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ブラックホールに太陽を投げこむと、どうなる?|ブラックホール・ラボ

指で天体を投げて、ブラックホールのまわりで起きることを試せるシミュレーターです。太陽が細く引きのばされて光る円盤になったり、地球がまわりを回り続けたり、2つのブラックホールが重力波を出して1つになったり。近づいたときの重力の強まり方と、「近くで見る」での光の曲がり方は、一般相対論の式で計算しています。はくちょう座X-1、いて座A*、M87*など、実在のブラックホールにも投げこめます。

👆 指で天体を投げる ☀️ 星がのびて円盤に ✨ ブラックホールどうしの合体 〰️ 重力波と合体の音 👁 近くで見る(光の曲がり) ⬇️ 地平面へ飛びこむ 🎬 6つの場面 ⏱ 時計で見る時間の遅れ 🔭 本物を再現(S2・GW250114) 📷 写真とリンク 🔭 演出モード/リアルモード ⭐ 発見のきろく22種 📱 タッチ操作OK
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ブラックホール・ラボ「操作を始める」を押すと、画面の中で天体を投げられます。シミュレーターの上では指の動きを天体の操作に使うため、ページに戻るときは右上のボタン(パソコンはEscキー)を押してください。約0.2MBのデータを、この画面に近づいたときに読み込みます。
別画面で開く ↗
▶ どれから試す?
押すと、その場面で始まります。画面の中でドラッグして天体を投げられます。右上の矢印ボタンでページに戻れます。

6 SCENES

6つの場面から、試したいものを選ぼう

押すと、上のシミュレーターでその場面が始まります。シミュレーターの中でも、上の場面ボタン(1/6 のように番号が出ているボタン)から切りかえられます。

REAL DATA

本物を再現する、3つの場面

観測や研究で分かっている数字を使って、本物の出来事を再現します。シミュレーターの中では、場面ボタンを押した先の「本物を再現する」から選べます。

HOW TO PLAY

遊び方は3つだけ

1

天体を投げる

下の列から、小惑星・地球・木星・太陽・赤色巨星・中性子星・ブラックホール・探査機をえらび、画面をドラッグして投げます。探査機には時計がついていて、遠くの時計とのずれが右上に出ます。投げる前に出る線で、どうなるかが予想できます。タップするとその場に置けます。2本指(パソコンはホイール)で拡大・縮小。

2

場面を変える

シミュレーターの上にある「1/6 のみこむ」のような場面ボタンから、6つの場面を選べます。1つの場面を見終わると「次の場面」ボタンも出ます。「自由に投げる」では、はくちょう座X-1やM87*など、実在のブラックホールを相手にできます。その下の「本物を再現する」には、時間の遅れ・S2の軌道・GW250114があります。

3

近くで見る・飛びこむ

「近くで見る」を押すと、ブラックホールを斜めから見た姿になります。指でなぞると見る角度が変わり、光の曲がりで、円盤の向こう側が上と下に回りこんで見えます。そこで「飛びこむ」を押すと、地平面まで落ちていきます。カメラのボタンで、いまの画面を写真に保存したり、この場面のリンクを送ったりできます。

WHAT HAPPENS

ブラックホールのまわりで見られる、3つのこと

星が細くのびて、円盤になる

ブラックホールに近い側ほど強く引かれるため(潮の力)、星は細長くのびて、ほどけていきます。そのガスの約半分は外へ飛び去り、残りは渦をまいて光る円盤になります。

飲みこまれずに回り続ける

離れた場所での重力は、同じ重さの星と変わりません。横向きに投げれば、まわりを回り続けます。ただし地平面の約3倍より内側に入ると、円い軌道を保てずに落ちていきます(回転していないブラックホールの場合)。

2つが1つになる

2つのブラックホールは、重力波を出しながら近づき、最後は一気に合体します。合体の音(チャープ)は、だんだん高く速くなります。重さがちがうと、合体したブラックホールが勢いよく動き出すことも。

ためしてみよう

  1. 「自由に投げる」でM87*を選び、太陽を投げこんでみよう。太陽10個分のブラックホールのときと、何がちがう?
  2. 地球を、ブラックホールのまわりを回るように横向きに投げてみよう。どこまで近づけると、落ちてしまう?
  3. 重さを「軽い」にしたブラックホールを投げて合体させると、そのあと、どう動く?
  4. 「自由に投げる」でいて座A*を選び、探査機をすぐ近くで回らせてみよう。時計はどれだけ遅れる? 恒星ブラックホールだと、どうなる?
  5. 「近くで見る」で「飛びこむ」を押してみよう。いて座A*と恒星ブラックホールで、「頭と足の力の差」はどれくらいちがう?

