空を広く見よう
流れ星は、こぐま座の近くだけでなく、空の広い範囲に現れます。今年は月が明るいので、月や街灯が目に入らない向きで、空全体をぼんやり見渡しましょう。
宇宙旅行.jp › 流星群カレンダー › こぐま座流星群 2026年
北極星の近くから流れ出す、今年最後の流星群です。
東京以外の方は 7都市の月の入りと、空が白み始める時刻
はじめてでも大丈夫。流れ星に出会いやすくなる4つのコツです。
流れ星は、こぐま座の近くだけでなく、空の広い範囲に現れます。今年は月が明るいので、月や街灯が目に入らない向きで、空全体をぼんやり見渡しましょう。
目が暗さに慣れるまで、15分ほどかかります。スマホの明るい画面や月を直接見ると、せっかく慣れた目が元に戻ってしまうので要注意。今年は暗い場所でも1時間に2個ほどが目安です。のんびり待ちましょう。
望遠鏡や双眼鏡を使うと、見える範囲がとても狭くなります。流れ星はいつ、どこに流れるか分からないので、道具は使わずに自分の目で空を広く見ましょう。
首が疲れないよう、背もたれを倒せるイスに座るか、レジャーシートを敷いて寝転ぶのがおすすめです。寝転ぶのは車の来ない安全な場所で。12月下旬の明け方は厳しく冷え込むので、下の防寒のポイントも確かめておきましょう。
冬至のころの、しかも明け方に、動かず空を見続けます。体感温度は天気予報の気温よりずっと低くなるので、スキー場に行くつもりの服装が目安です。寒さに負けて早めに切り上げると、いちばん確実な「明け方4時台」を逃してしまいます。
放射点が高く(東京で40°以上)、月は西の低い空へ。極大(23日7時ごろ)にも近づいていく時間です。空が白み始める5時16分ごろ(東京)までがチャンス。
彗星のちりの細い流れによる「小さな山」の予報があります(ZHR20未満)。2025年は予報より強く出ましたが、2021〜2024年は確認されませんでした。
流星群がいちばん活発になる「極大」は、国際流星機構(IMO)の予報で23日7時ごろ。日本では日の出(東京6時47分)の少し前で、空はもう明るくなり始めています。そのため、極大に向かう23日の明け方がいちばんのチャンスです。
もうひとつの狙い目が、22日23時ごろに予報されている「小さな山」です。2025年にも同じ種類の山が現れ、ふだんの5倍ほどの流れ星が観測されました(2025年に何が起きた?)。2026年の予報はそれより小さく、2025年には山が予報より約3時間遅れて現れたように、時刻にも幅があります。「出たらラッキー」くらいに考えておきましょう。
観察は天気と安全を第一にしてください。12月下旬の明け方は、一年でもとくに冷え込む時間帯です。
2026年は月明かりがあるため、街明かりのない暗い場所でも1時間に2個ほどが目安です。予報の山が出なければ、明け方に向かってゆっくり増え、4時台がいちばん多くなります。山が出れば、23時ごろから明け方まで、ずっと1時間に2〜2.5個ほどのペースになります。どちらの場合も、明け方4時台は外れにくい時間です。
| 時間帯 | 放射点の高さ | 月の高さ | 山が出なければ | 予報どおり山が出れば |
|---|---|---|---|---|
| 19時台 | 22° | 57° | 約0.4個 | 約0.7個 |
| 20時台 | 22° | 68° | 約0.4個 | 約1個 |
| 21時台 | 22° | 78° | 約0.5個 | 約1.5個 |
| 22時台 | 24° | 79° | 約0.5個 | 約1.5個 |
| 23時台予報の山 | 26° | 70° | 約0.6個 | 約2個 |
| 0時台 | 29° | 59° | 約0.8個 | 約2.5個 |
| 1時台 | 32° | 47° | 約1個 | 約2.5個 |
| 2時台 | 36° | 35° | 約1個 | 約2.5個 |
| 3時台 | 40° | 24° | 約1.5個 | 約2.5個 |
| 4時台いちばん確実 | 43° | 13° | 約2個 | 約2.5個 |
| 5時台5時16分ごろから空が白み始める | 46° | 3° | 空が明るくなり、見える数は減っていく | |
数字は「街明かりのない暗い場所」で1時間に見える数の目安です。郊外や街なかでは、この3分の1ほど(1時間に1個未満)になります。1時間に0.5個とは、平均して2時間に1個ほどの割合という意味です。山が2025年並みに強く出た場合(ZHR50として計算)は、0時台に暗い場所で1時間6個ほどになります。放射点と月の高さは、東京での各時台の平均です。
