宇宙旅行とは?【2026年最新】種類・費用・企業・日本の申込み方法

宇宙旅行.jpSPACE TOURISM INTELLIGENCE
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Essential guide to private spaceflight

宇宙旅行とは

「宇宙旅行」は、民間人が観光や体験を目的に、宇宙空間(高度約80〜100km以上)まで行く旅を指します。

広い意味では、成層圏(高度約18〜40km)まで上がる高高度気球(宇宙気球)などの近宇宙体験も、旅行商品として一緒に比べられることが多いため、あわせて紹介されます。

本記事では、①宇宙まで行くタイプと②近宇宙体験(高高度気球)を分けたうえで、「到達高度・体験内容・費用の目安・日本からの申込み方法」の4つの軸で整理します。「いつ・いくら・どこから・どうやって」の全体像が、この1ページでつかめます。

Travel classes4種類気球・サブオービタル・軌道・月
Altitude約80km〜100km超宇宙到達の主な基準
Price range約830万円〜ISS滞在は100億円超の例も
Japan status現在は未運航国内計画は準備段階
重力付き宇宙ホテルの客室から地球と月を眺める想像図
重力付き宇宙ホテルの客室から地球と月を眺める想像図

根拠: 国際航空連盟(FAI:100kmの境界) / FAA(50 statute miles:到達基準の説明)

価格・スケジュール・契約条件は変動します。本記事に掲載した金額には、①計画中サービスの公表価格、②すでに完売した販売枠の価格、③過去ミッションに関する報道価格が混在しており、いずれも「いま購入できる価格」とは限りません。円換算は参考値で、2026年10月1日の三菱UFJ銀行の仲値(TTM:1ドル=157.96円、1ユーロ=179.00円、1インドルピー=1.66円)で計算しています。実際のレートは取引の時点で変わります。各段落には根拠(公式・公的機関・主要報道)のリンクを付け、予約ページや旅行の種類別ポータルへのリンクも載せています。前金の支払いや契約の前に、必ず各社の公式サイトで最新の条件をご確認ください。

Executive summary / 30 seconds

【結論】宇宙旅行の種類・費用と、日本発の宇宙旅行・日本語の申込み先(30秒まとめ)

宇宙旅行4種類を30秒で比較。高高度気球、サブオービタル、オービタル、月旅行の高度、体験、費用感、2026年の状況と日本からの利用状況を図解
宇宙旅行4種類の高度・体験・費用感・現在の状況を30秒で比較。日本からの申込みや国内計画の現状もまとめています。(2026年10月時点/宇宙旅行.jp作成)

宇宙旅行の種類(4種類)

2026年10月1日時点で、宇宙旅行(広義)は大きく「高高度気球(宇宙の入口)」「サブオービタル(宇宙到達)」「オービタル(ISS滞在など)」「月(周回・滞在構想)」の4つに整理できます。
「月」は今も政府のミッションが中心です。2026年4月には、NASAのアルテミスIIが有人での月フライバイに成功しました(月を回る軌道には入らず、月の裏側を回って帰ってくる飛行)。民間にも一般向けの問い合わせや先行申込みを受け付ける計画はありますが、実施時期や契約条件は決まっていません。

根拠: Space Adventures(月周回:問い合わせ窓口) / GRU Space(Reserve) / NASA(Artemis II:Crewed Lunar Flyby)

宇宙旅行の費用(約830万円〜100億円超の公表・報道例)

費用の幅は非常に大きく、下は高高度気球(近宇宙体験)のスペース・オーラ(Space Aura)の約830万円(1席500万ルピー=₹50 lakh)、上はオービタル(ISS滞在型)のアクシオム・スペース(Axiom Space)の約111億円(1席約7,000万ドルという報道)です。
ただしこのレンジは「いま買える価格帯」ではありません。下限のスペース・オーラは、公式サイトの予定が古いまま更新されておらず、商業運航を始めたという発表もありません。上限の約111億円は、過去の民間ISSミッションについての報道値です。
価格差の背景には、到達高度や滞在期間に加え、安全設計や訓練内容、体験コンセプトの違いがあります。
なお、これまで最安級だったワールド・ビュー(World View、1席5万ドル)は、2026年4月に米国の防衛企業オンダス(Ondas)に買収され、7月には同社の防衛部門「オンダス・センチネル」に統合されました。観光の案内は公式サイトの主なメニューから消え、事実上の棚上げ状態です(予約金のページは残っていますが、グランドキャニオン便は「初年度分は完売」、ほかの6拠点は予約金の受付を停止。撤退を明言した公式発表はありません)。

根拠: スペース・オーラ社(申込ページ) / ビジネス・インサイダー(Business Insider:約$70Mの説明) / Ondas(World View買収完了:2026/04/01) / World View(観光ページ:受付状況) / ワールド・ビュー社(オンダス・センチネル統合:2026/07/06)

日本発の宇宙旅行(国内計画の最有力は高高度気球・現時点は未運航)

2026年10月1日時点で、日本国内から一般客が実際に乗れる宇宙旅行・近宇宙体験はまだありません。国内でいちばん計画が進んでいるのは岩谷技研の高高度気球で、搭乗客向けフライトは2027年度以降に延期されています(2026年4月28日発表。報道では「27年夏以降」)。
「2026年8月頃」とされていた搭乗客募集の詳細発表はなく、8月31日に「実施方法およびスケジュールについて検討を進めております」と告知されただけで、募集の内容も時期も決まっていません。
政府の資料では、国内企業による有人宇宙輸送は2030年代が前提です。PDエアロスペース社は自社の目標として2029年の有人機の運用開始を掲げていますが、どちらも一般客向けの商業運航の話ではありません。当面は、海外の拠点へ出向くか、国内の無重力飛行(放物線飛行)や地上の体験施設が現実的な選択肢です。

根拠: OPEN UNIVERSE PROJECT(搭乗者募集について:2026/08/31) / 岩谷技研(CALLING CO-CREATORS 2026:2026/04/28発表) / 内閣府資料(2030年代の整理)

宇宙旅行の主な日本語の申込み先(日本語で問い合わせ・相談できる例:3つ)

  • 岩谷技研(OPEN UNIVERSE PROJECT):高高度気球の会社。公式の問い合わせフォームがあります(応募用のBOOKINGページはパスワード付きで非公開。搭乗客募集は8月31日の告知で「検討中」)
  • クラブツーリズム・スペースツアーズ:ヴァージン・ギャラクティックとの提携(2005年)に基づく日本語の案内・問い合わせ窓口(掲載は「1名あたり45万ドル」「2022年以降、宇宙飛行開始予定」という古い情報のままです。ヴァージン・ギャラクティック本体は2026年3月30日に1席75万ドルで販売を再開しましたが、その枠は完売しました。現在の限定申込みをクラブツーリズムが扱うかは確認できていません)
  • 日本旅行×将来宇宙輸送システム(ISC):2026年度中(2027年3月末まで)にSPACE Tour 2.0/3.0の申込受付を始める目標を公表しています(10月1日時点で、正式な受付開始の発表はまだありません。正式な予約ではない「先行予約アンケート」(情報登録)は2023年12月から公開)

なお、HIS・クオリタが扱っていたスペース・パースペクティブ(Space Perspective)の日本向け販売は、同社の事業停止にともない2025年6月13日に終了しています。一方、HISは2026年4月1日付で「宇宙事業強化推進室」を新設し、宇宙旅行を含む宇宙ビジネスの事業機会を探るとしています(10月1日時点で、具体的な商品の発表はありません)。

根拠:OPEN UNIVERSE PROJECT(問い合わせ) / OPEN UNIVERSE PROJECT(2026/08/31 告知) / クラブツーリズム・スペースツアーズ(宇宙旅行) / ISC公式(2026年度中の申込受付開始を目指す) / クオリタ(2025/06/13 販売終了) / HIS(宇宙事業強化推進室 新設:2026/04/01)

「宇宙」はどこから始まる?(80km vs 100km)

宇宙旅行(狭い意味)は、ロケットなどで宇宙空間(高度80〜100km以上)に到達し、無重力や、丸い地球と地平線の眺めを体験する旅行です。

ただし「宇宙の境界」には複数の基準があります。国際航空連盟(FAI)は高度100km(カーマンライン)を境界とする一方、米国では歴史的に50マイル(約80km)を基準として扱う例もあります。

そのため、「宇宙に行った」と言えるかどうかは、どの基準を使うかで変わります。体験を重視するなら無重力の有無と長さを見れば十分ですが、「宇宙に到達した」と厳密に言えるかが気になる場合は、会社や機体ごとの到達高度(80km級か100km超か)も確かめておきましょう。

根拠:FAI(100km Altitude Boundary) / FAA(50マイル基準の説明を含む認定ページ)


80 kmUNITED STATES100 kmFAI / KÁRMÁN LINE
宇宙旅行4種類の高度比較。高高度気球旅行約18〜40km、サブオービタル約80〜100km超、オービタル約400km、月旅行約38万kmを比較
高高度気球、サブオービタル、オービタル、月旅行の到達高度を比較。80km基準と100kmのカーマン・ラインも示しています。(宇宙旅行.jp作成)
TRAVEL CLASSES

宇宙旅行の種類と特徴

主要な宇宙旅行の種類

宇宙旅行(広義)は、目的地の高度によって体験内容・費用・必要な準備が大きく変わります。2026年時点では、次の4つに分けるとわかりやすくなります。

  1. 高高度気球(宇宙気球)旅行(高度18〜40km):地球の丸みと「宇宙の黒さ」を体感。無重力体験はないが、身体的負担が比較的小さい。
  2. サブオービタル宇宙旅行(高度80〜100km超):ロケットなどで宇宙空間に到達し、数分間の無重力を体験して帰還。
  3. オービタル宇宙旅行(高度400km〜):宇宙ステーションなどに数日以上滞在。訓練や健康要件のハードルが高く、費用は数十億〜約111億円規模。
  4. 月旅行(月周回〜月面):一部で予約や応募を受け付けているが、実施の時期も実現できるかも未確定。まだ旅行商品ではなく「構想・事前応募」の段階。