見つけたことは、右上の星マークから開ける「発見のきろく」に残ります(全22種)。まだ見ていない発見には、ヒントが出ます。

NOT A VACUUM CLEANER

ブラックホールは、何でも吸いこむ掃除機ではない

太陽が同じ重さのブラックホールに変わっても、地球の軌道は変わりません。

離れた場所での重力は、重さだけで決まるからです。変わるのは、光と熱が届かなくなること。太陽と同じ重さのブラックホールは、半径が約3kmしかありません。

「太陽がブラックホールに」の場面で、ボタンひとつで試せます。

約3km太陽と同じ重さのブラックホールの半径(地平面)それでも地球の軌道はそのまま

SWALLOWED WHOLE

大きいブラックホールほど、星を丸のみにする

太陽のような星は、太陽の約1億倍より重いブラックホールには、形を保ったまま飲みこまれます。

星を細長くのばすのは、近い側と遠い側の、引っぱる力の差です。重いブラックホールほど地平面が大きく、その手前では力の差が小さいため、星は形を保ったまま地平面の中へ入ってしまいます。

大きくふくらんだ赤色巨星なら、M87*のそばでも細くのびて円盤になります。「丸のみ」の場面で、太陽と赤色巨星をくらべてみよう。

太陽の約1億倍これより重いと、太陽のような星は丸のみ(回転していないブラックホールの目安)M87*は太陽の約65億倍

TIME DILATION

ブラックホールの近くでは、時計がゆっくり進む

いて座A*のすぐ近くを回って戻ってきた探査機は、遠くにいた時計より若くなります。

重力が強い場所や、速く動いているものほど、時計はゆっくり進みます(一般相対論)。「時間の遅れ」の場面では、探査機が約6時間で1周して戻るあいだに、遠くの時計より約25分遅れます。いちばん近づいたところでは、探査機の時計は遠くの約0.65倍の速さでしか進みません。

NASAの可視化(2024年)でも、同じ重さのブラックホールのそばを回る6時間の旅で、36分若くなるという結果が示されています。地球のまわりを回るGPS衛星の時計も、こうしたずれを計算に入れて直しています。

約25分「時間の遅れ」の場面で、1周(約6時間)のあいだに探査機の時計が遅れる時間遠くの時計 約6時間6分・探査機 約5時間41分

FALLING IN

地平面へ落ちていくと、空はどう見える?

落ちていく人には、地平面に着いても、黒い影は空の半分もおおいません。

地平面のすぐそばに止まっていられたとしたら、光が大きく曲がるため、空のほとんどが黒く見えます。ところが、まっすぐ落ちていく人には、落ちる速さのせいで外の星の光が前の方向へ集まって見え(光行差)、黒い影は前から約42度の範囲だけになります。うしろから来る光は、地平面のところで振動数が約半分になり、赤く暗く見えます。

「近くで見る」の「飛びこむ」では、この見え方を、光の通り道と落ちる速さの両方を入れて計算しています。いて座A*なら、地平面でも頭と足を引っぱる力の差はほとんど感じませんが、太陽10個分のブラックホールでは、地平面の近くで地球の重力の約2,000万倍になります。

約42度地平面に着いたときに見える、黒い影の大きさ(前の方向からの角度)止まっている人なら、空のほとんどが黒い

MERGER

ブラックホールが合体すると、重さの一部が重力波になる

2015年に初めてとらえられた重力波GW150914は、太陽36個分と29個分のブラックホールの合体でした。

合体してできたのは太陽約62個分。足りない約3個分は、重力波のエネルギーとして宇宙へ出ていきました。「ぶつかる」の場面は、この組み合わせで始まります。重力波はその後も次々に見つかり、2026年5月に公開されたカタログまでに390件になりました。

