空を広く見よう
流れ星は、放射点のある北西の空だけでなく、空の広い範囲に現れます。街灯などの明かりが目に入らない場所で、空全体をぼんやり見渡しましょう。
宇宙旅行.jp › 流星群カレンダー › はくちょう座κ流星群 2027
東京以外の方は 7都市の月の入り・明け方・放射点の高さ/ほかの夜のチャンス
はじめてでも大丈夫。流れ星に出会いやすくなる4つのコツです。
流れ星は、放射点のある北西の空だけでなく、空の広い範囲に現れます。街灯などの明かりが目に入らない場所で、空全体をぼんやり見渡しましょう。
目が暗さに慣れるまで、15分ほどかかります。スマホの明るい画面を見ると、せっかく慣れた目が元に戻ってしまうので要注意。この流星群の数は多くありません。同じ夜のペルセウス座流星群も含め、のんびり観察しましょう。
望遠鏡や双眼鏡を使うと、見える範囲がとても狭くなります。流れ星はいつ、どこに流れるか分からないので、道具は使わずに自分の目で空を広く見ましょう。
首が疲れないよう、背もたれを倒せるイスに座るか、レジャーシートを敷いて寝転ぶのがおすすめです。寝転ぶのは車の来ない安全な場所で。夏の夜の準備は、下のポイントも確かめておきましょう。
8月中旬の未明は暖かい一方で、草地では夜露で体が冷えたり、虫に悩まされたりしがちです。月が沈む0〜1時台から明け方までの観察に向けて、次の準備をしておきましょう。
極大は、国立天文台(国際天文学連合の一覧)と国際流星機構(IMO)の2027年版カレンダーがともに太陽黄経144°・8月17日ごろとしていて、2027年は17日21時ごろにあたります。ところが2027年は17日が満月で、15日〜21日ごろの夜は、空が暗い間ずっと月明かりがあります。IMOも「満月のため、活動の中心の観測条件は悪い」と注意しています。はくちょう座κ流星群は活動のピークがはっきりしない、なだらかな流星群です。そこで2027年は、極大の日にこだわらず、月が早めに沈む12日(木)夜と13日(金)夜の未明をおすすめします。最近の研究には、活動の中心を8月15〜16日ごろとする解析もあり(基本データ)、その見方なら中心の2〜3日前の夜にあたります。
12日の夜は、上弦すぎの月(約8割が光る月)が13日0時46分ごろに南西の空に沈み、その後は空が白み始める3時23分ごろまで月明かりがありません(東京)。この間、放射点は北西の空の高さ約50°から約30°へと下がっていきます。13日の夜は月の入りが1時42分ごろと1時間ほど遅く、暗い時間は約1時間40分です。放射点がいちばん高いのは宵の21時23分ごろ(北の空の高さ約67°)ですが、このころは南の空に明るい月があります。宵から見るなら、月を背にして北の空を眺めましょう。
はくちょう座κ流星群は年ごとの活動の差が大きく、2027年の極大時刻や時間別の活動の強さの予報もありません。そのため宇宙旅行.jpでは、時間ごとの予測個数を載せていません。下の表は、放射点の高さと月明かり・薄明の条件から、見やすい時間帯を比べるためのものです。
| 時間帯 | 放射点の高さ | 月明かり・薄明の条件 |
|---|---|---|
| 20時台 | 65° | 20時10分ごろ空が暗くなる。明るい月が南の空に(高さ約26°) |
| 21時台 | 67° | 放射点が最も高い(21時23分ごろ・約67°)。月を背にして北の空を |
| 22時台 | 64° | 月明かりあり(月は南南西の低い空)。月を背にして北の空を |
| 23時台 | 59° | 月明かりあり(月は南西の低い空) |
| 0時台 | 52° | 0時46分ごろ月が南西の空に沈む |
| 1時台 | 44° | 月明かりがなく観測向き |
| 2時台 | 36° | 月明かりがなく観測向き |
| 3時台 | 29° | 3時23分ごろから空が白み始める |