注意:「地上で宇宙を体験する(VR施設、放物線飛行の無重力体験など)」は宇宙旅行そのものとは異なるため、記事後半で別枠に整理します。

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段階高度の目安体験いついくら(2026年10月1日)ポイント関連リンク
高高度気球(宇宙の入口)18〜40km地球の丸み/宇宙の黒さ(無重力なし)各社とも商業運航は未実施。日本(岩谷技研)は2027年度以降を予定(募集の方法・時期は8月31日の告知で「検討中」)。海外ではゼファルトが2027年末を目標約830万円〜(海外の例)/2,400万円(日本の例)身体的負担が比較的小さい。日本国内の計画あり(未運航)高高度気球(宇宙気球)旅行ポータルページ
サブオービタル(宇宙到達)80〜100km超数分の無重力+地球の眺望2026年10月1日時点で観光飛行は止まっている。ヴァージン・ギャラクティックの商業飛行再開は2027年2月目標(2026年8月12日発表。従来の2026年第4四半期から延期)約1億1,850万円(75万ドル/席を1ドル=157.96円で参考換算。この75万ドル枠は完売済み)75万ドルの枠は完売。10月1日時点では限定申込みを受付中だが、新しい座席価格は未公表(申込金1,000ドルは、取り下げた場合などに全額返金)サブオービタル宇宙旅行ポータルページ
オービタル(ISS等)約400km数日〜滞在(訓練あり)不定期。次はAxiom Ax-5が2027年1月以降、Vastの第6次ミッションが2027年夏以降数十億円〜約111億円規模(過去の公式説明・報道例。現行の固定価格表はなし)窓口は限定的。医療・訓練ハードル大オービタル(軌道)宇宙旅行ポータルページ
月旅行(月周回/月面滞在)月近傍〜月面 月フライバイ/周回/月面滞在※計画段階 2032年に「月面ホテル」初展開を目標(GRUの計画) 最終価格は未確定 アルテミスIIが2026年4月に有人月フライバイに成功(月周回軌道には投入せず)。民間は構想段階 月旅行ポータルページ

PRICING & OPERATORS

主な宇宙旅行プランと費用目安

宇宙旅行の費用目安は、高高度気球が約830万〜3,600万円級、サブオービタルが約1.2億円級、ISS滞在は数十億〜約111億円級です。

比べるときは価格だけでなく、到達高度、無重力の有無、必要な訓練、返金や延期の条件も見ておくことが大切です。

以下は、2026年10月1日時点で確認できる情報の整理です。公式発表・報道などが混在します。掲載金額には「計画中サービスの公表価格」「すでに完売した販売枠の価格」「過去ミッションの報道価格」が含まれ、いま購入できる価格とは限りません。契約前に運営会社で公式条件(返金・延期・免責)を必ず確認してください。

NEAR SPACE / BALLOON

① 高高度気球(宇宙気球)旅行:成層圏への旅(高度 約18〜40km)

高高度気球(宇宙気球)旅行はロケットを使わず、成層圏(いわゆる「宇宙の入口」)までゆっくり上昇します。無重力はありませんが、地球の丸みと黒い空を長時間眺められるのが特徴です。ロケット型宇宙旅行と比べて身体的負荷は小さいとされています。

2026年10月1日時点で、一般客を乗せた商業運航を始めた主要事業者はなく、どこも準備段階です。日本の岩谷技研は搭乗客向けフライトを2027年度以降に延期し(2026年4月発表)、「2026年8月頃」としていた募集の詳細発表も見送りました(8月31日に「実施方法およびスケジュールを検討中」と告知)。フランスのゼファルト(Zephalto)は、公式販売規約(2026年6月版)で「最初のフライトは2027年秋まで完売済み。現在予約可能なフライト期間は2027年11月以降」と明記しています(公式トップページのロードマップも「2027年:一般向けの初フライト」に更新されています)。スペインのイオス・エックス・スペース(EOS-X Space)は商業飛行の日程を公表しておらず、インドのスペース・オーラ(Space Aura)は、公式サイトに「2026年夏開始」という、すでに過ぎた開始時期の表示を残したままです。どちらも、一般客を乗せた商業飛行を始めたという発表はありません。また、米国のワールド・ビュー(World View)は2026年4月に防衛企業オンダス(Ondas)に買収され、観光は事実上の棚上げ状態です。

費用は会社によって異なります。国内では岩谷技研の現行技術ページに「1回あたり2,400万円」と掲載されています。2023年の第一期募集でも1人2,400万円が示されましたが、次回の一般向け募集価格・契約条件は未発表です。海外では約830万〜3,600万円程度まで幅があります。
価格差の背景には、機体の設計や運航体制に加えて、体験のコンセプトの違いもあります。海外では、カプセル内での食事や、記念日・結婚式などの特別なイベントを想定する会社もあれば、静かに地球を眺めること自体に価値を置く設計もあります。金額だけでなく、「どんな体験を目指しているか」も確かめておくとよいでしょう。

成層圏を飛ぶ高高度気球のカプセルから、地球の地平線と日の出を眺めるイメージ
成層圏を高高度気球(宇宙気球)で体験する「地球の丸み」(イメージ)
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企業国到達高度体験時間いつから費用目安2026年10月1日の状態日本の窓口関連リンク
岩谷技研
(OPEN UNIVERSE PROJECT)
日本約18〜25km(公式)約4〜6時間(公式)搭乗客向けフライトは2027年度以降を予定(2026年4月発表。報道では「27年夏以降」。日本では6〜9月が適期と公式に記載)2,400万円(現行の公式技術ページに「1回あたりの費用」として掲載)
※2023年の第一期募集でも1人2,400万円を提示。次回の一般向け募集価格・契約条件は未発表
2026年4月28日に「CALLING CO-CREATORS 2026」を発表し、パイロット(一般公募)・共創パートナーの募集を開始。
当初「2026年8月頃」とされた搭乗客募集の詳細発表は行われず、2026年8月31日に「実施方法およびスケジュールについて検討を進めております」と告知。募集の内容・時期とも未定。
パイロットの新規募集は終了(公式JOIN USに記載)。共創パートナー企業の募集は継続中。
BOOKING(応募)ページはパスワード保護されており一般公開されていない(2026年10月1日時点)。
根拠: 公式ニュース(2026/08/31) / プレスリリース(2026/04/28) / TECHNOLOGY(一次) / CONTACT(一次) / 日経(商用運航は27年夏以降に)
公式サイトから問い合わせ宇宙旅行.jpの解説
イオス・エックス・スペース
(EOS-X Space)
スペイン約40km(公式)約5時間(公式) 未定(2026年1月に「今後数か月以内」と報じられた時期は過ぎた。10月1日時点で初の商業飛行は行われておらず、日程も未公表)
根拠:EL ESPAÑOL(報道)
約2,685万〜3,580万円(15万〜20万ユーロ/人を1ユーロ=179.00円で参考換算) 10月1日時点で、初の商業飛行も有人試験も行われていません。関連する飛行実績として確認できるのは、買収したスペース・パースペクティブによる2024年9月の無人試験飛行です。
2025年7月にスペース・パースペクティブを買収。2026年2月に米国での株式上場の方針(約18か月以内が目安)、3月に本社のニューヨーク移転、5月に1.4億ドルのシリーズD資金調達が報じられました。ただし、資金調達や上場の方針は、観光飛行の実績を意味しません。買収後の統一価格は未発表です。
根拠: Space.com(買収報道) / SMEStreet(IPO計画:2026/02/28) / Actualidad Aeroespacial(本社NY移転:2026/03/27) / Emprendedores(シリーズD 1.4億ドル:2026/05)
なし宇宙旅行.jpの解説
ゼファルト
(Zephalto)
フランス約25km(公式)約6時間(公式) 公式規約(2026年6月版)で「最初のフライトは2027年秋まで完売済み。現在予約可能なフライト期間は2027年11月以降」と明記。初の商業搭乗は2027年末目標(2026年4〜5月の仏報道とも整合)
根拠: CGV(2026年6月版・一次) / Journal du Geek(2026/05)
約3,220万円(1人18万ユーロ。税・キャンセル保険込み)
前金:登録時に1万ユーロ、30日以内に2万6,000ユーロを追加し、合計3万6,000ユーロ(料金の20%)で予約が確定。残りの14万4,000ユーロは、飛行期間(フライトウィンドウ)の発表から30日以内に支払い(CGV 2026年6月版)
商用カプセルは、乗客4人+パイロット1人の「Altaïr(アルテア)」に変わり、2026年4月にトゥールーズ近郊で公開されました。本格的な試験飛行は2026年夏の終わりに予定されていましたが、10月1日時点で実施の発表はありません。予約は約100件(報道)。
※公式トップページのロードマップは「2027年:一般向けの初フライト」「2029年:初の長時間(一泊)フライト」に更新され、規約(2027年11月以降の枠)や報道とおおむね一致しています。
根拠: CGV(一次) / 公式プレス一覧 / Journal du Geek(2026/05)
なし(公式で予約)宇宙旅行.jpの解説
スペース・オーラ
(Space Aura)
インド約30km(公式)約6時間(公式)公式サイトの開始時期の表示は、すでに過ぎた時期のまま。10月1日時点で商業運航の開始は確認できない約830万円(1席500万ルピー=₹50 lakh。公式予約ページには5万8,000ドルも併記)
予約金:8万5,000ルピー(1,000ドル。返金可と記載)
公式トップページは「2026年夏から運航開始」「4席予約済み」「乗客6人+パイロット1人」の表示のままです(2026年10月1日確認)。開始予定の時期はすでに過ぎていますが、商業飛行の開始を示す新しい発表はありません。
有人試験や商業飛行を行ったという報道もありません。開始時期が延びた経緯もあるため、申し込む前に最新状況の確認を強くおすすめします。
根拠: 公式トップ(一次) / Reserve your Spaceflight(一次) / Indian Express(2022:当初目標「2025年までに」=延期歴)
なし(公式で予約)宇宙旅行.jpの解説
ワールド・ビュー
(World View)
米国約30km(旧公式)約6〜8時間(旧公式)未定(観光は事実上棚上げ)1席5万ドル(参考:約790万円)※掲載は残っているが、運航の見通しは不透明 2026年4月1日にオンダスによる買収が完了し、7月にはワールド・ビューとDZYNEをまとめた防衛部門「オンダス・センチネル」が発足しました。現在は、成層圏からの情報収集・監視・偵察など防衛用途が中心です。
公式サイトは防衛向けに作り替えられ、トップページやメニューから観光(Explorer)の案内は消えました。観光ページと規約ページは残っていますが、グランドキャニオン便は「初年度分は完売」、ほかの6拠点は予約金の受付を停止しています(再開の通知登録のみ)。規約には「早くて2026年」という古い記載が残ったままです。
オンダスの第2四半期決算(2026年8月13日)でも、ワールド・ビューは情報収集・監視・偵察(ISR)の基盤としてだけ扱われ、観光には触れていません。観光の「中止」を明言した発表はなく、事実上の棚上げ状態です。
根拠: Ondas(買収完了:2026/04/01) / Ondas(Q2 2026決算:2026/08/13) / World View(観光ページ:受付状況) / ワールド・ビュー社(オンダス・センチネル統合:2026/07/06)
なし宇宙旅行.jpの解説

深掘り:高高度気球(宇宙気球)旅行ポータルページ(費用・体験・各社比較)

SPACE REACH / SUBORBITAL

② サブオービタル宇宙旅行:宇宙到達の旅(高度80〜100km超)