合体のあと、地平面の面積は、合体前の2つの合計より大きくなります。ホーキングが予言したこの性質は、2025年に重力波GW250114の観測で確かめられました。

太陽 約3個分GW150914で、重力波として出ていった重さ36個分+29個分 → 約62個分

REAL BLACK HOLES

シミュレーターで選べる、実在のブラックホール

名前重さ地球からの距離見どころ
はくちょう座X-1はくちょう座太陽の約21倍約7,000光年最初に確かめられたブラックホール。青く大きな星とペアで回っています。
ガイアBH3わし座太陽の約33倍約1,900光年2024年に発見。天の川銀河で恒星からできたものとしては、これまでに見つかった中で最も重いブラックホールです。
いて座A*いて座太陽の約430万倍約2万7,000光年天の川銀河の中心にある超巨大ブラックホール。2022年に影の画像が公開されました。
M87*おとめ座太陽の約65億倍約5,500万光年2019年、人類が初めて影を撮影したブラックホール。太陽を丸のみにできる重さです。
GW150914「ぶつかる」の場面太陽の36倍+29倍約13億光年2015年、初めて重力波でとらえられたブラックホールどうしの合体。
GW250114「本物を再現」の場面太陽の約34倍+32倍約11億光年2025年にとらえられた、これまででいちばんはっきりした重力波。合体で地平面の面積が増えることを確かめました。
S2いて座A*のまわりを回る星太陽の約14倍約2万7,000光年約16年でいて座A*を1周。いちばん近いところでは秒速約7,700km。2020年、軌道が少しずつ回ることが確かめられました。

重さと距離は、NASA・ESA・LIGOなどの公開値にもとづく丸めた概数です。「恒星ブラックホール(太陽10個分)」は、特定の天体ではなく、よくある大きさの例です。

TWO MODES

「演出」と「リアル」、2つの見え方

演出モード(最初の表示)

ブラックホールらしさを、ひと目で感じられる見え方です。

  • 円盤がいつも光っている
  • 重力波を、水色の波紋で見えるようにする
  • 飲みこむ瞬間のきらめき、大きな出来事での自動スロー
  • 「近くで見る」は映画のような見え方から
リアルモード

本物に近い見え方です。

  • 光るのは、ガスが本当にあるときだけ
  • 重力波は、目に見えないので波形のグラフだけで表す
  • 「近くで見る」はドップラー効果を入れた見え方から(近づく側が明るい)

重力の計算は、どちらのモードも同じです。初めての人は演出モード、本物の見え方を知りたい人はリアルモードがおすすめです。

ABOUT THE MODEL

このシミュレーターの見方

見やすくするための工夫があります

  • 光の速さを遅くした宇宙で計算しています。地平面の大きさや合体までの時間を、画面で見える大きさにするためです。
  • 天体の大きさは大きく、星がのび始める距離は縮めて表示しています。
  • 真上から見た平面の上で動かしています。「近くで見る」の円盤は、ブラックホールのまわりの薄い円盤として描いています。
  • 円盤ができるまでの時間は、早送りにしています。
  • ブラックホールの回転(スピン)は入れていません。本物の多くは回転していて、速く回るほど、円盤の内側のふちは地平面に近づきます。
  • 重力波の波もようは、形は本物どおりで、大きさを誇張しています。水色は、本当は目に見えない重力波を見えるようにした色です。
  • 時計の時間は、光の速さを遅くした宇宙の時間を、本物のブラックホールの重さに合わせて、本物の時間になおして表示しています。探査機は、長さ10mで、重力の100倍の力の差までたえられるものとしています。
  • S2の「ずれを大きくして見る」は、光の速さをさらに遅くして、1周ごとのずれを本物の約80倍(約16度)にしたものです。
  • GW150914とGW250114の場面の波形の雑音は、信号が雑音の何倍の強さだったかを表すイメージです。
  • 「飛びこむ」は、地平面の少し手前(地平面の1.03倍)で止めています。地平面の中の見え方は描いていません。落ちていく時間は画面では縮めていますが、「あなたの時計」は本物の時間です。
  • 写真はこの端末の中で作られ、どこにも送られません。「発見のきろく」は、この端末のブラウザーにだけ残ります。

FAQ

よくある質問

ブラックホールは、何でも吸いこんでしまうの?

いいえ。離れた場所での重力は、同じ重さの星と変わりません。近くを回る天体は、そのまま回り続けることもできます。ただし近づきすぎると重力がとても強くなり、地平面の約3倍より内側では、円い軌道を保てずに落ちていきます(回転していないブラックホールの場合)。

ブラックホールに落ちたら、どうなるの?