試算の条件:国際流星機構のZHR(ふだんの年は10。予報の山は合計でZHR20として計算)、放射点の高さ、月明かりの中で見える星の暗さ(暗い場所で5〜5.5等級)から計算した宇宙旅行.jpの目安で、実測値や公式予報ではありません。ZHRは、空が理想的に暗く、放射点が真上にあると仮定したときの1時間あたりの流れ星の数です。
23日の明け方が曇りだったら → ほかの夜のチャンス(東京)
2026年は月明かりの影響を大きく受けます。満月は12月24日(木)10時28分で、22日の夜は月の約97%が光って見えます。月は22日の午後に昇り、23日の明け方まで空にあります。全国どこでも空が白み始める前に月が沈まないため、「月のない暗い時間」はありません。その中でいちばん条件がよいのが、放射点が高く、月が西の低い空に下がる「白み始める前の1時間」です。
| 都市 | 月の入り(23日)月の入り | 空が白み始める時刻白み始め | 放射点の高さ(4時半)放射点 | 狙い目(白み始めまでの1時間)狙い目 |
|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 6:10 | 5:21 | 約51° | 4:21〜5:21 |
| 仙台 | 5:52 | 5:15 | 約46° | 4:15〜5:15 |
| 東京 | 5:47 | 5:16 | 約43° | 4:16〜5:16 |
| 名古屋 | 5:57 | 5:27 | 約42° | 4:27〜5:27 |
| 大阪 | 6:02 | 5:31 | 約41° | 4:31〜5:31 |
| 福岡 | 6:19 | 5:50 | 約39° | 4:50〜5:50 |
| 那覇 | 6:09 | 5:51 | 約31° | 4:51〜5:51 |
空が白み始める時刻(太陽が地平線の下18°まで上がってくる、天文薄明の始まり)・放射点の高さ・月の入りは、各都市の都道府県庁所在地での宇宙旅行.jpの天体計算です(日本標準時)。月の入りは月の中心が地平線に沈む時刻で、国立天文台 暦計算室 ↗の東京の値(23日5時47分)と一致します。雲や街明かり、地形による見え方は反映していません。
ポイント:どの都市でも月の入りのほうが遅く、月が沈んだときには空がもう明るくなり始めています。北の地域ほど放射点が高く(札幌は約51°)、南の地域ほど低め(那覇は約31°)。どの地域でも、月を背にして「白み始める前の1時間」を狙いましょう。
結論:北〜北東の空を中心に、月を背にして見るのがおすすめです。 流れ星は空の広い範囲に現れますが、今年は明るい月が出ているので、月が視界に入ると目が暗さに慣れず、流れ星を見落としやすくなります。
放射点は北のやや東寄りの空にあり、月はその反対側(南西〜西)にあるため、北東を向けば自然に月を背にできます。放射点は北極星の近くにあるので、日本では一晩中しずみません。夜が更けるほど高くなり、明け方にいちばん高くなります(東京の場合)。
| 時刻(東京) | 月の位置 | 放射点の位置 | おすすめの向き |
|---|---|---|---|
| 22日 23時ごろ | 南西の高い空(高さ約75°) | 北のやや東寄り・高さ約25° | 北〜北東 |
| 23日 4時半ごろ | 西北西の低い空(高さ約13°) | 北のやや東寄り・高さ約43° | 北東 |
放射点と月の位置は東京での概算です。流れ星が放射点の近くだけに現れるという意味ではありません。放射点の近くに現れる流れ星は短く、放射点から離れた空ほど長い光の筋になります。
こぐま座は、北極星を「ひしゃく」の柄の先にした、小さなひしゃく形の星座です。北斗七星を小さくしたような形ですが、明るい星は北極星と、ひしゃくの先にある2つの星(コカブとフェルカド)くらい。街なかではひしゃく全体は見えにくいかもしれません。こぐま座流星群の放射点は、このひしゃくの先、コカブの近くにあります。
流れ星の正体は、タットル彗星(約13.6年で太陽のまわりを回る彗星)が宇宙に残した小さなちり。地球の大気に飛び込んで光ります。こぐま座の星から流れ星が飛んでくるわけではなく、こぐま座の方向から広がるように見えるため、「こぐま座流星群」と呼ばれています。