サブオービタル宇宙旅行は、ロケットや空中発射の宇宙船で高度約80〜100km余り(カーマンライン付近)まで上がり、数分間の無重力を体験して地上へ戻る飛行です。

代表例は、ブルー・オリジン(Blue Origin)のロケット「ニュー・シェパード」(垂直打上げ)と、ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)の宇宙船(母機から空中で切り離すスペースプレーン方式)です。

観光目的の有人飛行は、2021年から始まりました。ただし、機体変更や企業戦略の見直しなどにより、商業運航は断続的に中断しています。

ブルー・オリジンは2026年1月30日に「少なくとも2年間は休止する」と発表しました(2028年の再開が決まったわけではなく、再開時期は未定です)。ヴァージン・ギャラクティックは、VSSユニティでの商業飛行を2024年6月で終え、次世代機の開発に移りました(VSSユニティは退役せず、2026年5月からパイロット訓練などのための滑空飛行に使われています)。同社は2024年6月を最後に、宇宙へ到達していません。

2026年3月30日に1席75万ドルで売り出した枠は、予定より早く完売し、申込みが枠を上回りました。10月1日時点では、公式サイトに「限定申込み受付中」の入口があります。申し込むには1,000ドルの申込金が必要で、申込みを取り下げた場合や断られた場合は全額返金されます。ただし、申し込んでも購入の権利や座席が保証されるわけではなく、新しい座席価格も公表されていません。

商業運航の再開は2027年2月が目標で、2026年8月12日の第2四半期決算で、それまでの「2026年第4四半期」から延期されました。次世代機は、2026年10月に母機に取り付けたまま飛ぶ試験(キャプティブキャリー)から飛行試験に入り、2号機は2027年3月に運用機に加わる予定です。新型機の名前は一般投票で選ぶ方式です。ヴァージン・ギャラクティック社の公式発表では投票期間を8月11日〜27日としていましたが、その後9月3日まで延長されたと宇宙専門メディアのcollectSPACEが報じています。候補はHorizon・Explorer・Ascend・Apeironの4つで、10月1日時点で結果発表は確認できません。

2021年には82歳のウォリー・ファンク氏が飛行するなど、高齢者の搭乗実績もあります。

サブオービタル(弾道)飛行で地球の曲線を見下ろす宇宙船のイメージ
サブオービタル飛行(弾道飛行)で体験する無重力と地球の絶景(イメージ)
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企業国到達高度無重力時間いつから費用目安2026年10月1日の状態日本の窓口関連リンク
ヴァージン・ギャラクティック
(Virgin Galactic)
米国約80〜90km(目安) 約4分(目安:3〜5分)
根拠: Scientific American
商業飛行再開:2027年2月目標(2026年8月12日発表。従来の2026年第4四半期から延期) 1席75万ドル(参考:約1億1,850万円)の枠は完売・申込超過。
10月1日時点では限定申込みを受付中。新しい座席価格は未公表。申込金1,000ドルは、取り下げた場合などに全額返金。申し込んでも購入権や座席は保証されない。
根拠: Virgin Galactic(Q2 2026決算:2026/08/12) / Virgin Galactic(販売再開:2026/03/30) / ヴァージン・ギャラクティック社(申込規約:申込金1,000ドル)
第3四半期に予定されていた滑空飛行試験は行われませんでした。8月12日の決算で日程が後ろにずれ、まず2026年10月に、母機に取り付けたまま飛ぶ試験(キャプティブキャリー)から始める計画に変わりました。滑空飛行試験の新しい予定日は公表されていません。
次世代機による商業運航の再開は2027年2月が目標で、2号機は2027年3月に運用機に加わる予定。同社は2024年6月を最後に、宇宙へ到達していません。
2026年5月27日、VSSユニティがパイロット訓練用の滑空飛行で飛行を再開。新型機の名称は未発表。公式発表の投票期間は8月11日〜27日で、その後9月3日まで延長されたとcollectSPACEが報道。候補はHorizon・Explorer・Ascend・Apeironの4つ。
根拠: Virgin Galactic(Q2 2026決算:2026/08/12) / Virgin Galactic(VSS Unity飛行再開:2026/05/27) / Virgin Galactic(一次:投票開始・当初8/27締切) / collectSPACE(二次:9/3まで延長と報道)
クラブツーリズム・スペースツアーズ(案内・問い合わせ導線。掲載は「45万ドル」「2022年以降開始予定」の旧情報のままで、2026年の新規販売の取扱いは未確認)
案内ページ
宇宙旅行.jpの解説
ブルー・オリジン
(Blue Origin)
米国約100km超(目安) 約3分(目安)
根拠: Blue Origin(約3分の説明例)
再開時期は未定(「少なくとも2年間」の休止発表のみ。2028年再開が決まったわけではありません)非公開(座席価格は公式未公表) 2026年1月30日に「少なくとも2年間」の休止を発表。10月1日時点で、再開時期についての新しい発表はない。休止の理由は、月着陸機などアルテミス計画関連の開発に人材を集中するため。
休止前の最後の飛行は2026年1月22日のNS-38。38回の飛行で、延べ98人(重複を除くと92人)をカーマンラインの先へ運んだ。
根拠: 休止発表(Blue Origin) / NS-38(延べ98人・92人)
公式の申込ページは今も公開されています。公式「Experience」ページには「注文手続きを始めるにあたり15万ドルの予約金を受け取る」「予約金は全額返金可能(この段階では請求されない)」「フォームを送っても将来の座席は保証されない」「連邦規則により18歳以上」と書かれています。運航休止中のため、飛行時期は未定です。
Experience(デポジット・年齢条件・申込)
宇宙旅行.jpの解説

深掘り:サブオービタル宇宙旅行ポータルページ(費用・体験・各社比較)

EARTH ORBIT / STATION

③ オービタル宇宙旅行:軌道滞在(ISSなど/高度400km〜)の旅

オービタル宇宙旅行は、地球を回る軌道に入り、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在したり、地球を周回するだけで帰ってきたりする、本格的な宇宙旅行です。

日本人の民間宇宙旅行者の例として、2021年に前澤友作氏と平野陽三氏が、米スペース・アドベンチャーズ(Space Adventures)を通じてロシアのソユーズ宇宙船(Soyuz MS-20)でISSに約12日間滞在しました。

医療審査と訓練が前提で、申込みは個別の相談から始まります。決まった価格表はなく、ミッションの内容や窓口によって価格が変わります。ISSに滞在する民間ミッション(例:アクシオム・スペース)は、近年の報道で1席あたり約7,000万ドル(約111億円)とされています。これは搭乗料だけでなく、約1年かけて行う訓練なども含んだ金額だと説明されています。なお、次回のAx-5の座席価格は公表されておらず、これらはいずれも過去ミッションに関する報道値です。

根拠: NASA(前澤氏・平野氏がISSに約12日滞在、契約関係の説明)(一次)/ Business Insider(約$70M、個別見積りの示唆)(二次)

宇宙船が地球周回軌道で国際宇宙ステーション(ISS)へ接近するイメージ
オービタル宇宙旅行(ISS滞在)を象徴する「宇宙船がISSへ向かう」シーン(イメージ)
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企業手段滞在先ミッション期間費用目安2026年10月1日の状態日本の窓口
アクシオム・スペース(Axiom Space)
(輸送:スペースX(SpaceX)など)
クルー・ドラゴン(Crew Dragon)/ファルコン9(Falcon 9)など国際宇宙ステーション(ISS)
(プライベート・アストロノート・ミッション(Private Astronaut Missions)枠)
ミッション全体で約9〜22日(実績)
※ISSへのドッキング滞在はこれより短い。例:Ax-3はミッション全体が約22日で、ISS滞在は18日
約87〜111億円(5,500万〜7,000万ドル級/過去の公式説明・報道例を参考換算) NASAの「プライベート・アストロノート・ミッション(Private Astronaut Missions)」として、Ax-1〜Ax-4まで実施済。ミッション全体の期間には幅があり、最短のAx-2が約9日(うちISS滞在は約8日)、Ax-3が約22日(うちISS滞在18日)、Ax-4が約20日です。
第5回のAx-5は、2026年1月30日にNASAが正式に選定し、2027年1月以降の打上げを目指しています(ISS滞在は最大14日間)。乗員は未発表です(アクシオムが4人を選び、NASAと国際パートナーが承認する方式)。
決まった価格表はなく、Ax-5の座席価格も非公表。過去のミッションについては、「1席5,500万ドル以上」(手配・訓練・装備込み)、「6,500万ドル超」、「約7,000万ドル」などの報道や説明がある。
根拠: NASA(Ax-5選定:2026/01/30) / NASA(Ax-2:全体9日) / NASA(Ax-3:全体約22日/ISS滞在18日) / NASA(Ax-4:全体20日) / ロイター(Reuters:$55M/席以上) / AP通信(AP:$65M超/席) / ビジネス・インサイダー(Business Insider:約$70Mの説明)
なし(要直接問い合わせ(公式窓口))
スペース・アドベンチャーズ
(Space Adventures)
過去実績:ソユーズ(Soyuz)
※今後の使用機体・日程は未公表。2020年に発表されたスペースX(SpaceX)クルー・ドラゴン(Crew Dragon)の計画は、ISSへ向かわない地球周回の自由飛行(free-flyer mission)であり、ISS滞在とは別枠です
国際宇宙ステーション(ISS)約10日間(公式案内)未公表(要個別見積) 公式ページは「約10日間の宇宙滞在」「これまでの顧客は全員ロシアのソユーズ宇宙船でISSへ飛行した」「価格は複数の要因により変動するため、お問い合わせください」「今後数年の選択肢についてご相談に応じます」と案内するのみで、打上げ目標時期の記載はありません。
掲載実績は2001〜2021年の9回の民間宇宙飛行のみ(同社の最後の実飛行は2021年12月のソユーズMS-20)。提供可否・実施状況は公式への直接確認が必須。
根拠: スペース・アドベンチャーズ(Space Adventures:ISSミッション) / 同社(2020年:Crew Dragon 自由飛行ミッションの発表)
なし(要直接問い合わせ(公式窓口))

深掘り:オービタル(軌道)宇宙旅行ポータルページ(ISS滞在・費用・窓口)

CISLUNAR / LUNAR

④ 月への旅(月フライバイ、月周回、月面着陸、月面滞在)

月旅行は「月の近くで月を見る(フライバイ/周回)」と「月面に降りる(着陸/滞在)」では、技術的な難易度や実現までのハードルが大きく異なります。いまはまだ民間旅行の段階ではなく、NASAのアルテミス(Artemis)計画など政府主導のプロジェクトが中心です。2026年4月には、アルテミスIIが約半世紀ぶりの有人月飛行に成功しました。NASAの分類は「有人月フライバイ(Crewed Lunar Flyby)」で、月を回る軌道には入らず、月の裏側を回って地球へ帰る飛行です(観光商品ではありません)。

