ヴァスト社(米国)|民間宇宙ステーション「ヘイヴン1」とISSへの民間ミッション【有人飛行は2027年から予定】

ヴァスト社(Vast)は、自社の宇宙ステーション「ヘイヴン1」に約2週間滞在する飛行と、国際宇宙ステーション(ISS)への民間ミッションの2つを計画しています。どちらもスペースX社のファルコン9ロケットとドラゴン宇宙船を使います。 ヘイヴン1は2027年に打ち上げる予定で、同社が人を乗せて飛ばした実績はまだありません。座席価格は公表されていません。

行き先 ヘイヴン1(高度 約425km)/ISS 無重量 滞在中ずっと 滞在 約2週間 定員 4人 座席価格 非公表(同社は1人1億ドル未満と説明・2025年11月) ⚠️ 有人飛行の実績なし・ヘイヴン1は2027年打上げ予定
【最新】ヘイヴン1は2027年打上げ予定、2つの有人ミッションのクルーを一部発表 ヴァスト社は2026年1月、ヘイヴン1の打上げ目標を「2027年1〜3月」としました。2026年7月の報道でもこの目標に沿って進んでいるとされましたが、9月23日の同社の発表では「2027年」とだけ書いています。当初の予定は2025年8月でした。
ヘイヴン1への最初の有人飛行「Vast-1」は、打上げから数週間以内の予定で、機体の受け入れ試験を兼ねます。ISSへの「Vast-PAM-1」(NASAの第6回民間ミッション)は2027年夏以降の予定で、4人のうち3人が発表されています。
2026年7月8日には、日本の有人宇宙システム(JAMSS)と、日本・アジアの顧客の窓口などに関する基本合意を結びました。
最終更新:| 根拠: ヘイヴン1の組立段階への移行(2026年1月20日・一次)/ 月面事業部門の新設(2026年9月23日・一次)/ フランスとの2ミッション合意(2026年6月1日・一次)/ NASAの第6回民間ミッション選定(2026年2月12日・一次)/ ギリシャの宇宙飛行士の発表(2026年9月9日・一次)/ JAMSSとの基本合意(2026年7月8日・一次) ※ 内容の正確性や最新性は保証できません。最終判断は必ず公式情報・該当企業にてご確認ください。当サイトは責任を負いません。

概要

ヴァスト社(Vast)は、2021年に創業した米カリフォルニア州ロングビーチの宇宙企業です。創業者で出資者のジェド・マケーレブ氏が設立し、CEOはマックス・ハオット(Max Haot)氏です。 ISSの後を継ぐ民間の宇宙ステーションを自社で開発しており、最初の「ヘイヴン1」は1つのモジュールだけの小さなステーションです。その次の大型の「ヘイヴン2」を、NASAのISS後継の計画に提案しています。 出典: eNCA(AFP・2025年11月) / Space.com(2026年3月)

ヴァスト社が計画している有人飛行は、次の2種類です。行き先も時期もクルーも別のミッションです。

  • ヘイヴン1への飛行:自社のステーションに約2週間滞在します。最初の有人飛行は「Vast-1」で、2027年の予定です。
  • ISSへの民間ミッション:NASAの第6回民間ミッションとして、ISSに最大14日間滞在します。ヴァスト社は「Vast-PAM-1」と呼んでいて、2027年夏以降の予定です。

出典: ヘイヴン1(公式) / NASA(第6回民間ミッションの選定)

これまでに飛んだのは、無人の試験機「ヘイヴン・デモ」だけです。2025年11月2日にスペースX社の相乗り便で打ち上げ、約3か月で49項目の試験を行い、2026年2月4日に南太平洋へ制御しながら落としました。人を乗せて飛ばした実績はまだありません。4回の民間ミッションを飛ばしたアクシオム・スペース社との大きな違いです。 出典: ヘイヴン・デモの完了(公式)

【現状:2026年10月1日】2026年3月に5億ドル(株式3億ドル+借入2億ドル)を調達し、三井物産、三菱UFJ銀行、ニコンも出資しました。9月の同社の発表では、従業員は1,000人を超え、集めた民間資金は10億ドルを超えています。9月23日には月面事業の部門を新設しました。 出典: Space.com(資金調達) / 月面事業部門(公式)

仕様・基本情報(ヘイヴン1)