まず北極星を見つけます。23時ごろは北東の空に北斗七星、北西の高い空にカシオペヤ座の「W」があり、どちらからでもたどれます(北斗七星なら、ひしゃくの先の2つの星の間を約5倍のばした先)。北極星から、23時ごろは右下へ、明け方は右上へのびる星の並びがこぐま座です。今年は月明かりで暗い星が見えにくいので、北極星とコカブの2つが見つかれば十分です。
星図の丸印は流れ星の「出発点」に見える方向です。流れ星を探すときは、月や街灯が目に入らない向きで、空を広く見渡す方が大切です。
2026年12月23日午前4時半ごろ、東京から見るこぐま座流星群の放射点は北北東(方位角約16度)、高さ約43度です。ただし、この方角は「流星が現れる場所」ではなく「流星の進んだ道筋を逆向きに延ばすと集まる場所」を示しています。
コカブが見つからなくても心配はいりません。流れ星の観察に、放射点の位置を知ることは必須ではありません。 今年は月明かりで暗い星が見えにくいので、北極星とコカブの2つが見つかれば十分。あとは月を背にして、空全体を眺めましょう。
| 時刻(日本時間) | 方角 | 高さ |
|---|---|---|
| 午後9時 | 北(約4°) | 約22° |
| 午後11時 | 北(約11°) | 約25° |
| 午前1時 | 北北東(約16°) | 約31° |
| 午前3時 | 北北東(約17°) | 約38° |
| 午前4時半 | 北北東(約16°) | 約43° |
| 午前5時 | 北北東(約14°) | 約45° |
方角と高度は東京(北緯約35.7度・東経約139.7度)、放射点の赤経217度・赤緯+76度を用いた概算です。北海道ではやや高く、沖縄ではやや低くなります。放射点はいちばん低いときでも東京で約22°あり、一晩中地平線の上にあります。
星の位置:公開恒星データ(Constellation Stars/HYG Database)。放射点:国際流星機構の2026年版カレンダー(赤経217°・赤緯+76°)。観測地点は東京付近(北緯35.69°、東経139.69°)で計算。
出典: 国立天文台|流星群の観察方法 / 国際流星機構|2026年流星群カレンダー(放射点) / 国立天文台 暦計算室|東京の月の出入り(2026年12月)。放射点の方位角・高度・星との角距離は、天体データを用いた独自計算です。
こぐま座流星群は、理想的な条件でも1時間10個ほど(ZHR10)の小さな流星群です。2026年は満月直前の月明かりがあり、暗い場所でも1時間に2個ほど、街なかでは1個に届かない見込み。15分見て1個も見えないのは、ふつうのことです。なかなか見えないときは、次の順に確かめてみてください。
「1時間にこのくらいのペースで流れたら」という形で、待っているあいだに少なくとも1個見られる確率を計算しました。ペースは、上の時間ごとの目安(宇宙旅行.jpの試算)に合わせています。
| 1時間のペース | 5分 | 15分 | 30分 | 1時間 |
|---|---|---|---|---|
| 約0.5個郊外・街なかの目安 | 4% | 12% | 22% | 39% |
| 約1個暗い場所・夜中ごろ | 8% | 22% | 39% | 63% |
| 約2個暗い場所・明け方4時台 | 15% | 39% | 63% | 86% |
| 約2.5個予報の山が出た場合 | 19% | 46% | 71% | 92% |
平均すると、1時間に約2個なら30分に1個、約1個なら1時間に1個、約0.5個なら2時間に1個のペースです。ただし流れ星は等間隔には流れないので、続けて流れることも、しばらく途切れることもあります。
暗い場所の明け方4時台(1時間に約2個)なら、30分見上げて6割ほど、1時間なら9割近くの確率で1個は見られる計算です。反対に、街なかで15分だけ見て見えなくても、それは普通のこと。上のチェックができていれば、見えないのは運の問題です。
計算のしかた:流れ星が決まった間隔ではなく、ばらばらな(偶然の)間隔で流れると考えたときの確率です(ポアソン分布)。表のペースは宇宙旅行.jpの試算にもとづく説明用の値で、公式予報ではありません。どの流星群にも属さない流れ星(散在流星)もふだんから流れているため、実際にはもう少し出会いやすくなります(大阪市立科学館「流星群の基礎知識」 ↗)。
雲の切れ間ができたら、その方向の空を眺めましょう。流れ星は空のどこにでも流れるので、晴れている部分だけでも出会える可能性があります。