2026年10月1日時点で、日程や条件が決まった形で一般向けに「販売」されている月旅行商品は見当たりません。一方、一般向けに問い合わせや応募の窓口を設けている計画として、スペース・アドベンチャーズ(Space Adventures)(月フライバイ/周回の案内)と、GRUスペース(GRU Space)(「月面ホテル」2032年に開業を目標)の2件があります(いずれも商業実施時期は未確定)。

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区分主体内容費用2026年10月1日の状態日本の窓口
民間の月フライバイ(周回帰還)スペース・アドベンチャーズ月近傍を通過して地球へ帰還(問い合わせベース)個別見積(公式は価格非公開) 問い合わせ窓口(個別契約)はあるが、購入が成立する形での販売や実施時期は決まっていない。公式ページには使う宇宙船も打上げ時期も書かれておらず、構想段階の掲示にとどまる。契約条件(返金・延期・中止)は要確認。
根拠: Space Adventures(公式:Circumlunar Mission) / 月旅行ポータル
なし(要直接問い合わせ(公式窓口))
民間の月面滞在(ホテル構想)GRUスペース月面滞在施設(2032年に最初のホテルを月面へ展開する目標)公式の掲示価格はなし。「料金および参加形態は資格審査プロセスの中で個別に協議」と記載(2026年1月の報道では100万ドルのデポジットとされた) 問い合わせ(個別契約)として予約ページが案内されている。商業実施時期・提供条件は未確定。
同社は建設用の試作装置や膨張式居住モジュールの試作を公表していますが、月面での実証や有人宿泊の実績はありません。建設開始は2029年を予定と報じられています。
申込手数料の金額・返金条件は現行の公式ページでは確認できません(過去に報じられた条件を、現在の条件として読み替えないよう注意してください)。契約条項を要確認。
根拠: GRU Space(公式窓口) / Space.com(2026/01/13 報道) / 月旅行ポータル
なし(要直接問い合わせ(公式予約ページ))
政府の月探査(アルテミス計画)NASA(協力企業を含む)月フライバイ〜月面着陸(政府計画)政府プログラム(旅行商品ではない) アルテミス II:2026年4月1日に打上げ、有人月フライバイを経て4月10日に帰還(成功)。飛行期間9日1時間32分。地球からの最遠到達 252,756マイルでアポロ13号の記録を更新。月周回軌道への投入は行っていません。
アルテミス III:2027年目標。月面には降りず、地球を回る軌道で、2種類の月着陸船(ブルー・オリジンのブルームーンとスペースXのスターシップ)とのランデブー・ドッキングを試す計画。乗員は2026年6月9日に発表(船長ランディ・ブレズニック、パイロットのルカ・パルミターノ〈ESA〉、アンドレ・ダグラス、フランク・ルビオ)。
有人月面着陸はアルテミスIV(2028年前半目標)へ移行。2名が月の南極付近に約1週間滞在する計画。
根拠: NASA Artemis II(Crewed Lunar Flyby) / NASA(帰還・記録値) / NASA(Artemis III:2027年・クルー発表) / NASA(Artemis IV:2028年前半・有人月面着陸)
なし(政府計画/旅行商品ではない)

深掘り:月旅行ポータルページ(申込み窓口と開発ステータス)

表の読み方に関する注意:公式発表・公式サイト・主要報道をもとに整理していますが、宇宙開発はスケジュール変更が頻繁に起きます。契約や前金支払いの前に、必ず最新の公式条件を確認してください。


ELIGIBILITY & CONTRACT

宇宙旅行の参加資格と契約の注意点

宇宙旅行の参加資格(年齢・健康・体重・訓練)の目安

宇宙旅行(広義:近宇宙体験を含む)の参加資格は、主に「年齢」「健康(医療質問票・直前チェック)」「体格(シート/ハーネスへの適合)」「事前訓練(安全手順・緊急対応)」などの条件をもとに総合的に判断されます。
到達高度が高く、滞在期間が長いほど、必要な訓練や健康確認は厳しくなる傾向があります。また、公開されている条件のほかに、申し込んだ後で個別に確認される条件もあります。申込直前には、必ず最新の公式条件を確認してください。

根拠: Blue Origin(Experience:18歳以上/$150,000デポジット/座席確保の保証なし) / eCFR 14 CFR 460.51(緊急時対応の事前訓練) / Virgin Galactic(複数日トレーニング/医療質問票・直前チェック) / Axiom Space(Ax-1:700〜1,000時間の訓練) / Zephalto(CGV 2026年6月版:事前訓練不要/年齢・健康条件の例)

高高度気球、サブオービタル、オービタル宇宙旅行の身体負担、健康確認、事前訓練の違いを比較した図
宇宙旅行の種類によって、身体への負担、健康確認、事前訓練の内容は大きく異なります。(宇宙旅行.jp作成)

参加資格は「種類 × 会社 × ミッション」で異なる

同じ「宇宙旅行」でも、高高度気球(近宇宙体験)、サブオービタル(ロケット/スペースプレーン)、オービタル(ISS滞在など)では、想定されるリスクや運用条件(与圧環境、加速度、緊急手順、滞在期間など)が大きく異なります。

そのため、年齢の扱い、健康確認の内容、体格要件、訓練の量や内容も一律ではありません。加えて、同じ種類であっても、運航会社や具体的なミッション設計によって条件は変動します。

年齢:サブオービタルは「18歳以上」が前提になりやすい(気球は例外も)

  • 高高度気球(例:ゼファルト):原則6歳未満は不可、18歳未満は成人同伴が必要とするなど、未成年が参加できる余地を残す会社もあります(CGV 2026年6月版)。
  • サブオービタル(米国の例):18歳以上が前提となるケースが一般的です。ブルー・オリジンは公式ページで「連邦規制により18歳以上」と明記しています。
  • 規制の整理:FAA(米国連邦航空局)は、未成年者は本人だけで参加に同意できる立場にはないと説明しています。

根拠: Blue Origin(18歳以上) / Federal Register(FAA:未成年は有効な同意対象としない整理) / Zephalto(6歳未満不可/18歳未満は成人同伴)

健康:医療質問票+直前チェックが一般的

健康要件は会社や機体によって異なりますが、公開資料では医療質問票の提出や、搭乗直前のチェックを行うケースが多く見られます。
ヴァージン・ギャラクティックは、事前の医療質問票と直前の健康チェックを実施する旨を案内しています。

一方、高高度気球のゼファルトは「特別な身体条件や事前訓練は不要」としつつ、妊娠後期(7か月超)や呼吸補助が必要な方、重い疾患のある方などは原則搭乗不可と定めています(CGV 2026年6月版)。

FAAは宇宙旅行参加者に身体検査を義務付けてはいませんが、受診を推奨しています。最終的な運用は事業者側の判断に委ねられています。

根拠: Virgin Galactic(医療質問票・直前チェック) / Zephalto(CGV 2026年6月版:健康条件) / Federal Register(FAA:身体検査は義務ではないが推奨)

体格(体重・身長):安全装備に適合するかが基準

体重だけで参加可否が決まることは少なく、実際には身長・体重・可動域・安全装備への適合などを総合的に確認されます。

公開条件として数値が示される場合もあります。例えば、ブルー・オリジンの2021年の公開要件(報道ベース)では、身長5’0″〜6’4″(約152〜193cm)、体重110〜223lb(約50〜101kg)といった範囲が示されていました。また、発射塔の階段を90秒以内に上れることなどの機能要件も含まれていました。ただしこれは当時の公開例であり、現在の条件とは異なる可能性があります。最新の公式情報を必ず確認してください。

根拠: Spaceflight Now(体格要件例) / collectSPACE(同要件例)

訓練:数日〜1,000時間で桁が変わる

訓練の内容と期間は、宇宙旅行の種類によって大きく異なります。成層圏気球は短いオリエンテーション中心、サブオービタルは現地で数日、軌道滞在(ISS)は数百〜1,000時間規模です。

参加資格の観点では、「訓練を完了できるか(体力・スケジュール・健康要件)」が選考の一要素となる場合があります。

注意:募集停止や条件更新が起こり得る

参加資格や募集状況は固定ではありません。運航計画の変更や機体改良、規制・保険の見直しなどにより、条件は更新されます。実際に、運航休止や予約受付の一時停止、事業の売却・撤退が発生した例もあります(例:ブルー・オリジンの運航休止、ワールド・ビューの買収による事業転換)。
「過去の公開例」と「現在の公式条件」を区別し、申込前には必ず最新情報を確認してください。

宇宙旅行の契約で注意すべきことは?前金・延期・返金の確認ポイント

宇宙旅行は通常の旅行と異なり、「技術開発の遅れ」「打ち上げ延期」「企業の事業継続リスク」が起こりえます。契約前に最低限チェックすべき観点は次の通りです。

  • 前金(デポジット)の条件:金額/支払タイミング/分割の有無/返金可否
  • 延期時の取り扱い:追加費用の有無/延期が長期化した場合の解除条件
  • 返金ポリシー:顧客都合/企業都合それぞれの返金条件(全額返金か、手数料控除か)
  • 参加条件:健康診断・年齢・体重制限/事前トレーニングの要否
  • 事業継続リスク:販売終了・運航休止・買収による事業転換の例もあるため、前金は慎重に
  • 情報の鮮度:報道や解説記事で紹介された条件が、現在の公式条件と一致しているとは限りません。金額・返金条件は必ず現行の公式ページで確認してください
宇宙旅行を申し込む前に確認したい、前金、返金、延期、健康条件、事業継続リスク、最新の公式条件の6項目
宇宙旅行の契約前に確認したい6項目。前金・返金・延期時の対応・健康条件・事業継続リスク・最新の公式情報を確認します。(宇宙旅行.jp作成)

INDUSTRY ECOSYSTEM

宇宙旅行の主要プレイヤー(参入企業・パートナー)

宇宙旅行では「運航」「販売」「訓練」「医療・保険」を別々の会社が担うことが多く、契約の相手と、安全に責任を持つ会社が違う場合がある点に注意が必要です。

宇宙旅行は1社だけで完結するビジネスではありません。ロケットや宇宙船を飛ばす運航会社、販売窓口(仲介)、訓練機関、医療・保険・法務などが役割を分けています。販売窓口は説明や申込みの手伝いをしますが、飛行そのものの安全責任は、通常は運航会社にあります。

契約や前金の支払いの前に、「誰が運航するのか」「誰が返金の責任を負うのか」「免責条項はどの国の法律に基づくのか」を一つずつ確認してください。

宇宙旅行の参加者、販売窓口・旅行会社、運航会社、医療、保険、法務などの役割と関係を示した図
宇宙旅行は、参加者、販売窓口、運航会社、医療・訓練・保険・法務など複数の関係者によって成り立っています。(宇宙旅行.jp作成)