行き先・高度 ヘイヴン1。高度約425km、傾き51.6°の軌道を回ります。ISSとほぼ同じ高さです。 出典: ヘイヴン1(公式)
大きさ 直径4.4m、長さ10.1m。人が過ごせる空間は45m³(与圧された空間は80m³)、重さは14,600kg、電力は13.2kWです。 出典: ヘイヴン1(公式)
期間・無重量 1回の滞在は約2週間で、滞在中はずっと無重量(微小重力)です。 出典: ヘイヴン1(公式)
定員 4人。発表済みのクルーは下の表のとおりです。 出典: ヘイヴン1(公式)
機体・発着 ステーション本体はスペースX社のファルコン9ロケットで、人を乗せずに打ち上げます。クルーはスペースX社のドラゴン宇宙船で往復し、帰りは海に着水します。 出典: ヘイヴン1(公式) / 問い合わせページ(公式)
設備 直径1.1mのドーム型の窓(180度の眺め)、スペースX社のスターリンクによる高速通信、個室、みんなで使うテーブル、実験室があります。 出典: ヘイヴン1(公式)
運用期間・生命維持 運用期間は約3年です(CEOの説明)。二酸化炭素の除去の補助など、生命維持の一部は、つながっているドラゴン宇宙船に頼る設計です。同社はヘイヴン1を、ヘイヴン2の前に出す「最小限の製品」と位置付けています。 出典: Payload(2026年1月) / NASASpaceFlight(2026年7月)
訓練 公式の案内では、スペースX社のもとで訓練を受けます。ISSへの民間ミッションでは、NASA、ISSの各国の宇宙機関、スペースX社のもとで訓練を受けます。訓練の期間は公表されていません。 出典: 問い合わせページ(公式) / NASA(第6回民間ミッションの選定)

予定されている有人ミッション(2026年10月1日時点)

ミッション行き先・時期期間発表済みのクルー位置付け
Vast-1ヘイヴン1・2027年(打上げから数週間以内の予定)約2週間飛行試験エンジニア:アルノー・プロスト(フランス、ESAの予備宇宙飛行士)。ほかの3人は未発表ヘイヴン1の最初の有人飛行で、機体の受け入れ試験を兼ねる
Vast-PAM-1ISS・2027年夏以降最大14日船長:トマ・ペスケ(フランス、ESA)/操縦士:アレシュ・スヴォボダ(チェコ、ESAのプロジェクト宇宙飛行士)/搭乗運用技術者:アドリアノス・ゴレミス(ギリシャ、ESAの航空医官)。4人目は未定NASAの第6回民間ミッション。クルーはISSの各国の宇宙機関の承認が条件

※ ペスケ氏は2021年にISSの船長を務め、宇宙に通算397日滞在した経験があります。プロスト氏は2026年5月にESAの予備宇宙飛行士の基礎訓練を終えたばかりです。 出典: フランスとの2ミッション合意(公式) / ギリシャの宇宙飛行士の発表(公式)

※ 数値は公式発表・NASAの資料を優先しています。将来の計画は変更される可能性があります。

体験内容(含まれるもの/含まれないもの)

含まれるもの(公式で確認できる範囲)

含まれないもの・要確認

  • 座席価格、予約金、支払いの時期、返金の条件(公式には非公開)出典:契約時の条件
  • 訓練の期間・場所と、その間の渡航費・滞在費の扱い出典:契約時の条件
  • 応募の条件(年齢・健康の基準など)、保険、健康上の理由で搭乗できなくなった場合の扱い出典:契約時の条件

条件・備考

  • ヘイヴン1の有人飛行は、打上げ後の確認を経て行う。CEOは2026年1月、最短で打上げの約2週間後、遅ければ約3年の運用期間中のどこかになり得ると説明出典:Payload
  • ISSへの民間ミッションのクルーは、NASAとISSの各国の宇宙機関の審査・承認が必要出典:NASA(第6回民間ミッションの選定)
  • ヘイヴン1の生命維持の一部は、つながっているドラゴン宇宙船に頼る設計出典:NASASpaceFlight

価格・開始時期(最新)

価格の目安(2026年10月1日時点)

ヴァスト社は座席価格を公表していません。2025年11月のAFP通信の記事で、同社は1人の宇宙飛行士を宇宙へ送る費用を1億ドル未満と説明しています。1ドル=150円で換算すると、150億円未満です。

同じ記事では、収入の見込みは政府が85%、民間が15%とされています。主な顧客は、自国の宇宙飛行士を送りたい国の政府です。

出典: eNCA(AFP・2025年11月13日)

※ この金額は会社の説明による上限の目安で、価格表ではありません。実際の金額や含まれる内容は、ミッションと契約条件によって異なります。

開始時期(計画)

ヘイヴン1の打上げ予定は、次のように延びてきました。

  • 2023年の発表時:2025年8月
  • 2025年2月:2026年5月以降に変更
  • 2026年1月:2027年1〜3月に変更
  • 2026年9月23日の同社の発表:「2027年」