晴れそうにない夜や、出かける前に:こぐま座流星群の流れ星が放射点から広がる様子を、流星群3Dシミュレーターで見られます(流星の数を約100倍にした演出つき)。観測地で開くときは、画面右上の「夜間」で暗い赤だけの表示にしてください。明るい画面を見ると、暗さに慣れた目が元に戻ってしまいます。
こぐま座流星群は、放射点が高くなるうえ、極大(23日7時ごろ)にも近づいていくため、明け方に向けてゆっくり増えていきます。月も明け方には西の低い空に下がります。空が白み始める時刻(東京5時16分ごろ・大阪5時31分ごろ・福岡5時50分ごろ)までが勝負です。時間ごとの目安はこちら。
活動期間は12月17日〜26日ですが、ふだんの年でもまとまって流れるのは極大の前後だけです。2026年は、前後の夜も月明かりが強く、極大から離れるぶん数は少なくなります。22日夜〜23日明け方がいちばんのチャンスです。表の色つきの行が見頃の中心です。
| 夜 | 月の入り | 5時は極大の | メモ |
|---|---|---|---|
| 21日夜〜22日明け方 | 4時33分ごろ | 約26時間前 | 4時半すぎ〜白み始めは月のない空。ただし極大の1日以上前で、数は少なめ |
| 22日夜〜23日明け方 | 5時47分ごろ | 約2時間前 | 見頃の中心(23時ごろに小さな山の予報・4時台がいちばん確実) |
| 23日夜〜24日明け方 | 6時56分ごろ | 約22時間後 | 極大を過ぎ、月は白み始めても沈まない。数はごくわずか |
出典:国立天文台「流星群の観察方法」 ↗(最低15分は観察する・目が慣れるまで待つ・肉眼で見る)/国立天文台 暦計算室「東京の月の出入り(2026年12月)」 ↗/気象庁 気象衛星センター「雲画像の解析」 ↗(赤外画像で低い雲が見分けにくいこと)。確率の表と「極大との差」は宇宙旅行.jpの計算です。
2026年12月は、宵から明け方まで、明るい惑星が入れかわりで見られます。国立天文台による12月の見え方に、22日夜〜23日明け方の時刻の目安(東京・宇宙旅行.jpの計算)を添えました。惑星は南側の空にあるので、北〜北東を見る合間に、ふり返って探してみましょう。
くじら座にあり、明るさは約0.7等。22日は宵のうちに南の空に見え、0時すぎに西に沈みます。
しし座にあり、明るさは約マイナス2.3等。1等星レグルスの近くで輝き、明け方4時半ごろは南南西の高い空(高さ約64°)に見えます。
木星と同じしし座にあり、明るさは約0等。真夜中ごろ東の空に見え、明け方4時半ごろは南の高い空(高さ約65°)で赤っぽく光ります。
明るさはマイナス4.7等ほどの「明けの明星」。3時すぎに東南東から昇り、5時ごろには南東の空の高さ約20°で、ひときわ明るく輝きます。
観測のコツ:流星を見るときは望遠鏡を使わず広い空を眺めます。惑星を見つけたあとも、流星を探すときは肉眼で広く見渡しましょう。この夜の月は、おうし座のあたりで明るく輝いています。惑星の位置は日付・時間・地域によって変わります。
出典:国立天文台「ほしぞら情報 2026年12月」 ↗(惑星の見える方角・明るさ・星座)。時刻と高さは東京での宇宙旅行.jpの計算です。
流れ星を待つ時間に楽しもう
流れ星がなかなか現れない時間も、今夜の星空には発見がいっぱい。隣の人に話したくなる7つの話を、NASA・国立天文台などの一次情報に基づいて紹介します。
星を見つめる間は、スマートフォンの明るい画面を見続けるより、空に目を慣らすことが大切です。雑学は観測前や休憩中に読んで、夜空を見ながら話してみましょう。
「冬至のころは一年でいちばん夜が長いんだって。流れ星を待てる時間もいちばん長いね。」
2026年は12月22日が冬至(国立天文台)。こぐま座流星群は、その翌朝に極大をむかえる「冬至の流星群」です。東京では22日の日の入りが16時32分、23日の日の出が6時47分で、夜の長さは約14時間15分。夏至のころ(約9時間半)より5時間ほど長くなります。今年は月明かりが強いぶん、長い夜をのんびり楽しみましょう。
出典:国立天文台「ほしぞら情報 2026年12月」 ↗ / 国立天文台 暦計算室「東京の日の出入り(2026年12月)」 ↗
「北極星って、夜空でいちばん明るい星だと思ってた!」