役割分担の整理

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区分主な主体役割契約上の注意点
運航会社(ロケット/宇宙船)スペースX/ブルー・オリジンなど打上げ・飛行・帰還延期・中止・返金の責任主体がどこか
運航会社(高高度気球)岩谷技研など上昇・滞空・降下・回収天候起因の延期条件(シーズン/待機期間)
販売窓口(仲介/旅行会社)スペース・アドベンチャーズ/日本旅行など商品説明・申込補助販売窓口=運航責任主体ではない
訓練アクシオム・スペース/NASA関連施設など緊急時手順・シミュレーター・運用訓練訓練未達・健康要件未達時の扱い
医療・保険・法務医療機関/保険会社/法律事務所適性審査・補償設計・契約レビュー免責条項・補償上限・準拠法(どの国の法律か)

日本企業の位置づけ(2026年10月1日時点)

日本企業の計画で最も具体的なのは、高高度気球による近宇宙体験です(搭乗客向けフライトは2027年度以降の予定・未運航)。ロケット/スペースプレーンによる有人輸送は、政府の公的整理では2030年代が基本線です。一方、PDエアロスペース社は企業目標として2029年の有人機運用開始を掲げており、公的整理と企業側の目標時期には差があります。販売窓口としてはクラブツーリズム・スペースツアーズ(ヴァージン・ギャラクティック関連)のほか、国内企業による申込受付の構想もあります。

公的資料を読むときの注意:内閣府「有人宇宙輸送に係る今後の進め方について」(2026年2月5日)は、国内の有人輸送の担い手として将来宇宙輸送システム(ISC)・スペースウォーカー(SPACE WALKER)・PDエアロスペースの3社を挙げています。しかしスペースウォーカーは同資料の公表からわずか1週間後の2026年2月12日に破産手続開始決定を受けました。公的資料の日付と現実の企業状況にはズレが生じ得るため、社名を根拠に将来計画を読む際は必ず最新の企業動向とあわせて確認してください。

※各社の到達高度・費用は「主な宇宙旅行プランと費用目安」、日本語の問い合わせ先は「日本からの予約・窓口」、国内の開発状況・制度整備・窓口構想の詳細は「日本の宇宙旅行の現状と将来」を参照してください。
根拠:内閣府(2026/02/05) / 東京商工リサーチ(SPACE WALKER破産:2026/02/13)

BOOKING FROM JAPAN

日本からの予約・窓口:日本語での問い合わせ先

※(注)ここでいう「日本で申し込める」は「日本語での問い合わせ・相談窓口がある」ことを指します。「日本から打上げて宇宙へ行ける」ことを意味しません。

「日本語で申し込む」場合、2026年10月1日時点では大きく①公式サイトに日本語の問い合わせ導線がある/②過去の公式提携に基づく日本語窓口がある/③日本企業による発表済の構想がある(申込開始を目指す)の3タイプに分かれます。

日本から宇宙旅行を申し込む際の、公式窓口確認から問い合わせ、契約、健康確認、訓練、搭乗までの6ステップ
日本から宇宙旅行を検討する際の一般的な流れ。公式窓口の確認から契約、健康確認、訓練を経て搭乗へ進みます。(宇宙旅行.jp作成)

① 公式に日本語の問い合わせ導線がある

日本国内で高高度気球(宇宙気球)による宇宙遊覧を計画する岩谷技研(OPEN UNIVERSE PROJECT)が該当します。公式ページに到達高度(18〜25km)・飛行時間(4〜6時間)・費用(現行技術ページで1回あたり2,400万円)などが載っており、問い合わせフォームもあります。搭乗客向けフライトは2027年度以降の予定です。
「2026年8月頃」とされていた搭乗客募集の詳細発表はなく、8月31日に「実施方法およびスケジュールについて検討を進めております」と告知されただけで、募集の内容も時期も決まっていません。応募用のBOOKINGページはパスワード付きで、一般には公開されていません。最新の条件は必ず公式サイトで確認してください。

根拠:公式ニュース(2026/08/31) / TECHNOLOGY / CONTACT / BOOKING(パスワード保護) / プレスリリース(2026/04/28)

② 過去の公式提携に基づく日本語窓口がある

サブオービタル宇宙旅行のヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)については、クラブツーリズム・スペースツアーズが日本語での案内・問い合わせ導線を公開しています(2005年5月にヴァージン・ギャラクティックと提携したと案内)。ただし公式サイトの掲載は「1名あたり45万ドル」「2022年以降、宇宙飛行開始予定」という古い情報のまま、更新されていません。ヴァージン・ギャラクティックが2026年に売り出した1席75万ドルとは30万ドルの差があり、現在の限定申込みをクラブツーリズムが扱うかは確認できていません。
ヴァージン・ギャラクティック本体は、次世代機の販売を2026年3月30日に1席75万ドルで始め、この枠は予定より早く完売しました。10月1日時点では公式サイトで限定申込みを受け付けていますが、新しい座席価格は公表されていません(申込金1,000ドルは、取り下げた場合などに全額返金。申し込んでも座席は保証されません)。次世代機による商業運航の再開は2027年2月目標です(2026年8月12日発表。従来の2026年第4四半期から延期。変更の可能性あり)。

根拠:クラブツーリズム(宇宙旅行) / クラブツーリズム(提携・販売に関するリリース:2014年) / Virgin Galactic(販売再開・$750,000:2026/03/30) / Virgin Galactic(Q2 2026決算:完売・2027年2月へ延期)

③ 日本企業による発表済の構想がある(申込受付開始を目指す)

日本旅行×ISC(将来宇宙輸送システム)が該当します。宇宙旅行を3段階(SPACE Tour 1.0=地上体験、2.0=宇宙経由の高速移動、3.0=軌道上滞在)で定義し、2026年度中(=2027年3月末まで)にSPACE Tour 2.0/3.0の申込受付開始を目指すとしています。2026年10月1日時点で正式な受付開始の発表はまだなく、目標期限まで残り約半年です。SPACE Tour 1.0(地上体験)の具体的な商品化・発売の発表も確認できていません。なお、ISCは2023年12月から宇宙旅行の「先行予約アンケート」(正式な予約・契約ではない情報登録)を公開してきました(2026年10月1日時点の受付状況は要確認)。

根拠:ISC公式(ニュース) / ISC(PR TIMES) / Web担当者Forum(先行予約アンケート開始:2023/12)


PRE-FLIGHT PREPARATION

宇宙旅行の準備:服装、訓練、持ち物

宇宙旅行の準備は、どの種類(サブオービタル/成層圏気球/軌道滞在)かで内容が大きく変わります。共通して言えるのは、服装は「好み」より運航側が指定する安全装備が優先、持ち物は「便利さ」より重量・契約条項(持込・商用利用の可否)が先、という点です。
下の早見表でまず自分の旅のタイプを確認し、そのあと各項目の詳細を読むのが最短です。

高高度気球、サブオービタル、オービタル宇宙旅行について、必要な訓練、服装、持ち物、その他の準備を比較した図
宇宙旅行の種類によって、必要な訓練・服装・持ち物は大きく異なります。高高度気球、サブオービタル、オービタルの違いを比較しています。(宇宙旅行.jp作成)

準備の早見表

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区分訓練の目安服装持ち物
サブオービタル(ロケット/スペースプレーン)現地で数日(例:Blue Originは2日、Virgin Galacticは数日)会社指定が基本。無重力でシートベルトを外すため、外れる物・飛散物は不可小物は重量・サイズ制限あり。商用利用の可否も要確認
成層圏気球(近宇宙体験)広範な訓練は不要。現地で短いオリエンテーション詳細は予約確定後にガイドで案内(会社指示が優先)持込可だがスペース・重量が限られるため軽量に
軌道滞在(ISS等)700〜1,000時間(Ax-1の例)ISS内は1気圧で普段着に近い。ただし洗濯不可のため枚数設計が必要記念品の扱いが厳格(規程・許可制の例あり)

根拠:Blue Origin(Fly:2日訓練/無重力でシートベルトを外す) / Virgin Galactic(Pre-flight) / HALO Space(FAQ) / Axiom Space(Ax-1) / JAXA(ISS船内環境)

服装:基本は「会社指定」+「外れる物を減らす」

宇宙旅行の服装は、運航側(またはミッション提供者)が指定する装備に従うのが前提です。服装が安全設計(シート/ハーネス/緊急手順)の一部だからです。

サブオービタルでは無重力中にシートベルトを外す運用があるため、外れやすい物・飛散する物はリスクになります。ヴァージン・ギャラクティックはUnder Armourと共同で、ベースレイヤー・スーツ・フットウェアからなる専用装備(Spacewear System)を開発しています。
高高度気球では、服装の細則は予約確定後に案内されるのが一般的です。
軌道滞在(ISS)は1気圧で温度・湿度も快適域に保たれるため地上と同様の服装が可能ですが、洗濯ができないため滞在日数に応じた枚数設計が必要です。

どのタイプでも共通するチェックポイントは次の通りです。

  • 会社指定の装備が最優先:インナー・靴・アクセサリーも「許可制」になり得る。
  • 外れる物・引っ掛かる物は避ける:時計・大ぶりアクセ・長いストラップは要注意。
  • ポケット運用に注意:小物を持ち込める場合も「ポケットに収まる範囲」「重量上限」が付くことがある。

根拠:Blue Origin(無重力でシートベルトを外す) / Under Armour(Spacewear System) / JAXA(洗濯不可・枚数設計)

訓練:目的は「安全手順の習熟」

訓練の主な目的は、緊急時に何をするか(煙・火災・客室圧低下・緊急退出など)を事前に身体で理解することです。米国の規制(14 CFR 460.51)では、事業者が参加者に飛行前訓練を行うことが求められています。

訓練の量は旅の種類で桁が変わります。サブオービタルは現地で数日(安全手順・シミュレーション・無重力時の動き方など)、高高度気球は短いオリエンテーション中心です。軌道滞在は別格で、アクシオム・スペースのAx-1では各クルーが700〜1,000時間の訓練を完了したと公表されています。

根拠:eCFR 14 CFR 460.51(参加者への飛行前訓練) / Blue Origin(2日間訓練) / Virgin Galactic(数日の準備) / Axiom Space(700〜1,000時間)

持ち物:「契約・安全規程」が先、「便利グッズ」は後

持ち物は、機内(宇宙へ持ち込む物)と地上(訓練・待機・移動で使う物)を分けて考えます。

地上の持ち物は通常の海外旅行に準じますが、身分証・契約書類の控え・常用薬情報・緊急連絡先は紙とスマホの両方で用意しておくと安心です。

機内に持ち込む小物は、最初に「何を入れたいか」ではなく、重量上限・サイズ上限・禁止品・商用利用の可否を確認します。
報道ベースの例として、ブルー・オリジンでは個人持込袋の総重量が3lb(約1.4kg)以内とされています。高高度気球(HALO Space)は持込可だが「軽量に」との案内です。軌道滞在(NASAミッション)では記念品の商用・募金目的利用が禁止されるなど、契約条項が細かくなります。

根拠:collectSPACE(New Shepard:3lbの報道) / HALO Space(持込可・軽量に) / eCFR 14 CFR 1214.602(記念品の商用利用禁止)

