3枚で
「月の方向だけ海が盛り上がる」という説明では足りません。地球の両側に差が生まれることから考えます。
潮汐力は重力の場所による差
月が引く力は地球の場所によってほんの少し違います。この差が潮汐を引き起こします。
地球全体に一様な力がかかるだけなら潮汐変形にはなりません。
2つの方向に、ふくらみができる
単純な平衡潮汐モデルでは、月に向いた側とその反対側の両方に、同じくらいの大きさのふくらみができます。
月と反対の側でも海が盛り上がる理由は、「遠心力」だけで説明せず、重力の差(潮汐力)として考えることが大切です。
現実の海は、図どおりに盛り上がらない
海盆の形、海底地形、海水の摩擦、地球の自転、共振、気象などが、実際の満潮・干潮の時刻と高さを変えます。
実際の潮位は海域ごとの潮位表(予測値)で確認し、模式図の値を潮位とみなさないでください。
TOUCH AND DISCOVER
月と太陽の向きから、理想的な潮汐の模様をつくる
月の向きを新月から一周させ、地球上の地点も回します。大潮・小潮に近い配置で、潮汐力の形がどう変わるか見比べましょう。
平衡潮汐 / IDEALIZED TIDAL PATTERN
波形は潮汐力の方向依存性をわかりやすく拡大。実際の世界の満潮・干潮位置は求められません。
大潮と小潮を比べる
太陽の寄与と月の寄与が重なります。
LEARN AT YOUR LEVEL
宇宙のふしぎを、もう少し。
入門から少し専門的な話題まで。4つの段階で、知っておきたいポイントを短く紹介します。
潮は、海の高さが上がったり下がったりすること
干潮では海の水位が低く、満潮では高くなります。
- 月と太陽の重力が潮を起こす。
- 実際の満潮の時刻は海岸によって違う。
大潮と小潮は、太陽と月の並びで変わる
新月・満月付近は太陽と月の潮汐作用が強め合い、上弦・下弦付近では部分的に打ち消し合います。
- 大潮は特定の季節ではなく、毎月2回ほど、新月・満月のころに起こる。
- 地球の、月と反対の側にも海面が高くなる領域ができる。
実際の潮位には海の形が効く
沿岸では海盆の形や水深、共振、コリオリの効果により、場所ごとの干満が大きく違います。
- 1日に満潮が2回の地域も、1回が目立つ地域もある。
- 風や気圧で予測潮位からずれることがあるため、正確な海上判断は現地の潮位情報を使う。
専門潮汐ポテンシャルは角度で変わる
各地点での月の引力から、地球中心での月の引力(地球全体に一様にかかる加速度)を差し引くと、潮汐ポテンシャルの主要項は角度の2次関数で近似できます。
潮汐の主要項 ∝ (M/r³) × (3 cos²θ − 1)/2
- 潮汐をつくる主要項は P₂(cos θ) = (3cos²θ−1)/2 に比例。
- 潮汐振幅はおおまかに天体質量 M と距離 r に対して M/r³ に比例し、太陽の引力そのものの大きさとは異なる。
- 海洋の応答には流体方程式と境界条件が必要で、平衡潮汐だけでは沿岸の潮位を予報できない。
ラボは角度成分を無次元で合算し、平均潮位を表示しません。
1 QUESTION CHECK
図のあとに、1問だけ
大潮になりやすいのはどんなとき?
答えを1つ選んでください。
COMMON QUESTIONS
よくある誤解
1日2回の満潮は世界共通?
月の重力が直接海を持ち上げるのがすべて?
科学的な前提と出典
静的・平衡潮汐モデルの2つのふくらみは、実際の海面形状を地球全体で追跡したものではありません。太陽の寄与は月の約0.46倍です(距離と天体の質量の代表値による概算)。干満の時刻・潮位は海域・大気・海底形状に依存するため、このモデルを航海や防災に使わないでください。
資料確認日:2026-10-16