北極星は「いつも北にある星」として有名ですが、明るさは2等星(国立天文台 暦計算室の一覧で2.0等)。シリウスやベガのような1等星にくらべると控えめで、街なかでは見つけにくいこともあります。こぐま座流星群の放射点は、この北極星から約15°(握りこぶし1個半ほど)離れた、コカブという2等星のすぐそばにあります。
「北極星って、ずっと同じ星じゃないんだって。」
地球の自転軸の向きは、こまの首振りのように約2万6000年かけてひとまわりします(歳差)。いまの北極星は天の北極から40′ほど離れていて、一晩のうちに天の北極のまわりを小さな円を描いて回ります。この離れ具合も、歳差によって長い年月のうちに変わっていきます。約5000年前に北の目印だったのは、りゅう座のトゥバン。遠い将来には、こと座のベガが北極星の役目をになうと考えられています。
「北極星は1つの星に見えるけど、本当は3つの星の集まりなんだって。」
北極星は、約430光年先にある三重星です。主星は太陽の2,000倍以上明るい超巨星で、明るさが周期的に変わる「セファイド変光星」のなかでは、地球にいちばん近い星。2006年にはハッブル宇宙望遠鏡が、主星のすぐそばを回る伴星を初めて写真にとらえました。
出典:NASA「There's More to the North Star Than Meets the Eye」 ↗
「こぐま座流星群のもとになる彗星は、1790年と1858年に見つかったんだよ。」
こぐま座流星群のもとは、タットル彗星(8P/Tuttle)が宇宙にまいたちりです。この彗星は1790年にフランスのメシャンが最初に見つけ、1858年にアメリカのタットルが再発見して、同じ彗星が約13.6年ごとに戻ってくることがわかりました。太陽にいちばん近いときは地球の軌道のすぐ外側(約1.03天文単位)、いちばん遠いときは土星の軌道のあたり(約10.4天文単位)まで離れます。
出典:NASA JPL Small-Body Database「8P/Tuttle」 ↗ / EarthSky「Ursid meteor shower」 ↗
「200年以上前の日本に、この流星群の記録が残っているかもしれないんだって。」
こぐま座流星群は、20世紀はじめにイギリスのデニングが気づいていましたが、広く知られるようになったのは、1945年に当時のチェコスロバキアで大出現が観測されてから。ところが、流星の研究者ロッヘマンスは、1795年12月20日に日本で記録された流星の出現が、こぐま座流星群の突発出現のいちばん古い記録かもしれないと紹介しています。
出典:eMeteorNews(Roggemans 2020)「Ursids (URS#015) major or minor shower?」 ↗
「タットル彗星の本体は、2つの塊がくっついた形をしているらしいよ。」
タットル彗星の核(本体)は、ハッブル宇宙望遠鏡や電波レーダーの観測から、2つの塊がくっついたような形と考えられています。NASAジェット推進研究所のデータベースでは、大きさを「直径約3kmと約4kmの球を合わせた体積」に相当する直径4.5kmと記しています。
出典:NASA JPL Small-Body Database「8P/Tuttle」 ↗ / Boissier ほか(2011)タットル彗星核の観測 ↗
ここからは、今年の条件をくわしく知りたい人へわざわざ出かける価値があるか、2025年の突発出現と2026年の予報のくらべ方をまとめています。
2026年は、満月直前の明るい月が一晩中出ています。暗い流れ星は月明かりに隠れてしまい、街明かりのない場所でも1時間に2個ほどの見込みです。23時ごろの小さな山の予報も、当たり外れが大きいものです。
たくさんの流れ星を見たい人:遠くまで出かけるなら、月明かりのないふたご座流星群(12月14日の夜)のほうがずっと向いています。近所で気軽に楽しみたい人:晴れていれば、23日の明け方4時台に、月を背にして北〜北東の空を15分ほど見上げてみてください。1個でも流れたらラッキーです。
1時間の数は、月明かりの中・暗い場所での宇宙旅行.jpの試算です。実際に見える数を保証する予報ではありません。
2025年12月22日、こぐま座流星群は予報されていた「小さな山」を本当に見せました。理想的な空に換算した1時間あたりの数(ZHR)は、目視の集計で52以上。ふだんの年(約10)の5倍ほどです。