JAPAN OUTLOOK

日本の宇宙旅行の現状と将来

2026年10月1日時点で、日本国内の宇宙港から一般向けに宇宙旅行へ出発できる計画は確定していません。
政府資料では、国内企業による有人宇宙輸送の打上げは「2030年代」を前提に整理されています。当面は、リスクを理解し一定の訓練を受けた関係者が搭乗する実証段階であり、一般の旅客輸送(観光)はその先の話です。

ただし、「日本から打上げ」と「日本で申込み」は別の話です。実際に国内から飛べるようになる前に、日本語で相談・申込みできる環境(国内窓口)が先に整う可能性があります。

根拠:内閣府「有人宇宙輸送に係る今後の進め方について」(2026/02/05)

日本の宇宙旅行について、現在の申込み環境から高高度気球や有人実証、2030年代の有人宇宙輸送、その先の一般向け宇宙旅行までを示したロードマップ
日本の宇宙旅行がどのような段階を経て発展していく可能性があるかを整理したロードマップ。将来部分は確定した運航予定ではありません。(宇宙旅行.jp作成)

確定している前提(公的資料ベース)

  • 国内企業の有人宇宙輸送は2030年代が前提。米国の有人機を日本から打上げる想定もない。
  • 当面の搭乗者は「関係者(リスク承知+訓練済み)」を想定。一般観光は次段階。
  • 宇宙活動法の見直しを受けた改正法が成立・公布済み。正式名称は「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律等の一部を改正する法律」(令和8年法律第39号)で、2026年6月11日成立/同年6月17日公布。人工衛星の搭載を伴わないロケット単体打上げの許可対象化や政府補償の拡大など、多様な輸送形態に対応する制度的基盤を整えるもの。
  • ただし施行日は未確定。宇宙基本法の改正部分など一部は公布日に即日施行されたが、本体は「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日」=2027年6月16日までの政令指定日とされ、2026年10月1日時点で施行されていない。
  • 有人旅客の安全基準や責任分担は、改正法本体に明文規定がない。下位法令(政省令・審査基準・ガイドライン)での運用対応という整理だが、2026年10月1日時点で改正法に対応した政省令案・ガイドライン改訂案のパブリックコメントは確認できず、現行の各種ガイドラインにも有人飛行に関する記述はない。法律の成立をもって、一般向け有人旅行の条件が整ったわけではない。

根拠:内閣府(令和8年法律第39号の成立・公布について) / 参議院(議案経過:2026/06/11成立) / 内閣府(宇宙活動法:現行の政省令・ガイドライン一覧) / 内閣府(2026/02/05)

国内プレイヤーの開発状況

有人宇宙輸送を目指す国内企業としては、将来宇宙輸送システム(ISC)(再使用型ロケット「ASCA」)とPDエアロスペース(スペースプレーン)があります。
ISCは2025年12月に米国での離着陸試験(ASCA 1.0)を中止して自社エンジン開発に切り替え、国内での打上げ実証(2027年度目標)へ計画を変更しました。
2026年に入ってからの動きで最も大きいのは、2月20日にJAXA宇宙戦略基金(第二期)の技術開発テーマ「有人宇宙輸送システムにおける安全確保の基盤技術」に採択されたことです。「有人」を冠した公的テーマへの採択で、有人化に向けた公的資金の裏付けを得た形になります。
そのほか、JALエンジニアリングとの資本業務提携(2月)、荏原製作所と共同での電動ターボポンプ搭載エンジンの着火試験成功(3月4日)、約32億円の資金調達(3月11日)、東京理科大学と連携した再使用型ロケットタンクの地上実証への参画(6月2日/実施期間は2026年5月〜2029年3月)、SBIRフェーズ3での10億円追加配分(6月)と、開発体制の強化が続いています。
PDエアロスペースは公式サイトで有人機の運用開始目標を2029年としていますが、内閣府資料(2026年2月5日)は「ペガサス有人輸送で2030年代」と整理しており、企業側の見通しと公的資料にはギャップがあります。
一方、スペースウォーカー(SPACE WALKER)は2026年2月12日に破産手続開始決定を受けており(負債約19億5,415万円)、計画が消えたり、大きく遅れたりするリスクは現実にあります。

根拠:ISC公式(ASCA 1.0計画変更:2025/12/23) / JAXA宇宙戦略基金(有人宇宙輸送の安全確保:採択決定 2026/02/20) / ISC(約32億円調達:2026/03/11) / ISC(東京理科大学と連携:2026/06/02) / PDエアロスペース(開発計画:有人2029年) / 東京商工リサーチ(SPACE WALKER破産:2026/02/13)

先に動く「国内窓口」

打上げより先に整い得るのが、日本語での申込み環境です。ISC×日本旅行は、2026年度中(=2027年3月末まで)にSPACE Tour 2.0/3.0の申込受付開始を目指すと公表しています(2026年10月1日時点で正式受付の発表はまだ)。また、海外企業の受入れ拠点として、シエラ・スペースが大分空港でのドリーム・チェイサー着陸を検討していますが、2022年の協定締結後は2024年7月の公表を最後に進展が示されておらず、検討段階にとどまったまま時期は未定です(内閣府資料では無人機想定の整理)。機体側では、ドリーム・チェイサーの初飛行はISS補給を伴わない自由飛行試験に変更され、2025年11月時点の公式目標は2026年第4四半期でした。2026年9月2日には、シエラ・スペースが初飛行に国家安全保障ペイロードと商業ペイロードの契約を獲得したと公表しました(打上げはケネディ宇宙センター、着陸はヴァンデンバーグ宇宙軍基地)。ただし、打上げ日は依然として確定していません。

根拠:ISC公式(2025/10/28) / Sierra Space(初飛行ペイロード契約:2026/09/02) / Sierra Space(大分空港PR) / sorae(Dream Chaser初飛行の計画変更) / 内閣府(2026/02/05)

2026年後半〜2027年前半の注目ポイント

2026年前半に企業側が予告していた2つの節目は、いずれも予定どおりには実現しませんでした。岩谷技研は「2026年8月頃」としていた搭乗客募集の詳細発表を行わず「検討中」の告知にとどまり、ヴァージン・ギャラクティックは第3四半期の滑空飛行試験を行わず、第4四半期の商業運航再開も2027年2月へ延期しました。企業が自ら予告した時期がそのまま守られることは少ない、という前提で次の節目を見るのが現実的です。

一方、制度面は「遅れている」とは言えません。改正宇宙活動法は「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日」に施行する建て付けで、期限は2027年6月16日です。2026年10月1日時点で政省令案やパブリックコメントが公表されていないことは、期限に対する遅延を意味しません。企業の予定変更とは分けて見る必要があります。

  • 制度面:改正宇宙活動法(令和8年法律第39号)の施行期日を定める政令と、政省令・「手引書」「推奨事項」の整備。特に有人飛行に関する記述が入るかどうかが、商用化の前提条件になり得る。
  • 窓口面(国内):岩谷技研が搭乗客募集の実施方法・スケジュールをいつ再提示するか。ISC×日本旅行のSPACE Tour 2.0/3.0の申込受付開始(目標期限は2027年3月末)と、価格・責任分界の開示。
  • 海外面:ヴァージン・ギャラクティックが、2026年10月のキャプティブキャリー試験 → 滑空飛行 → 2027年2月の商業飛行という工程を計画どおり進められるか。2号機が運用機に加わる時期(2027年3月予定)も指標になる。
  • 気球(海外):ゼファルトの試験飛行実施と、公式規約が示す「2027年11月以降」の予約枠の扱い。

将来の見通し

段階としては、①国内窓口の整備 → ②関係者搭乗の実証 → ③国内企業による有人輸送(2030年代) → ④旅客輸送(観光)が想定されます。
当面は、海外拠点からの宇宙旅行(サブオービタル/オービタル)と、国内の近宇宙体験(成層圏気球など)を並行して検討するのが現実的です。「日本発」の進展は、公的資料・公式発表の更新に沿って追記します。

EARTH-BASED EXPERIENCES

関連施設と体験(宇宙に行かずに体験する選択肢)

宇宙旅行(高度を上げて宇宙/その近くへ行く体験)とは別に、地上で宇宙の一端を体感できるメニューがあります。まずは展示施設で基礎知識をつかみ、次に放物線飛行で本物の無重力を試す、というステップアップも可能です。

展示・施設(無料〜数千円)

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施設場所費用目安備考
JAXA 筑波宇宙センター茨城県つくば市入場無料。ガイド付き見学ツアーは500円(税込・18歳以上)。高校生・高等専門学校生を含む高校生以下は無料見学ツアーはWEB完全予約制・当日現金払いのみ(クレジット/バーコード決済不可)。所要約70分。展示館「スペースドーム」は予約不要
利用案内 / ツアー料金
日本科学未来館東京・お台場常設展 大人630円(18歳以下210円/未就学児無料)2026年10月1日現在、施設整備工事のため全館休館中です。休館期間は2027年4月22日までで、リニューアルオープンは2027年4月23日予定です(公式記載・日程変更の告知なし)
休館のお知らせ / 入館料
Space Travelium TeNQ東京ドームシティ大人 平日2,500円/土日祝・特定日3,000円(中高生1,800円、小学生1,300円、幼児800円、2歳以下無料)年中無休(整備休館・営業変更あり)。10歳未満は13歳以上の同伴が必要
利用料金

無重力(微小重力)体験:放物線飛行(パラボリックフライト)

航空機で急上昇・急降下を繰り返し、短時間の無重力(微小重力)を作る体験です。宇宙空間には到達しませんが、機体が自由落下する区間をつくるため、「本物の無重力」を体験できる数少ない手段です。

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サービス拠点費用目安備考
ASTRAX(日本)愛知県営名古屋空港(小牧)発190万円〜+税(日帰り・最大3名)。休日は追加費用あり。特別コース285万円〜(最大2名)、貸切コース570万円〜/機(3名まで)。料金は2026年4月1日改定7〜8回の放物線(1回約20秒の無重力)。年齢目安10〜70歳(66〜70歳はより厳格な健康診断が必要)。次回フライトは調整中、エントリーは常時受付
概要 / 料金 / 参加条件
Zero-G Experience(米国)米国内複数拠点$8,900+Tax(60日以上前の予約時・公式表示)。ハーフプレーン$116,000、全機貸切$259,000フライトは長期停止中。2025年7月、唯一の運航機 G-Force One が第三者整備会社の管理下にあった間に甚大な損傷を受け、耐空性を喪失。同社は整備会社を提訴中で代替機も検討中。公式にはCEO名で「2027年半ばより早い運航再開は見込んでいない」とされ、2026年・2027年の運航日程は掲載されていません
公式アップデート / スケジュール・料金
Air Zero G(フランス)フランス(ボルドー・メリニャック発)€7,950(VAT20%込み)。2回目€7,155、3回目以降€6,360の逓減料金あり一般向けフライトは年に3〜6便のみで、公開後すぐに埋まる傾向。次の公開便は2026年10月16日で満席・キャンセル待ちのみ。2027年は4月22日・4月23日・8月26日・8月27日・10月14日が公開されており、2026年10月1日時点ですべて満席・キャンセル待ち登録のみ
予約・日程 / 料金・条件

