月と木星が接近、2027年3月19日|何時・どの方角?
2027年3月19日(金)の夕方、輝いている部分が約9割の月のすぐそばに、明るい木星が見えます。いちばん近づくのは17時ごろ(約1°)ですが、まだ日の入り前。見るのは日の入り1時間後、東南東の高い空がおすすめで、そのころの間隔は約1.3°(満月2個半ほど)です。月の左には赤っぽい火星も。都会でも、目だけで見られます。
宵の高い空で、月のすぐ左上に木星。火星も近くに(東京)
- レア度C夕方の高い空でここまで近いのは14年ぶり(東京)
- 天文条件A高い空・暗くなる時間・木星は−2.4等
- 手軽さA目だけで、都会でも
3月19日、日の入り1時間後。東南東の高い空、月のすぐ左上
東京の計算例では、日の入りは17時51分。18時51分ごろ、東南東の高さ約51°(かなり高い所)に月があり、そのすぐ左上、月2〜3個分(約1.3°)の所に、ひときわ明るい木星(−2.4等)が光っています。月の左、約5°には赤っぽい火星(−0.7等)。月と木星は翌朝4時ごろに沈むまで見えますが、時間がたつほど少しずつ離れていきます。
「接近」とは? 地球から見て、天体どうしが空で近くに並んで見えることです。実際に近づいているわけではなく、月は約36万km、木星は約6億8300万km先にあります。月は約1か月で星空をひとまわりするので、毎月1回、木星のそばを通ります。今回は、そのなかでもとくに近くを通る回です。
月
—
—
木星
上の星空シミュレーターで位置を確かめられます
月のすぐ左上の、ひときわ明るい星
火星
東京の例:東南東・高さ 約49°
月の左、約5°の赤っぽい星
見るころの天気
観察日が近づくと、見る時間帯の天気予報をここに表示します。
観察ポイント
東京の目安
3月19日の月は、新月から11日ほどの、ふっくらした月です。月が明るいので、まわりの暗い星はあまり見えませんが、木星と火星は目だけでも十分に見えます。日が沈んで空が青くなってきたら、月のすぐそばを探してみましょう。
| 地点 | 日の入り | 見る時刻 | 月の方角・高さ | 月と木星 | 月と火星 | いちばん近い時刻 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 17:45 | 18:45ごろ | 東南東・48° | 約1.4° | 約5° | 17:08(1.1°) |
| 仙台 | 17:47 | 18:47ごろ | 東南東・50° | 約1.4° | 約5° | 17:06(1.1°) |
| 東京 | 17:51 | 18:51ごろ | 東南東・51° | 約1.3° | 約5° | 17:04(1.0°) |
| 名古屋 | 18:03 | 19:03ごろ | 東南東・51° | 約1.4° | 約5° | 17:03(1.0°) |
| 大阪 | 18:08 | 19:08ごろ | 東南東・52° | 約1.4° | 約5° | 17:02(1.0°) |
| 広島 | 18:20 | 19:20ごろ | 東南東・52° | 約1.5° | 約5° | 17:01(1.0°) |
| 福岡 | 18:29 | 19:29ごろ | 東南東・52° | 約1.6° | 約5° | 17:01(1.0°) |
| 鹿児島 | 18:28 | 19:28ごろ | 東南東・52° | 約1.6° | 約5° | 17:00(1.0°) |
| 那覇 | 18:40 | 19:40ごろ | 東・54° | 約1.6° | 約5° | 16:58(0.9°) |
どの地点も、月と木星がいちばん近づくのは17時ごろ(まだ日の入り前)です。日の入りが遅い西の地域ほど、暗くなるころには少し離れています(宇宙旅行.jpの計算)。
前後の日と、ほかのページ:月が火星・木星と並ぶ様子は、月が火星・木星に近づく日のページでも紹介しています。このページは、月と木星がとくに近くに見える日のための観察ガイドです。
月のとなりで、
木星が光る。
3月19日の夕方、東南東の高い空で、ふっくらした月のすぐそばに木星が並びます。月は星空の中を少しずつ東へ動いているので、二つの間は時間とともに変わります。図は、東京で見た月・木星・火星の動きを、夕方から夜まで計算したものです。
東南東の、
月のすぐ左上。
東京の、日の入り1時間後(18時51分)の空を計算した図です。月は東南東の高さ約51°。地平線からかなり高い所にあるので、建物があっても見つけやすい位置です。月の下には、しし座の1等星レグルスも見えています。
まず月、すぐに木星。
いちばん明るい月を見つければ、木星はそのすぐそば。空がまだ青いうちから見えます。
- 東南東の高い空に、明るい月。 腕をのばしたげんこつ5つ分(約50°)ほどの高さです。
- 月のすぐ左上に、ひときわ明るい星。 それが木星です。月2〜3個分ほどの近さです。
- 月の左、約5°に赤っぽい星。 火星です。げんこつ半分くらい離れています。
- 夜がふけるほど、月は木星から離れていく。 21時には約2.1°。翌日にはずっと離れます。
双眼鏡を向けると、月・木星・火星がひとつの視野におさまります(図の右下の円)。月がまぶしいときは、月を視野の端に置きましょう。
いちばん近いのは、
まだ明るい17時。
月と木星がいちばん近づくのは、東京で17時4分ごろ。間隔は約1.0°です。ただこの時刻は日の入り(17時51分)の前。空が暗くなる18時半〜19時ごろには約1.2〜1.4°で、そのあとは1時間に約0.4°ずつ離れていきます。
いちばん近い時刻は、全国どこでも17時前後です(表の9地点では16時58分〜17時08分)。日の入りが遅い西の地域ほど、暗くなるころには間隔が広がります(福岡や那覇では約1.6°)。
