OUTER SOLAR SYSTEM / はてしない遠方

太陽系の外縁はどうなっている?

海王星で太陽系たいようけいは終わりません。0.1 AUから10万 AUまで、対数スライダーで旅して、境界の意味を比べましょう。

イラスト+体験入門から専門へ
太陽から海王星・カイパーベルト・ヘリオポーズ(目安)・仮説上のオールト雲までを、距離を対数目盛りにして並べた独自の模式図。10倍ごとに同じ幅です。
太陽から海王星・カイパーベルト・ヘリオポーズ(目安)・仮説上のオールト雲までを、距離を対数目盛りにして並べた独自の模式図。10倍ごとに同じ幅です。

30秒でわかる答え

海王星の軌道は太陽たいようから約30 AU(AUは天文単位。太陽たいようと地球ちきゅうの平均距離で、約1億5000万km)ですが、その外側にはカイパーベルトなどの小天体の集まりがあります。太陽たいよう風が届く範囲の境目(ヘリオポーズ)と、太陽たいようの重力に結びつく範囲は、同じ「端」ではありません。

海王星
約30 AU太陽からの平均的な距離の目安
カイパーベルト
約30〜50 AU主要部分の目安
オールト雲
仮説上の領域内縁は約2,000〜5,000 AUとの推定

ILLUSTRATED JOURNEY

4枚の絵で理解する

海王星、カイパーベルト、太陽圏の境界、オールト雲の順に、太陽から遠ざかりながら4枚の絵で見ていきます。図は大きさや距離を調整した模式図です。

最も外側の惑星・海王星と衛星トリトン、遠くに小さく光る太陽を描いた模式図。大きさ・距離は実際の比率ではありません。
01 / NEPTUNE

海王星は最も外側の惑星

8つの惑星の中で最も太陽たいようから遠い海王星は、約30 AUの距離を公転こうてんします。

「最も外側の惑星」=「太陽系の端」ではありません。

海王星の軌道の外側に広がるカイパーベルト(約30〜50 AU)と、さらに外側・上下にも広がる散乱円盤、冥王星とカロンの拡大図。
02 / KUIPER

氷の小天体が集まる帯

海王星の外側には、冥王星を含む多くの氷天体が集まるカイパーベルトがあります。

主な帯は約30〜50 AUで、散乱円盤はさらに外側まで広がっています。

太陽風が届く範囲(太陽圏)とヘリオポーズ、ボイジャー1号(2012年)・2号(2018年)が通過した位置を示す模式図。形は研究中。
03 / HELIOPAUSE

太陽風の影響の「端」

太陽たいよう風と星間物質が押し合う境界がヘリオポーズです。ボイジャー1号と2号が、それぞれ別の方向で2012年と2018年に通過しました。

ヘリオポーズまでの距離は方向や時期によって変わり、決まった半径の球面ではありません。

惑星とカイパーベルトの範囲を包む、球殻状のオールト雲の仮説概念図。数千〜10万 AUに広がると推定され、全体を写した画像はありません。
04 / OORT

もっと遠くのオールト雲

長周期彗星の起源を説明するため、はるか遠方に氷天体の広い集まりがあると考えられています。

オールト雲の全体を写した画像はなく、広がりの推定はモデルによって異なります。

TOUCH AND DISCOVER

距離の桁を動かす:太陽系はどこまで?

距離スライダーは0.1〜10万 AUを対数で表示します。目印を押すと代表的な距離へ移動し、その場所の天体や境界を説明します。

LOGARITHMIC DISTANCE距離の桁を変える
カイパーベルトヘリオポーズ(目安)オールト雲(推定)ボイジャー1号0.11101001,00010,000100,000AU(対数軸)距離を10倍にすると、右へ同じ幅だけ進みます
AU=天文単位(1 AU は正確に149,597,870,700 m)。小天体群・太陽圏の境界はそれぞれ別の定義です。

太陽から離れていく

代表地点へジャンプ

地球の軌道

1 AU

LEARN AT YOUR LEVEL

宇宙のふしぎを、もう少し。

入門から少し専門的な話題まで。4つの段階で、知っておきたいポイントを短く紹介します。

入門

海王星の向こうにも広がる

惑星が終わっても天体は続きます。

  • 海王星の外にも、氷を多く含む小天体が集まる場所がある。
  • 太陽たいようから吹き出す太陽たいよう風は、海王星よりはるか遠くまで届いている。
基礎

外縁の地図を作ろう

同じ「端」に見えるものも意味が異なります。

  • 約30〜50 AUが、カイパーベルトの主な部分の目安。
  • ヘリオポーズは太陽たいよう風の境界で、重力の境界ではない。
発展

散乱円盤とオールト雲

さらに遠い天体の軌道を考えます。

  • 散乱円盤の天体は細長く傾いた軌道をもち、非常に遠くまで行くものがある。
  • オールト雲は、長周期彗星などの軌道の分布を説明するために考えられた、遠くの彗星の「貯蔵庫」(仮説)。
専門

太陽の重力と太陽風は違う

太陽系たいようけいの「端」を一意に決めない。

距離軸 x = log₁₀(r / 1 AU)(この模型)

  • 太陽たいよう風の境界は太陽たいよう活動や星間空間の状態で変わり、方向によっても異なる。
  • 太陽たいようの重力に結びついた領域は、銀河ぎんがの潮汐力や近くの恒星こうせいの影響も受けるため、決まった球面ではない。

AUの値は太陽からの距離の目安です。遠方の構造の端は、実測で確かめられた値ではありません。

1 QUESTION CHECK

図のあとに、1問だけ

ヘリオポーズを越えたとき、太陽の重力は?

答えを1つ選んでください。

COMMON QUESTIONS

よくある誤解

オールト雲は望遠鏡で全体を写せる?
いいえ。太陽系の遠くに広がると考えられている仮説上の集まりで、全体を直接写した画像はありません。
ボイジャーが太陽系を「出た」の?
2機とも、太陽風が届く範囲(太陽圏)の外に出て、星間空間を観測しています。ただし、オールト雲を含む、太陽の重力が及ぶ範囲の外まで出たわけではありません。

科学的な前提と出典

表示する距離は太陽を基準にしたAUの概数で、横軸は対数目盛りです。カイパーベルトの主な部分は約30〜50 AUで、散乱円盤はさらに外側に広がります。ヘリオポーズの位置は、ボイジャー2機が別々の方向で通過した距離(約120 AU)を目安にしています。オールト雲の内縁2,000〜5,000 AU・外縁1万〜10万 AUは、モデルによる推定です。太陽の重力が及ぶ範囲の境界を、一つの決まった位置として断言することはしません。

資料確認日:2026-10-16

上部へスクロール