この山は、米国の流星研究者ジェニスキンス博士が2006年に予測していた、タットル彗星のちりの細い流れ(フィラメント)によるものと考えられています(日本の流星電波観測国際プロジェクトは、観測されたピークの位置が事前の予測とずれていたことも指摘しています)。予報は日本時間14時40分ごろでしたが、電波とカメラの観測で見たピークは17時25分ごろと約3時間遅く、強さも予報より4割ほど強いものでした。同じ山は2021〜2024年にも予報されていましたが、そのときは観測で確かめられていません。
日本では、17時25分は日没(東京16時半ごろ)の約1時間後。空にまだ明るさが残る時間でしたが、月は新月直後で影響がありませんでした。日本の電波観測(流星電波観測国際プロジェクト)でも、22日17時台にはっきりした増加が記録されています。
| 2025年(観測) | 2026年(予報) | |
|---|---|---|
| 山の時刻(日本時間) | 22日 17時25分ごろ | 22日 23時ごろ |
| 強さ(ZHR) | 52以上(目視) | 20未満 |
| 日本の空 | 日没後まもない夕方 | 夜中 |
| 月 | 新月直後(影響なし) | 満月直前(一晩中明るい) |
2026年の山は日本の夜中に予報されていますが、予報の強さは2025年の半分以下で、空には満月直前の月があります。予報どおりなら暗い場所で1時間2〜2.5個ほど。2025年のように予報より強く出れば、月明かりの中でも「いつもより流れる」と感じられるかもしれません。
ここからは、もっと知りたい人へ基本データと数字の読み方、過去30年の記録、今後の見通しをまとめています。
観測ガイドで混同されやすい「理想条件のZHR」「月明かりのない年の目安」「2026年の試算」を分けて整理しました。研究者が使う値と、今夜あなたが見られる個数は同じではありません。
| 正式名称・符号 | Ursids(015 URS)/こぐま座流星群 |
|---|---|
| 活動期間 | 12月17日〜12月26日(国際流星機構) |
| 2026年の極大 | 12月23日(水)7時ごろ(国際流星機構の標準的な極大の位置・太陽黄経270.7°)。日本では日の出(東京6時47分)の少し前で、空は明るくなり始めています。 |
| 小さな山の予報 | 12月22日(火)23時ごろ(国際流星機構。ZHR20未満で、当たり外れが大きい) |
| 放射点(極大付近) | 赤経 217°(14時28分)/赤緯 +76°。こぐま座のコカブの近く(約2.4°)。日本では一晩中しずみません。 |
| 母天体 | タットル彗星(8P/Tuttle)。公転周期約13.6年、近日点距離約1.03天文単位・遠日点距離約10.4天文単位 |
| 対地速度 | 約33km/秒(ゆっくりめの流星群) |
| ZHR(標準活動規模) | 10(国際流星機構)。年による変動があり、突然増えることがあります。ZHRは実際に肉眼で見える個数ではありません。 |
| 2026年の月明かり | 影響が大きい(満月は12月24日10時28分。22日の夜は月の約97%が光る) |
出典:国際流星機構「2026年流星群カレンダー」(編集者が公開した資料) ↗ / 国立天文台「流星群の和名一覧」 ↗ / NASA JPL「8P/Tuttle」 ↗ / eMeteorNews(2026年) ↗(速度・放射点) / 国立天文台「ほしぞら情報 2026年12月」 ↗(満月)
どれも間違いではなく、前提が違う数字です。ZHRは理想条件への補正値、アメリカ流星協会の目安は月明かりのない暗い空での数、宇宙旅行.jpの値は2026年の月明かりを入れた試算です。とくに2026年は月明かりの影響が大きいため、ZHRや例年の目安を、そのまま今年見える個数として使わないことが大切です。
参考:アメリカ流星協会「Meteor Shower Calendar」 ↗ / NASA・ZHRと実際の観測個数の違い ↗。
こぐま座流星群は、20世紀はじめにイギリスのデニングが気づいていたものの、1945年の大出現をきっかけに広く知られるようになりました(当時のチェコスロバキアで1時間169個と報告。のちの見直しでは平均48個)。1986年にもZHR約120の大出現が記録されています。では、もっと身近な過去30年はどうだったのでしょうか。
1996〜2025年の主な報告をたどると、ふだんより増えた年は11回あります。ただし、肉眼ではっきり目立つほどだったのは2000年と2025年くらいで、多くは電波やカメラでようやくわかる程度の小さな増加でした。