外から見ていると、落ちていく物は地平面に近づくほど動きがゆっくりになり、赤く暗くなって、やがて見えなくなります。このシミュレーターでも、地平面に近づく天体は赤く暗くなります。

落ちていく本人にとっては、大きなブラックホールなら、地平面を越える瞬間に特別なことは起きないと考えられています。小さなブラックホールでは、地平面に着く前に、近い側と遠い側の力の差で、縦に細長く引きのばされます。

「近くで見る」の「飛びこむ」で、落ちていく人に見える空を体験できます。いて座A*なら、地平面から中心までは、落ちていく人の時計で約28秒と計算されます。地平面の中で何が起きるかは、まだ分かっていません。

ブラックホールどうしが近づくと、どうなるの?

重力波を出しながら近づき、合体して1つになります。そのとき、重さの数%が重力波のエネルギーとして出ていきます。重さや回転がそろっていないと、重力波がかたよって出る反動で、合体したブラックホールが勢いよく動き出すこともあります。

円盤の上と下が光っているのはなぜ?

ブラックホールのまわりでは光の通り道が曲がるため、影の後ろにある円盤の向こう側が、影の上と下に回りこんで見えます。黒い影が地平面より大きく(約2.6倍)見えるのも、光が回りこむためです。「近くで見る」では、この光の通り道を1本ずつ計算して描いています。

ブラックホールの近くでは、本当に時間が遅れるの?

はい。重力が強い場所ほど、また速く動いているものほど、時計はゆっくり進みます。地球の上でも、ごくわずかですが同じことが起きていて、GPS衛星の時計はこのずれを計算に入れて直しています。ブラックホールのすぐ近くでは、そのずれがとても大きくなります。「時間の遅れ」の場面で、探査機の時計と遠くの時計をくらべてみてください。

いちばん近いブラックホールは、どこにあるの?

今わかっているなかでは、へびつかい座の方向にあるガイアBH1で、約1,560光年先です。太陽系に近づいてくる心配はありません。

学校の授業で使ってもいいですか?

はい。授業や家庭学習で、自由にお使いください。登録や広告はありません。カメラのボタンから出る「この場面へのリンク」を配ると、同じ場面から始められます。動きが重いときは、シミュレーター右上の「i」から画質を「低」にしてみてください。動かないときは、別のブラウザーで開いてみてください。

研究や予測に使えますか?

使えません。ブラックホールのまわりで何が起きるかを、目で見て直感的に知るための教育用シミュレーターです。

FEEDBACK

使って気づいたことを教えてください

このシミュレーターは、みなさんの声をもとに改善を続けています。動かない、表示がおかしい、操作が分かりにくい、動きが重い、説明に疑問がある、追加してほしい天体や場面がある、といった声を受け付けています。

改善に使います

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内容の種類

不具合の場合は、「どの場面だったか(のみこむ・ぶつかる・太陽系に来たら・太陽がブラックホールに・丸のみ・自由に投げる・時間の遅れ・S2の軌道・GW250114)」「近くで見る・飛びこむを開いていたか」「どの操作の後に何が起きたか」「再読み込み後も起きたか」を、分かる範囲で書いてください。動きが重い場合は、シミュレーター右上の「i」で選んでいる画質(自動・高・中・低)も書いてもらえると助かります。

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RELATED

次に見てみよう

主な参考
ブラックホールは宇宙の掃除機ではない:NASA
初めての重力波GW150914:LIGO(カリフォルニア工科大学)
地平面の面積が増えることの確認(GW250114):LIGO
重力波カタログGWTC-5.0(2026年):LIGO・Virgo・KAGRA
合体のあとのキック(GW200129):マックス・プランク重力物理学研究所
太陽のような星を丸のみにする重さ:French ほか, Space Science Reviews, 2020
ガイアBH1・ガイアBH3:ESA
いて座A*の影の画像:ボストン大学(イベント・ホライズン・テレスコープ)
ブラックホールに近づく視点の可視化:NASA
近くを回って戻ると36分若い(2024年):NASA
S2の軌道の回転の確認(2020年):ESO(ヨーロッパ南天天文台)
GW250114の重さ・信号の強さ:LIGO・Virgo・KAGRA, Physical Review Letters, 2025
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