放射点の高さは東京での各時台の30分(例:1時30分)の参考計算です。13日の夜は月の入りが1時42分ごろなので、表の1時台の後半からが観測向きの時間です。雲がかかれば見えません。
12日・13日の夜が曇りだったら → ほかの夜のチャンス(東京)
月が沈む時刻も空が白み始める時刻も、西の地域ほど遅くなります。どの都市でも、月が沈んでから空が白み始めるまでが観察のチャンスで、12日の夜は2時間半あまり、13日の夜は1時間40分ほどあります。放射点は北の地域ほど高く(月が沈むころ、札幌で約59°)、那覇では低め(約38°)です。
| 都市 | 12日夜の狙い目(13日未明)12日夜 | 放射点の高さ高さ | 13日夜の狙い目(14日未明)13日夜 | 放射点の高さ高さ |
|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 0:10〜2:46 | 59°→39° | 1:08〜2:48 | 51°→39° |
| 仙台 | 0:31〜3:09 | 53°→33° | 1:29〜3:11 | 45°→32° |
| 東京 | 0:46〜3:23 | 50°→30° | 1:42〜3:24 | 42°→29° |
| 名古屋 | 0:59〜3:36 | 49°→29° | 1:55〜3:37 | 41°→29° |
| 大阪 | 1:07〜3:43 | 48°→29° | 2:03〜3:44 | 41°→28° |
| 福岡 | 1:31〜4:07 | 47°→27° | 2:27〜4:08 | 39°→27° |
| 那覇 | 2:05〜4:38 | 38°→19° | 2:59〜4:38 | 31°→18° |
「狙い目」は、月が沈む時刻(月の中心が地平線に沈む時刻)から、空が白み始める時刻(太陽が地平線の下18°まで昇る、天文薄明の始まり)までです。放射点の高さは、その始まりと終わりの値です。各都市の都道府県庁所在地での宇宙旅行.jpの天体計算で(日本標準時)、月の出入りは国立天文台 暦計算室 ↗と同じ方法です。放射点は国際流星機構の2027年版の値(赤経286°・赤緯+59°)で計算しています。雲や街明かり、地形による見え方は反映していません。
ポイント:13日の夜は、どの都市でも月の入りが1時間ほど遅くなり、暗い時間は12日の夜より1時間ほど短くなります。空が白み始める時刻はほとんど変わりません。
結論:方角はどこでもOKです。 流れ星は放射点の近くだけでなく、空のどこにでも流れます。街灯や建物の明かりを避け、空全体を眺めましょう。
放射点は、はくちょう座の翼の先にあるκ(カッパ)星の北、りゅう座との境目付近にあります。宵の21時23分ごろに北の空の高さ約67°でいちばん高くなり、その後は北西へ回りながら下がります。月が沈むころには北西の空の高さ約50°(12日の夜)〜約42°(13日の夜)、3時ごろには約33°です(東京の場合)。目印は、夏の大三角のうちデネブ(はくちょう座)とベガ(こと座)。2時ごろには西北西の空で、デネブが高さ約55°、ベガが約31°に見えます。
放射点の位置は東京での概算です。流れ星がこの位置だけに現れるという意味ではありません。放射点の近くに現れる流れ星は短く、放射点から離れた空ほど長い光の筋になります。
2027年8月13日2時ごろ、東京から見るはくちょう座κ流星群の放射点は北西(方位角約321度)、高さ約40度です。ただし、この方角は「流星が現れる場所」ではなく「流星の進んだ道筋を逆向きに延ばすと集まる場所」を示しています。
はくちょう座が見つからなくても心配はいりません。流れ星の観察に、放射点の位置を知ることは必須ではありません。 上の星図で位置関係を確かめ、あとは街灯を避けて空全体を眺めてみましょう。
| 時刻(日本時間) | 方角 | 高さ |
|---|---|---|