深掘り:無重力フライト(パラボリック飛行)ポータル(世界と日本の比較・準備ポイント)

地上体験プログラム(ISC×日本旅行 SPACE Tour 1.0)

ISC×日本旅行が定義するロードマップの第1段階で、「地上で宇宙を感じる体験」を商品化する構想です。宇宙空間には到達しませんが、宇宙旅行の入口として位置づけられています。2026年10月1日時点で、具体的な商品化・発売の発表は確認できていません。

根拠:ISC公式(2025/10/28)

もっと探す:地上で楽しむ宇宙体験(日本のスポットまとめ)

※料金・営業日・参加条件・持ち込みルールは変更されます。予約・購入前に必ず公式の最新情報と規約(延期・返金等)を確認してください。

HISTORY & FUTURE

宇宙旅行の歴史と未来

1990年の秋山豊寛氏の宇宙滞在から、2001年の自費型宇宙旅行、2021年のサブオービタル商業飛行開始まで、民間宇宙旅行は約30年かけて段階的に拡大してきました。

宇宙旅行は、国家主導の宇宙開発(宇宙飛行士中心)から、スポンサー型の民間搭乗、そして個人が費用を払う商業宇宙旅行へと広がってきました。 ただし「初の民間宇宙旅行者」は、スポンサー型(企業が費用負担)と自費型(個人が支払う)で答えが変わります。以下の年表では、その違いも含めて整理します。

1990年の秋山豊寛氏、2001年のデニス・ティト氏、2021年の商業サブオービタル飛行と日本人のISS滞在、2026年の月有人飛行など宇宙旅行の歴史を示した年表
国家主導の有人宇宙飛行から、民間人の搭乗、自費型宇宙旅行、商業サブオービタル飛行、月への有人飛行へと広がってきた宇宙旅行の歩み。(宇宙旅行.jp作成)

主要マイルストーン

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年出来事位置づけ根拠
1990秋山豊寛氏がミール(Mir)へ(TBSスポンサー型)スポンサー型の商業宇宙飛行の早期事例。取材・放送ミッションの性格が強いBritannica
2001デニス・ティト氏がISSへ(自費型)自費型宇宙旅行の起点として広く引用されるBritannica
2021前澤友作氏・平野陽三氏がソユーズでISSへ(約12日滞在)日本人の民間ISS滞在(spaceflight participants)の代表例NASA(到着) / NASA(帰還)
2021ブルー・オリジンがサブオービタル商業飛行を開始「宇宙旅行」がISS滞在型だけでなくサブオービタルにも拡大Blue Origin
2022NASAがISSトランジション計画を更新「2030年までISS最大活用、以後は商業目的地へ移行」の方針を明確化NASA
2024NASAがISS用デオービット機(USDV)を選定ISSの退役プロセス(安全な制御落下)を具体化NASA
2026NASAアルテミスIIが有人月フライバイに成功(4月1日打上げ/4月10日帰還)アポロ以来、約半世紀ぶりの有人月飛行(政府ミッション)。月周回軌道への投入は行わず、月の裏側を回って帰還。最遠到達 252,756マイルでアポロ13号の記録を更新。将来の月旅行に向けた技術的な布石NASA(Artemis II:Crewed Lunar Flyby) / NASA(帰還・記録値)

今後の見通し:ISS退役と商業ステーションへの移行

宇宙旅行の将来を左右する最大の要素は、ISSの退役(2030年目安)と商業ステーションへの移行です。NASAは、低軌道の活動を民間サービスへ移し、NASA自身が「顧客の一社」になることを目指しています。

短期的には、NASAの民間ISSミッション(Private Astronaut Missions)が継続しています。アクシオム・ミッション5(Ax-5:2026年1月30日選定、2027年1月以降目標)や、ヴァスト社(Vast)による第6次ミッション(2026年2月12日選定、2027年夏以降目標)が選定済みで、ISSの残り寿命を使って民間主導の滞在機会を増やす動きは当面続く見込みです。なお、ヴァストの商業ステーション「Haven-1」の打上げは2027年第1四半期以降へ延期されており、従来目標(2026年5月頃)から約1年の遅れです。

一方で、「いつ・いくらで・どれだけ一般化するか」は不確実性が残ります。市場規模の予測値はレポート間で振れ幅が大きいうえ、米会計検査院(GAO)は2026年6月17日の報告書で、①2026年5月時点でNASAがISSから商業ステーションへの移行の調達方針をまだ確定していないこと、②NASAの過去データは商業ステーションの開発が現計画より長期化する可能性を示唆すること、③低軌道における「空白(ギャップ)」の発生可能性や期間をNASAがまだ評価していないことを指摘しています。同報告書は、NASAが2027年にISS退役と移行を進めるかの重要な判断点を迎えるとしており、NASAは政府所有のコアモジュールを用いる代替案も検討中とされています。運航頻度・安全性・保険・規制・機体開発の前提次第で、見通しは上下します。

根拠:NASA(Commercial Space Stations) / NASA(ISS Transition FAQ) / NASA(Axiom Mission 5:2026/01/30) / NASA(Vast選定:2026/02/12) / Payload(Haven-1延期) / GAO-26-107805(2026/06/17) / Grand View Research(市場予測・参考)

QUESTIONS & ANSWERS

よくある質問(FAQ)

1宇宙旅行は一般人でも行けますか?

可能です(民間人が乗った実績がすでにあります)。ただし2026年10月1日時点では、主な高高度気球・サブオービタルの会社が運航休止中か準備中のため、すぐに乗れるサービスは限られます。また、選ぶ種類によって条件は異なります。高高度気球(約18〜40km級・事業者により異なる)は比較的身体への負担が小さいとされます。一方、サブオービタル飛行では打上げ・再突入時に加速度がかかり、軌道滞在では事前訓練や医療要件がより厳格になります。

根拠:岩谷技研(Open Universe Project:最高到達高度約25km)

2宇宙旅行の費用はいくらですか?一番手頃なのは?

宇宙到達(80〜100km級)のサブオービタル飛行は、数十万ドル規模が目安です。ヴァージン・ギャラクティック社は2026年3月30日に75万ドル/人で販売した枠を完売しました。10月1日時点では公式サイトで限定申込みを受け付けていますが、新しい座席価格は公表されていません(申込金1,000ドルは、取り下げた場合などに全額返金。申し込んでも座席は保証されません)。

成層圏気球では、スペース・オーラ社の約830万円(1席500万ルピー。公式予約ページに掲載)が最安級の例ですが、公式サイトの予定は古いまま更新されておらず、商業運航を始めたという発表もありません。国内では岩谷技研の現行技術ページに「1回あたり2,400万円」と掲載されています。2023年の第一期募集でも1人2,400万円が示されましたが、次回の一般向け募集価格・契約条件は未発表です。なお、これまで最安の1席5万ドルを掲げていたワールド・ビュー社は、2026年4月の買収で観光が事実上棚上げとなり、掲載価格どおりに飛べる見通しは立っていません。

無重力体験のみを目的とする場合は、放物線飛行(パラボリックフライト)も選択肢になります。

根拠:Virgin Galactic(Q2 2026決算:75万ドル枠は完売・次回はより高い価格帯の方針) / スペース・オーラ社(申込ページ) / 岩谷技研(2,400万円/回) / Ondas(World View買収完了)

3日本から宇宙旅行に申し込む方法は?

基本の流れは、各社公式サイトの申込フォーム(または問い合わせ窓口)→個別連絡→契約です。企業や商品によっては、申込み時点でデポジット(前金)が必要になる場合があります。国内では、岩谷技研(OPEN UNIVERSE PROJECT)の問い合わせ窓口や、将来宇宙輸送システム(ISC)×日本旅行の申込み受付(予定)など、公式の導線が用意されるケースがあります。ただし2026年10月1日時点で、岩谷技研の搭乗客募集は「実施方法・スケジュールを検討中」(2026年8月31日告知)、ISC×日本旅行の正式受付も未開始です。いずれも条件は更新されるため、最終的には必ず公式の最新案内を確認してください。

根拠: 岩谷技研(2026/08/31 告知) / ISC×日本旅行(申込受付開始を目指す旨)

4健康条件や年齢制限はありますか?

あります。条件は会社や機体によって異なり、内容も更新されることがあります。例として、ブルー・オリジン(Blue Origin)は公式ページで「連邦規制により18歳以上」と案内しています。サブオービタル飛行では打上げ・再突入時に加速度がかかるため健康確認が一般的で、軌道滞在では事前訓練や医療要件がさらに厳格になります。一方、高高度気球のゼファルト(Zephalto)は販売規約で「特別な身体条件や事前訓練は不要」としつつ、6歳未満は不可、18歳未満は成人同伴、妊娠7か月超や重い疾患のある方は搭乗不可と定めています。申し込み前に、必ず各社の公式条件を確認してください。

根拠:Blue Origin(18歳以上) / Zephalto(CGV 2026年6月版)

5宇宙旅行のキャンセル・返金はできますか?

条件は企業ごとに異なります。特に確認したいのは、前金(デポジット)の返金可否と、延期や事業停止時の取り扱いです。

例として、ブルー・オリジン(Blue Origin)は公式「Experience」ページで「注文手続きを始めるにあたり15万ドルの予約金を受け取る」「予約金は全額返金可能(この段階では請求されない)」「フォームを送っても将来の座席は保証されない」と案内しています(同社は現在運航休止中)。ゼファルト(Zephalto)は販売規約(2026年6月版)でキャンセル保険を含む価格条件を明示しています。

一方、GRUスペース(GRU Space)の月面ホテル構想については、現在の公式応募ページに申込手数料の金額も返金条件も掲示されておらず、「料金および参加形態は資格審査プロセスの中で個別に協議」とのみ記載されています。過去に報じられた金額や条件を、現在の条件として読み替えないよう注意してください。

運航休止や買収による事業転換(例:ワールド・ビュー)が実際に起きているため、契約内容や規約は変更される可能性を前提に、申し込み前に必ず公式の最新条件を確認してください。

根拠:Blue Origin(Experience:$150,000・全額返金可) / Zephalto(CGV 2026年6月版) / GRU Space(Reserve:個別協議)

6月旅行はいつ実現しますか?