明るい空でも、木星は見える? 木星は−2.4等と、とても明るい星です。日の入り直後のまだ青い空でも、月のそばにあれば見つけられます。ただ目で楽しむなら、空が暗くなってくる18時半ごろからがおすすめです。月と木星のまわりに、ほかの星も見えてきます。
月は1日に、
げんこつ1つ分以上。
月は星空の中を、1日に約13°ずつ東へ動いています。3月18日は木星の上、19日はすぐとなり、20日は木星の下へ。3日続けて同じ時刻に見ると、月が木星を追い越していく様子がわかります。
3月18日の月は、かに座のプレセペ星団の近くにいます(月が明るいので、星団は見えにくいかもしれません)。20日には、しし座の1等星レグルスのそば、約3.6°まで近づきます。
同じ方向、
ちがう距離。
空ではとなりどうしに見えても、月は約36万km、火星は約1億1300万km、木星は約6億8300万km先にあります。木星までの距離は、月の約1900倍です。
いま見ている木星の光は、38分前の光。 光は1秒に約30万km進みます。月の光は約1.2秒、火星の光は約6分、木星の光は約38分かかって目に届きます。木星は直径が地球の約11倍もある大きな惑星ですが、とても遠いので、点のように見えます。
双眼鏡で、
木星の4つの月。
木星のまわりには、ガリレオが1610年に見つけた4つの大きな衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)が回っています。双眼鏡でも、木星のそばに並ぶ小さな点として見えることがあります。
3月19日19時の位置です。いちばん離れているカリスト(木星から約7′)とガニメデ(約3′)は、双眼鏡でも見つけやすい位置。イオとエウロパは木星のすぐそばにあり、木星の光にまぎれて見えにくいかもしれません。衛星は毎日、位置を変えます。
月がまぶしいときのコツ。 月と木星は約1.3°しか離れていないので、月の光がじゃまになります。双眼鏡を少しずらして、月を視野の外に出すと、木星のまわりの小さな点が見えやすくなります。ひじをどこかにのせて、双眼鏡をしっかり固定しましょう。
いまは、
月が木星を隠す季節。
月が木星のそばを通るとき、どれだけ近くを通るかは毎月変わります。月の通り道が木星を横切る時期には、世界のどこかで月が木星を隠す「木星食」が毎月のように起こります。いまは、ちょうどその時期です。
点が帯の中にある月は、世界のどこかで木星食が起こります。今の季節は2026年9月から2027年5月まで、8回あります(宇宙旅行.jpの計算)。
同じ夜、オーストラリアでは月が木星を隠す。 3月19日、日本時間の17時30分〜18時50分ごろ、オーストラリア東部では月が木星を隠します(シドニーの夜7時半〜8時50分ごろ)。日本からは、月が少し南へずれて見えるので隠れません。日本で次に木星食が見られるのは、2034年10月25日(水)の夜おそく、日付が変わった26日(木)の1時〜2時ごろ。その次は2037年12月24日(木)、クリスマスイブの夜です。
今回はどれくらい?
次はいつ?
2000〜2050年に、東京で月と木星がいちばん近く見えた(見える)ときの間隔を、毎月計算しました。金色の点は、夕方〜22時に、どちらも高さ20°以上の空で見られる回です。
約1.6〜1.8°
4月15日のあと、約4年ぶりの2°以内
日本で見られる木星食
東京で月と木星が2°以内に見える日(2027〜2036年)
| 日付 | 時刻(東京) | 時間帯 | 月と木星の間 | 月の高さ |
|---|---|---|---|---|
| 2027年3月19日(金) | 18:20ごろ | 夕方〜夜 | 約1.2° | 46° |
| 2027年4月15日(木) | 23:44ごろ | 真夜中 | 約1.6° | 29° |
| 2031年2月17日(月) | 05:57ごろ | 明け方 | 約0.8° | 28° |
| 2031年4月13日(日) | 02:20ごろ | 真夜中 | 約1.3° | 27° |
| 2031年7月3日(木) | 19:33ごろ | 夕方〜夜 | 約1.3° | 20° |
| 2031年7月31日(木) | 00:43ごろ | 真夜中 | 約1.5° | 5° |
| 2031年9月23日(火) | 18:03ごろ | 夕方〜夜 | 約1.7° | 31° |
| 2034年4月17日(月) | 04:30ごろ | 明け方 | 約0.7° | 6° |
| 2034年7月9日(日) | 03:59ごろ | 明け方 | 約0.7° | 52° |
| 2034年9月28日(木) | 18:11ごろ | 夕方〜夜 | 約0.6° | 5° |
| 2034年10月26日(木) | 01:36ごろ | 真夜中 | 木星食(日本で見られる) | 27° |
| 2034年12月19日(火) | 17:02ごろ | 夕方〜夜 | 約0.7° | 51° |
| 2035年2月12日(月) | 19:21ごろ | 夕方〜夜 | 約1.6° | 22° |
太陽が地平線の下6°より深く沈み、月と木星がどちらも高さ5°以上のときの、いちばん近い間隔です(宇宙旅行.jpの計算)。
夕方の高い空で、ここまで近いのは14年ぶり。 東京で、夕方〜22時に、月と木星がどちらも高さ20°以上の空で1.3°以内に見えたのは、2013年2月18日が最後でした。次は2031年7月3日ですが、月の高さは約20°と低め。高い空で今回より近く見えるのは、2034年12月19日(約0.7°)です。月と木星の接近は毎月ありますが、時刻・高さ・近さがそろう回は多くありません。
月と木星の
よくある疑問。
はじめて木星を探す人に、よく聞かれることをまとめました。
Q1月のそばの明るい星は、本当に木星?