| 午後9時 | 北(約7°) | 約66° |
| 午後10時 | 北北西(約348°) | 約66° |
| 午後11時 | 北北西(約333°) | 約62° |
| 午前0時 | 北西(約325°) | 約55° |
| 午前1時 | 北西(約321°) | 約48° |
| 午前2時 | 北西(約321°) | 約40° |
| 午前3時 | 北西(約323°) | 約33° |
方角と高度は東京(北緯約35.7度・東経約139.7度)、放射点の赤経286度・赤緯+59度(国際流星機構の2027年版の値)を用いた概算です。研究で求められた放射点(赤経約286°・赤緯約+51°)を使うと、2時ごろの高さはほぼ同じ(約39°)で、方角は10°ほど西寄り(約311°)になります。放射点は日によって少しずつ動き、方角も場所・時刻によって変化します。
出典: 国立天文台|流星群の和名一覧(極大の太陽黄経) / 国際流星機構|2027 Meteor Shower Calendar / Borovičkaほか(2025年)|放射点の広がり / 国立天文台|流星群の観察方法。放射点の方位角・高度・星との角距離、星図の星の位置は、天体データを用いた独自計算です。
はくちょう座κ流星群の流星は、地球に飛び込む速さが秒速約23km(国際流星機構)と、ペルセウス座流星群(秒速約59km)の半分以下です。そのため空をゆっくりと横切ります。また、途中で何度か明るく光る(フレア)火球が現れることがあり、写真映えする流星群としても知られています(eMeteorNews)。1993年には、南フランスの観測者がマイナス6〜7等の明るい流星を数夜続けて目撃しています。
火球がいつ、どこに現れるかは予測できません。数は少ないので、のんびり空を眺めながら待つのがおすすめです。
2027年のペルセウス座流星群は、8月13日17時ごろに極大を迎え、見頃は14日の未明です。国立天文台は、1時間に35個程度、未明に月が沈んだ後は条件が良いと案内しています。12日・13日の夜の未明に見える流れ星の多くは、ペルセウス座流星群の流星です。
流れた向き:流れた跡を逆向きにたどって、北西のはくちょう座の翼の先(κ星)付近の方向から来ていれば、はくちょう座κ流星群の可能性があります。北東のペルセウス座の方向から来ていれば、ペルセウス座流星群です。
速さ:はくちょう座κ流星群は秒速約23kmとゆっくり、ペルセウス座流星群は秒速約59kmと速く流れます。ゆっくり流れる明るい流星が北西から来たら、はくちょう座κ流星群かもしれません。
どの流星群にも属さない流れ星(散在流星)も、暗い空では1時間に数個は見られます(大阪市立科学館「流星群の基礎知識」)。
ペルセウス座流星群について、くわしくは専用ページへ。
はくちょう座κ流星群は、ふだんの年は暗い空でも1時間に1個見えるかどうかの小さな流星群です。30分見て1個も見えないのは、ふつうのこと。なかなか見えないときは、次の順に確かめてみてください。
このページでは地点ごとの個数を予想していないため、「もし1時間にこのくらいのペースで流れたら」という形で、待っているあいだに少なくとも1個見られる確率を計算しました。12日・13日の夜の未明は、はくちょう座κ流星群だけでなく、ペルセウス座流星群や散在流星も流れます。
| 1時間のペース | 5分 | 15分 | 30分 | 1時間 |
|---|---|---|---|---|
| 約1個はくちょう座κだけを数えた場合の例 | 8% | 22% | 39% | 63% |
| 約10個ペルセウス座流星群などもあわせた郊外の例 | 57% | 92% | 99% | ほぼ確実 |
| 約30個暗い空でペルセウス座流星群もあわせた例 | 92% | ほぼ確実 | ほぼ確実 | ほぼ確実 |