色のついていない年は「流星がゼロ」という意味ではありません。この図は主な活動増加が報告された年に色をつけたもので、毎年の流星数を同じ条件で比べたものではありません。
| 年 | 何が起きた? | 資料 |
|---|---|---|
| 2000年 | 肉眼でも大きく増加理想条件に換算して1時間約90個。事前に予報されていた出現。ピークは日本時間22日17時ごろ(日本では夕方の薄明)。 | 出典 |
| 2004年 | 主に電波で増加電波観測を、少ない目視データで換算してZHR約48相当(推定値)。 | 出典 |
| 2007年 | 肉眼で中くらいの増加予報(40〜70)を下回るZHR約34。ピークは日本時間23日6時ごろで、日本では明け方の薄明・満月直前でした。 | 出典 |
| 2014年 | レーダー・カメラで増加レーダーからの推定でZHR50超。ピークは日本時間23日9時ごろ(日本では昼間)。 | 出典 |
| 2020年 | 電波で増加世界の電波観測でZHR約40相当。ピークは日本時間22日14時ごろ(日本では昼間)。 | 出典 |
| 2025年 | 肉眼でも増加目視でZHR52以上。ピークは電波・カメラの観測で日本時間22日17時25分ごろ(日本では日没後の夕方)。 | 出典 |
表の数値は、観測場所や測定方法がそれぞれ異なります。とくにZHR(理想的な空を仮定した換算値)と、実際に肉眼で見えた数、電波やレーダーからの換算値は同じ条件の数字ではありません。図だけに色をつけた年:1996年(ZHR約25の増加)・2005年(電波をもとにした小さな増加)(Jenniskensほか 2007)、2009年・2016年・2019年(小規模な増加の報告。Roggemans 2020)。
上の表のうち、ピークの時刻を示した5回(2000・2007・2014・2020・2025年)は、ピークがいずれも日本の夕方や明け方の薄明、または昼間でした。決まった周期で必ず大当たりするわけでもなく、過去に増えた年があったからといって、今年も多く見えるとは限りません。
こぐま座流星群の条件は、極大の時刻が日本の夜にあたるかと、月明かりで大きく変わります。2026〜2033年を比べると、時刻と月の両方がそろうのは2033年。2030年も月明かりがほとんどない好条件です。
| 年 | 極大の目安(日本時間) | 月 | 総合 | 観測のポイント |
|---|---|---|---|---|
| 2026 | 12/23 7時頃(朝) | △ | △ | 今年。満月直前の月が一晩中で、月明かりが大きな壁 |
| 2027 | 12/23 13時頃(昼) | ○ | ○ | 極大は昼。狙い目は22日夜〜23日明け方で、2時ごろの月の出までは月明かりなし |
| 2028 | 12/22 19時頃(宵) | ○ | ○ | 極大は宵。月は22時半ごろ沈み、その後は暗い空 |
| 2029 | 12/23 1時半頃(未明) | △ | △ | 時刻は最高でも、満月の2日後の明るい月が一晩中 |
| 2030 | 12/23 8時頃(朝) | ◎ | ◎ | 細い月が4時50分ごろ昇るだけで、明け方まで暗い空 |
| 2031 | 12/23 14時頃(昼) | ○ | ○ | 極大は昼。月は1時すぎに沈み、明け方は暗い |
| 2032 | 12/22 20時頃(宵) | ○ | ○ | 月の出(22時ごろ)までの暗い宵に極大 |
| 2033 | 12/23 2時すぎ(未明) | ◎ | ◎ | 新月。時刻・月明かりとも好条件 |
◎○△は宇宙旅行.jpの編集評価(東京基準・天候を除く)で、公式の判定ではありません。極大の時刻は、国際流星機構の標準的な極大の位置(太陽黄経270.7°)から宇宙旅行.jpが計算した目安で、実際の極大は前後数時間ずれることがあります。月の条件は東京で計算しました。突然の出現の増加は含んでいません。12流星群の5年比較を見る ↗
過去の大きな出現(1945年・1986年・2000年)は、いずれも彗星が太陽からいちばん遠い位置(遠日点)の近くにいる時期に起きています。木星の引力の影響で、彗星の古いちりの一部が、彗星本体から半周ほど遅れた位置に集まるためと考えられています(Jenniskensほか 2007)。流星の研究者ロッヘマンスも、次にちりの帯に出会うチャンスとして遠日点の2028年を挙げています(Roggemans 2020)。ただし、2027〜2028年に出現が増えるという具体的な予報は、2026年10月の時点では確認できていません。