3月19日の夕方、月のすぐ左上にある、ひときわ明るい星が木星です(−2.4等)。夜空のどの星よりも明るく、ほとんどまたたかずに光っています。月の左、少し離れた所にある赤っぽい星が火星です。木星と火星の見分けは、明るさと色でできます。
Q2都会でも見える?
はい。月はもちろん、木星も火星も、街明かりのある都会で目だけで見られる明るさです。東南東の空が建物でかくれていなければ大丈夫です。月の高さは約50°と高く、建物にかくれにくい位置です(ベランダでは、上の階のひさしにかくれることがあります)。
Q3「約1度」って、どれくらい?
満月の見かけの直径(約0.5°)の2個分くらいです。腕をのばしたときの小指の幅が約1°なので、その幅の中に月と木星がおさまるイメージです。ただ、約1°まで近づくのは17時ごろで、まだ空が明るい時間です。暗くなるころには約1.2〜1.3°に広がります。
Q4双眼鏡や望遠鏡があると?
視野の広い7倍前後の双眼鏡なら、月・木星・火星がひとつの視野に入ります(10倍だとぎりぎりです)。木星のまわりには、4つの衛星が小さな点として見えることもあります。手でもつと揺れるので、ひじをどこかにのせるか、三脚に取りつけましょう。小さな望遠鏡(30〜50倍)なら、木星のしま模様も見えてきます。
Q5写真に撮れる?
スマートフォンでも撮れます。月が明るすぎて白くとびやすいので、画面の月をタップして明るさを下げると、そばの木星が点として写りやすくなります。月と木星を画面の真ん中に入れて、ズームしすぎないのがコツです。
Q6なぜ木星と火星が近くにいるの?
木星(2月11日)と火星(2月20日)が、9日ちがいで「衝(しょう)」をむかえたからです。衝は、地球から見て太陽の反対側にくることで、2つともほぼ同じ方向に見えています。衝のころの惑星は明るく、一晩中見えます。3月19日の木星は、夕方から明け方4時ごろまで見えます。3月31日には、木星と火星どうしがいちばん近づきます(約4.3°)。
Q7月が木星を隠すことはある?
あります(木星食)。じつは3月19日の夜も、オーストラリア東部やニュージーランドでは、月が木星を隠します。日本からは月が少しずれて見えるので、隠れません。日本で次に木星食が見られるのは、2034年10月25日(水)の夜おそく、日付が変わった26日(木)の1時〜2時ごろです(宇宙旅行.jpの計算)。
Q8曇ったら、次はいつ?
4月15日(木)の夜です。22時〜23時台、西の空で、月と木星が約1.6〜1.8°まで近づきます。そのあとは月と木星の間が広がり、東京の暗い空で2°以内まで近づくのは、2031年2月17日の明け方まで、約4年ありません。
データと表示について
3月19日の接近(東京で17時4分ごろに約1°、月齢11)は、国立天文台の発表と一致することを確かめています。暗くなってからの間隔、各地の時刻・方角・高さ、明るさ、前後の日の位置、木星の衛星の位置、木星食、2000〜2050年の比較は、宇宙旅行.jpの天文計算(JPLの天体暦DE421による)の値です。木星の衛星の位置は、NASA/JPLの天体暦サービス(Horizons)と照らし合わせています。月齢は国立天文台暦計算室、木星と火星の衝の日と、木星と火星がいちばん近づく日は国立天文台の発表と同じです。
国立天文台|月が木星と火星に接近(2027年3月)
国立天文台|東京の星空・カレンダー・惑星(2027年3月)
国立天文台|東京の星空・カレンダー・惑星(2027年2月)
国立天文台|木星と火星が接近(2027年3月)
国立天文台暦計算室|令和9年 暦要項(朔弦望)
NASA/JPL|Horizons System(英語)
環境省|双眼鏡で星空を観察してみよう(PDF)