最初の有人飛行Vast-1は、ヘイヴン1の打上げから数週間以内の予定です。ISSへのVast-PAM-1は2027年夏以降です。 大型のヘイヴン2は、最初のモジュールを2028年に打ち上げ、約半年ごとにモジュールを足して2032年まで組み立てる計画です(2026年3月の報道)。これはNASAのISS後継の計画で選ばれるかどうかに左右されます。

出典: SpaceNews(2025年2月の延期) / 組立段階への移行(公式・2026年1月) / 月面事業部門(公式・2026年9月) / フランスとの合意(公式) / NASA / Space.com(ヘイヴン2)

予約・規約

申込みの流れ(公開情報ベース)
  • 公式の問い合わせページ(英語の表記は「Create your mission」)か、メール fly@vastspace.com で問い合わせます。対象として、米国や各国政府の宇宙飛行士、2週間のミッションに参加したい個人、研究者が挙げられています。 出典:問い合わせページ(公式)
  • 公式の案内では、流れは「スペースX社での訓練 → ドラゴン宇宙船で打上げ → ヘイヴン1で2週間滞在 → 着水」です。航空券のようにその場で予約が確定する仕組みではなく、価格・予約金・応募の条件は書かれていません。 出典:問い合わせページ(公式)
  • 日本語の申込みページはありません。日本の有人宇宙システム(JAMSS)がヴァスト社と基本合意を結び、日本・アジアの顧客の窓口を担うとしていますが、個人の相談を受け付けるかどうかは公表されていません。 出典:JAMSSの発表(PR TIMES)

※ 実際の申込みの流れ・条件・順番は変わる可能性があります。必ず公式の最新案内を確認してください。

予約金・キャンセル・返金

ヴァスト社は、予約金の金額や返金の条件を公式サイトで公表していません。支払いの時期、キャンセルや延期のときの扱いは、契約の前に必ず書面で確認してください。 出典:問い合わせページ(公式)

延期・日程の変更

ヘイヴン1の打上げ予定は、2025年8月、2026年5月、2027年1〜3月と延びてきました。最初の有人飛行は、打上げ後の確認の結果しだいで、CEOは最短で約2週間後、遅ければ約3年の運用期間中のどこかになり得ると説明しています。ISSへの民間ミッションの日程は、ISSに来るほかの宇宙船の予定などでも変わります。 出典: SpaceNews / 公式(2026年1月) / Payload

会社と計画に関する注意点

ヴァスト社は、人を乗せて飛ばした実績がまだありません。ヘイヴン1は同社自身が「最小限の製品」と位置付けるステーションで、生命維持の一部をドラゴン宇宙船に頼ります。打上げ予定もこれまでに2回延びています。

大型のヘイヴン2は、NASAのISS後継の計画に左右されます。NASAは2026年7月7日に募集要項の案を出し、正式な公募を8月下旬、契約を2027年春とする予定を示しましたが、10月1日時点で正式な公募が始まったことは確認できていません。米政府監査院は2026年6月17日の報告で、民間ステーションの開発は計画より長引く可能性があり、NASAは2027年にISSを予定どおり退役させるかを判断する必要があると指摘しています。

2025年11月のAFP通信の記事では、フランスの宇宙政策の研究者ベアトリス・エノー氏が、長期的な採算に疑問を示しています。大型の長期契約になるため、開発日程・資金調達・経営体制の最新状況を、契約前に確認してください。 出典: NASASpaceFlight / Military Aerospace(NASAの募集要項の案) / 米政府監査院(GAO-26-107805) / eNCA(AFP)

日本との関係

有人宇宙システム(JAMSS)と基本合意

2026年7月8日、有人宇宙システム(JAMSS)とヴァスト社が戦略的な基本合意を結びました。日本・アジアで民間宇宙ステーションの利用を広げるため、ミッションの設計、訓練、健康管理、利用・運用の支援をまとめて提供し、一般の利用者の宇宙旅行にも対応するとしています。JAMSSは「きぼう」の運用で培った経験を生かし、ヘイヴン1に自社の実験装置「KLABOX」を載せる予定です。 出典: JAMSSの発表(PR TIMES) / 共同通信(熊本日日新聞)

日本企業の出資

2026年3月の5億ドルの資金調達には、三井物産、三菱UFJ銀行、ニコンが加わりました。三井物産と三菱UFJ銀行は、ライバルのアクシオム・スペース社にも出資しています。 出典: Space.com / アクシオム・スペース社のページ

日本人の搭乗

2026年10月1日時点で、ヴァスト社のミッションに搭乗が決まった日本人は公表されていません。JAMSSは、日本・アジアの顧客の窓口と、民間宇宙飛行士の訓練を担うとしています。 出典: 共同通信(熊本日日新聞)

※ 共同通信の記事では「バスト」「ヘイブン1」と表記されています。当サイトでは英語の発音に近い「ヴァスト」「ヘイヴン1」で統一しています。

よくある質問

いま申し込めますか?