2026年10月1日時点で、一般向けに日程や条件が確定し、購入まで成立する月旅行商品は確認されていません。

スペース・アドベンチャーズ(Space Adventures)(月周回構想)や、GRUスペース(GRU Space)(月面ホテル構想・2032年展開目標)は問い合わせ窓口を設けていますが、実施時期や最終価格は未定です。

政府計画では、NASAのアルテミスIIが2026年4月に有人月フライバイに成功しました(4月1日打上げ・4月10日帰還。月周回軌道には投入せず、月の裏側を回って帰還する飛行です)。続くアルテミスIIIは2027年目標ですが、月面着陸ではなく地球低軌道での月着陸船(試験機)とのランデブー・ドッキング実証に計画変更され、有人月面着陸はアルテミスIV(2028年前半目標)に移行しています。宇宙開発は延期が起こりやすいため、最新状況の確認が必要です。

根拠:Space Adventures(Circumlunar Mission:問い合わせ窓口) / GRU Space(Reserve:窓口) / NASA Artemis II(Crewed Lunar Flyby・2026年4月成功) / NASA(Artemis IV:2028年前半・有人月面着陸)

7宇宙旅行と成層圏旅行の違いは?(気球で無重力にならないのはなぜ?)

宇宙の境界は一般に高度100km(国際航空連盟=FAI基準)がよく使われますが、米国では50マイル(約80km)を基準とする例もあります。成層圏気球の到達高度は計画によって約18〜40km(岩谷技研やゼファルトは25km前後)で、どちらの基準にも届きません。ただし、黒い空や地球の丸みを体感できる点は共通しています。

「高度が足りないから無重力にならない」わけではありません。無重力(正確には微小重力)は、高度ではなく機体と乗客がともに自由落下しているかどうかで決まります。気球は浮力で支えられて浮いており、通常の遊覧飛行では自由落下しないため、無重力状態にはなりません。

逆に、宇宙に到達しない航空機でも、放物線飛行で自由落下する区間をつくれば数十秒の無重力を体験できます。サブオービタル飛行で数分間の無重力が生じるのも、エンジン停止後に機体と乗客がそろって自由落下(弾道飛行)に入るためです。ISSが無重力なのも、地球を回りながら落ち続けている(自由落下している)からです。

根拠:NASA(微小重力とは:自由落下によって生じる) / FAI(100km基準) / FAA(50 statute miles) / 岩谷技研(最高到達高度約25km)

8宇宙旅行の訓練は必要ですか?

種類によって異なります。例として、ブルー・オリジン社のニュー・シェパードでは、搭乗前に現地で約2日間の訓練(安全手順や無重力時の動き方など)が案内されています。ただし、現在ニュー・シェパードは運航休止中です。

成層圏気球は比較的簡易なブリーフィングが中心ですが、軌道滞在型の宇宙旅行では数カ月規模の訓練が必要になることもあります(アクシオムのAx-1では各クルーが700〜1,000時間の訓練を完了)。

根拠:Blue Origin(約2日間の訓練) / Axiom Space(Ax-1:700〜1,000時間)

9ISCと日本旅行のSPACE Tourとは?

将来宇宙輸送システム(ISC)と日本旅行が公表している、宇宙旅行サービスのロードマップ構想です。段階を「SPACE Tour 1.0(地上体験)〜3.0(軌道上滞在)」として定義し、商用化フェーズに向けて、2026年度中(=2027年3月末まで)にSPACE Tour 2.0/3.0の申込受付開始を目指すとしています。2026年10月1日時点で正式受付の発表はまだなく、目標期限まで残り約半年です。正式予約ではない「先行予約アンケート」=情報登録は2023年12月から公開されています(詳細は今後発表予定)。

根拠:ISC公式(2026年度中に申込受付開始を目指す旨)

10宇宙に行かずに宇宙体験できる施設はありますか?

あります。代表例は、宇宙をテーマにした展示施設やVR体験、そして放物線飛行(パラボリックフライト)による無重力(微小重力)体験です。まずは施設・展示で基礎知識や雰囲気をつかみ、次に無重力体験へステップアップする、という順番も現実的です。ただし2026年10月1日時点で、米国のZero-G Experienceは機体損傷により長期運航停止中(再開は2027年半ば以降の見込み)、フランスのAir Zero Gは2026年・2027年とも公開済みの便がすべて満席で、選択肢は限られています。日本科学未来館は2026年10月1日現在、2027年4月22日までの予定で全館休館中です。

11宇宙旅行は今、運航しているの?

2026年10月1日時点で、一般客を乗せた定期的な商業運航は、サブオービタル・高高度気球とも行われていません。運航・販売状況は会社ごとに異なります。

ブルー・オリジン(Blue Origin)は、「ニュー・シェパード(New Shepard)」の飛行を少なくとも2年間停止すると発表しています(2026年1月30日発表。再開時期は未定で、2028年の再開が決まったわけではありません)。一方、ヴァージン・ギャラクティック社は1席75万ドルの枠を完売し、10月1日時点では限定申込みを受け付けていますが、新しい価格は公表されていません。次世代機による商業運航の再開は2027年2月が目標です(2026年8月12日発表。従来の2026年第4四半期から延期)。同社は2024年6月以来、宇宙に到達していません。

宇宙開発は延期や計画変更が起こりやすいため、最新の状況は必ず各社の公式発表で確認してください。

根拠:Blue Origin(2年以上の停止) / Virgin Galactic(Q2 2026決算:2027年2月へ延期)

12宇宙旅行をした日本人は?

民間人では、1990年に秋山豊寛氏がソユーズTM-11で宇宙へ行き、宇宙ステーション「ミール」に滞在しました。近年では、2021年に前澤友作氏と平野陽三氏がソユーズMS-20で国際宇宙ステーション(ISS)に短期滞在しています。

根拠:JAXA FAQ(秋山豊寛氏・ミール) / NASA(Maezawa/Hiranoの訪問)

13前澤さんが宇宙に行った費用はいくらですか?

契約金額は公表されていません。前澤友作氏は、ネット上で流通した「100億円」という金額について「間違い」と説明しています。

一方で海外報道では、約8,000万ドル(約$80M)程度という推定額が報じられ、前澤氏がその報道額についてコメントしたと紹介されています。ただし、いずれも推定や報道ベースの情報を含むため、確定額としては扱えません。

根拠:前澤氏投稿(100億円否定) / Business Insider(約$80M報道の言及)

14ZOZOTOWNの社長は宇宙に行ったのですか?

はい。ZOZO創業者の前澤友作氏は、2021年にソユーズMS-20で国際宇宙ステーション(ISS)に短期滞在しました(同行:平野陽三氏)。

根拠:NASA(Maezawa/Hiranoの訪問) / JAXA(Soyuz MS-20ミッション)


SOURCES & REFERENCES

出典・参考情報

  • 三菱UFJ銀行公表相場:2026年10月1日の参考円換算に使用 参照
  • FAI:100km境界(カーマンライン) 参照
  • FAA:50マイル基準(認定ページ) 参照
  • NASA:微小重力(無重力)は自由落下によって生じる 参照
  • Blue Origin:New Shepard 休止発表(2026/01/30) 参照 / Experience($150,000デポジット・全額返金可・18歳以上) 参照 / NS-38(延べ98人・92人) 参照
  • Virgin Galactic:Q2 2026決算(2026/08/12・商業飛行は2027年2月へ延期/$750,000枠は完売・申込超過/2026年10月にキャプティブキャリー試験) 参照 / 座席販売再開・$750,000(2026/03/30) 参照
  • Virgin Galactic:申込規約(申込金1,000ドル・撤回時の全額返金・申込みは購入権を保証しない) 参照 / Virgin Galactic:新型機の名称投票(一次:8/11開始・当初8/27締切) 参照 / collectSPACE(二次:9/3まで延長と報道) 参照
  • 岩谷技研:搭乗者募集について「実施方法およびスケジュールを検討中」(2026/08/31) 参照 / 搭乗客フライトは2027年度以降・パイロット公募開始(2026/04/28) 参照
  • OPEN UNIVERSE PROJECT:成層圏気球(高度・時間・価格・適期) 参照
  • Zephalto:販売規約 CGV(2026年6月版・「最初のフライトは2027年秋まで完売、予約可能枠は2027年11月以降」/€180,000/前金は€10,000+€26,000=計€36,000で予約確定・残額€144,000/年齢・健康条件) 参照
  • NASA:Axiom Mission 3(ミッション全体 約22日/ISS滞在18日) 参照 / Axiom Mission 4(ミッション全体 20日) 参照
  • クオリタ(HIS):Space Perspective 販売終了告知(2025/06/13) 参照 / HIS:宇宙事業強化推進室 新設(2026/04/01) 参照
  • イオス・エックス・スペース社:2026年5月のシリーズD 1.4億ドル資金調達 参照 / 本社のニューヨーク移転(2026/03/27) 参照
  • Zephalto:公式トップページ(ロードマップ:2027年に一般向けの初フライト) 参照
  • Space.com:Space Perspective 買収報道(EOS-X Space) 参照
  • ワールド・ビュー社:2026年7月にオンダス・センチネルへ統合 参照
  • Ondas:World View 買収完了(2026/04/01) 参照 / World View 観光ページ(受付状況) 参照
  • ISC:宇宙旅行サービスの商用化フェーズ(2026年度 申込受付開始を目指す) 参照 / ASCA 1.0計画変更(2025/12/23) 参照 / JAXA宇宙戦略基金「有人宇宙輸送システムにおける安全確保の基盤技術」採択(2026/02/20) 参照
  • 東京商工リサーチ:SPACE WALKER 破産手続開始決定(2026/02/12) 参照
  • NASA:Artemis II(有人月フライバイ・2026年4月成功) Artemis II / 帰還・記録値 参照 / Artemis III(2027年目標・低軌道でのドッキング実証・乗員発表) Artemis III / Artemis IV(2028年前半・有人月面着陸) Artemis IV
  • GAO:ISSから商業ステーションへの移行に関する報告書 GAO-26-107805(2026/06/17) 参照
  • 改正宇宙活動法(人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律等の一部を改正する法律/令和8年法律第39号):2026年6月11日成立・6月17日公布・施行日は未定 内閣府 / 参議院 議案経過
  • Space Adventures:ISSミッション(過去実績はソユーズ。時期・機体は未公表) 参照 / 2020年 Crew Dragon 自由飛行ミッションの発表(ISS行きではない) 参照 / Circumlunar Mission(問い合わせ窓口・価格は個別見積) 参照
  • GRU Space:Reserve(料金・参加形態は資格審査プロセスで個別協議。公式の掲示価格・返金条件なし) 参照
  • Zero-G Experience:運航停止の経緯と再開見通し(G-Force One の損傷/2027年半ば以降) 参照
  • 日本科学未来館:施設整備による全館休館(2026/10/01〜2027/04/22) 参照

本記事は定期的に更新していますが、宇宙旅行のスケジュール・料金・企業の状態は変動するため、前金支払い・契約前に必ず公式情報と契約条件を確認してください。掲載金額には、現在購入できない販売枠の価格や、計画中サービスの公表価格、過去ミッションの報道価格が含まれます。

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