極大(流星群の活動が最も活発になる時刻)は、2026年12月23日(水)7時ごろの予想です(国際流星機構)。日本では日の出(東京6時47分)の少し前で、空はもう明るくなり始めているため、その時刻ちょうどに観察するのはむずかしくなります。
12月22日(火)の夜から23日(水)の明け方までです。いちばん確実なのは、放射点が高くなり、月が西の低い空に下がる23日の明け方4時台(空が白み始める5時すぎまで)です。22日の23時ごろには、小さな山(活動の高まり)の予報もあります。 2つの狙い目。
2026年は満月直前の月明かりがあるため、街明かりのない暗い場所でも1時間に2個ほど、郊外や街なかでは1時間に1個に届かない見込みです(宇宙旅行.jpの試算)。こぐま座流星群は、月明かりのない理想的な空でも1時間10個ほど(ZHR10)の小さな流星群です。 時間ごとの目安。
北〜北東の空を中心に、月が目に入らない向きで空を広く見渡しましょう。放射点は北極星の近くにあり、日本では一晩中しずみません。2026年は、23時ごろの月は南西の高い空、明け方は西北西の低い空にあります。 方角と星図。
大きく受けます。満月は12月24日(木)10時28分で、22日の夜は月の約97%が光って見えます。東京では22日14時24分ごろに月が昇り、23日5時47分ごろに沈むため、空が白み始める(5時16分ごろ)までに月のない暗い時間はありません。 全国7都市の月の入り。
あります。1945年と1986年には大出現が記録され、2025年にも理想的な空に換算して1時間50個以上の小さな突発出現がありました。ただし毎年起きるわけではありません。2026年に予報されている山はZHR20未満の小さなもので、当たり外れも大きいと考えられています。 2025年に何が起きた?
タットル彗星が昔まき散らしたちりの細い流れ(フィラメント)に地球が近づくことで、流れ星が少し増えると予報されているものです(国際流星機構の2026年の予報。ZHR20未満)。2025年は同じ種類の山が予報より約3時間遅く、強めに現れましたが、2021〜2024年は確認されませんでした。予報の時刻や強さには幅があるので、出たらラッキーと考えておきましょう。
いりません。流れ星は目だけで見ます。双眼鏡や望遠鏡を使うと見える範囲がとても狭くなり、いつどこに流れるかわからない流れ星は、かえって見つけにくくなります。
2026年は暗い場所でも1時間に2個ほどの見込みなので、15分見て1個も見えないのはふつうのことです。まず、外に出てから15分以上たったか、その間に月やスマホの明るい画面を見ていないかを確かめてください。月を背にして、明け方4時台まで粘るほど出会える確率は上がります。 見えないときのチェックと確率の表。
雨雲レーダーには雨を降らせない雲が映らないため、星が見えるかどうかの判断には向きません。tenki.jpの「星空指数」で今夜の見やすさを、SCWの雲量予報で何時ごろ雲が減るかを確かめてください。12月は日本海側で雲が多く、太平洋側で晴れやすい傾向があります。 天気の確かめ方を詳しく見る。
2026年12月23日の明け方、空が白み始める時刻(天文薄明の始まり)は、札幌5時21分、仙台5時15分、東京5時16分、名古屋5時27分、大阪5時31分、福岡5時50分、那覇5時51分が目安です(宇宙旅行.jpの計算)。それぞれ、その前の1時間ほどが狙い目です。 全国7都市の一覧で確かめてください。
数値の前提が違うためです。国際流星機構のZHR10は理想条件に補正した活動規模、アメリカ流星協会の「極大の朝に1時間5〜10個」は月明かりのない暗い空での目安です。宇宙旅行.jpの「暗い場所で1時間2個ほど」は、2026年の月明かりの中での試算です。 数値の違いを詳しく見る。
日付・観測条件は国際流星機構(IMO)、国立天文台、IAU Meteor Data Centerの情報を、過去の記録は下記の研究論文・観測報告をもとにしています。月の出入り・放射点の高さ・1時間あたりの目安・今後の年の極大時刻は、これらの値をもとに宇宙旅行.jpが計算しました。
同じ計算方法で、主要な流星群の見え方も予測しています(日付の早い順)。
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