公式の問い合わせページとメール(fly@vastspace.com)で相談を受け付けていますが、その場で予約が確定する仕組みではありません。最初の有人飛行は2027年の予定で、価格や応募の条件は公表されていません。 出典: 問い合わせページ(公式)

ヘイヴン1への飛行とISSへのミッションは何が違いますか?

ヘイヴン1への飛行は、ヴァスト社の自社ステーションに約2週間滞在するもので、最初は2027年の「Vast-1」です。ISSへの「Vast-PAM-1」は、NASAの第6回民間ミッションとしてISSに最大14日間滞在するもので、2027年夏以降の予定です。行き先もクルーも別のミッションです。 出典: フランスとの2ミッション合意(公式) / NASA

費用はいくらですか?

公式の価格表はありません。2025年11月のAFP通信の記事で、同社は1人を宇宙へ送る費用を1億ドル未満(1ドル=150円で150億円未満)と説明しています。実際の金額や含まれる内容は、ミッションと契約条件によって異なります。 出典: eNCA(AFP)

ヴァスト社はまだ人を宇宙に送ったことがないのですか?

はい、2026年10月1日時点で有人飛行の実績はありません。飛んだのは無人の試験機「ヘイヴン・デモ」(2025年11月〜2026年2月)だけです。人の往復にはスペースX社のドラゴン宇宙船を使い、ヘイヴン1の最初の有人飛行「Vast-1」は、機体の受け入れ試験を兼ねます。 出典: ヘイヴン・デモの完了(公式) / フランスとの合意(公式)

日本から申し込めますか?日本人が参加する予定はありますか?

申込みは公式サイト(英語)の問い合わせ窓口からです。2026年7月に、日本の有人宇宙システム(JAMSS)が日本・アジアの顧客の窓口を担う基本合意を結びましたが、個人の相談を受け付けるかどうかは公表されていません。搭乗が決まった日本人も、10月1日時点で公表されていません。 出典: JAMSSの発表(PR TIMES)

ヘイヴン1は何年使えますか?その後はどうなりますか?

運用期間は約3年とされています。その後は、大型のヘイヴン2を2028年から組み立てる計画ですが、NASAのISS後継の計画で選ばれるかどうかに左右されます。NASAはISSを2030年まで運用する方針です。 出典: Payload / Space.com / NASA(ISSの運用計画FAQ)

アクシオム・スペース社とは何が違いますか?

アクシオム・スペース社は、ISSへの民間ミッションを4回飛ばした実績があり、自社ステーションは最初のモジュールをISSに取り付けてから独立させる計画です。ヴァスト社は有人飛行の実績がまだなく、最初から独立した小さなステーション(ヘイヴン1)を打ち上げる計画です。どちらもNASAからISSへの民間ミッションを任されています。 出典: NASA(民間宇宙飛行士ミッション) / アクシオム・スペース社のページ

次の一歩

※ ISSへの民間ミッションは、ヴァスト社のVast-PAM-1(2027年夏以降)のほか、アクシオム・スペース社のAx-5(2027年1月以降)、ボイジャー・テクノロジーズ社のVOYG-1(2028年以降)がNASAに選ばれています。いずれも計画の変更や延期の可能性があるため、申込みの前に各社の最新の公式情報を確認してください。参考:NASA(2026年8月31日更新)

※ 本ページの内容は一次情報に基づき更新していますが、正確性・最新性を保証できません。最終判断は必ず公式情報・該当企業にてご確認ください。詳細は 利用規約 をご覧ください。

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出典・クレジット

一次情報・公式資料

報道・参考資料

更新履歴

2026年10月1日:ページを新規作成

ヴァスト社とNASAの一次情報をもとに、ヘイヴン1の仕様と打上げ予定の経緯、有人飛行の実績がないこと、ヘイヴン1への飛行(Vast-1)とISSへの民間ミッション(Vast-PAM-1)の違いと発表済みのクルー、価格についての同社の説明(2025年11月時点)、申込みの流れ、有人宇宙システム(JAMSS)との基本合意と日本企業の出資、会社と計画に関する注意点を整理しました。

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