平均すると、1時間に約1個なら1時間に1個、約10個なら6分に1個、約30個なら2分に1個のペースです。ただし流れ星は等間隔には流れないので、続けて流れることも、しばらく途切れることもあります。
はくちょう座κだけを狙うと1時間待っても6割ほどですが、ペルセウス座流星群などもあわせれば、郊外でも15分で9割を超える確率で1個は見られる計算です。流れた向きと速さを確かめて、どの流星群の流れ星かを考えるのも楽しみ方のひとつです。
計算のしかた:流れ星が決まった間隔ではなく、ばらばらな(偶然の)間隔で流れると考えたときの確率です(ポアソン分布による宇宙旅行.jpの計算)。表のペースは説明用の仮の値で、地点ごとの予報ではありません。
なだらかな流星群なので、12日・13日の夜のどちらかが晴れれば、チャンスがあります。雲の切れ間ができたら、その方向の空を眺めましょう。
晴れそうにない夜や、出かける前に:はくちょう座κ流星群の流れ星が放射点から広がる様子を、流星群3Dシミュレーターで見られます(流星の数を約100倍にした演出つき)。観測地で開くときは、画面右上の「夜間」で暗い赤だけの表示にしてください。明るい画面を見ると、暗さに慣れた目が元に戻ってしまいます。
月が沈んだ後、空が白み始める3時20分ごろ(東京)までが目安です。放射点はそのころ北西の空の高さ約30°まで下がりますが、北東のペルセウス座流星群の放射点は逆に高くなっていきます。
はくちょう座κ流星群は、8月3日〜28日ごろまで活動する(国際流星機構)なだらかな流星群です。2027年は月の条件しだいで、見やすい時間帯が夜ごとに大きく変わります。表の色つきの行が狙い目です。
| 夜 | 月明かりのない時間 | メモ |
|---|---|---|
| 3日〜9日の夜 | 月が宵のうちに沈んだ後、明け方まで(9日の夜は22:25〜3:20) | 暗い時間は長いが、活動のはじめのほうで数はさらに少なめ |
| 10日(火)夜〜11日明け方 | 23:06〜3:21(約4時間15分) | この表の中では暗い時間がいちばん長い。狙い目の夜より少し早め |
| 11日(水)夜〜12日明け方 | 23:53〜3:22(約3時間30分) | 暗い時間が長い。狙い目の夜より少し早め |
| 12日(木)夜〜13日明け方 | 0:46〜3:23(約2時間40分) | 狙い目。放射点は北西の高さ約50°→30° |
| 13日(金)夜〜14日明け方 | 1:42〜3:24(約1時間40分) | 狙い目。ペルセウス座流星群の見頃(14日未明)の夜 |
| 14日(土)夜〜15日明け方 | 2:41〜3:26(約45分) | 暗い時間は短い |
| 15日〜21日の夜 | なし | 満月(17日)前後で、空が暗い間ずっと月明かり。極大(17日)を含む |
| 23日(月)〜28日(土)の宵 | 19時50分前後〜月の出(23日21:02、25日22:27、27日の夜は翌0:31) | 宵のうちは放射点が北の空高く(約65°)。日ごとに暗い時間が長くなるが、活動の終わりごろで数は少なめ |
時刻は東京での宇宙旅行.jpの計算で、月が沈んでから(または空が暗くなってから)、空が白み始めるまで(または月が昇るまで)です。22日の宵も、月が昇る20時29分ごろまでの短い時間だけ暗い空があります。
出典:国立天文台「流星群の観察方法」 ↗(最低15分は観察する・目が慣れるまで待つ・肉眼で見る)/国立天文台「ほしぞら情報 2027年8月」 ↗(月の満ち欠け・ペルセウス座流星群)/気象庁 気象衛星センター「雲画像の解析」 ↗。確率の表と月の出入りの時刻は宇宙旅行.jpの計算です。
8月中旬の未明は、土星が南東の空の高いところに見えます。火星と木星は宵のうちに沈み、金星と水星は太陽に近く見えません。国立天文台による8月の見え方に、13日の夜の時刻の目安(東京・宇宙旅行.jpの計算)を添えました。
うお座にあり、明るさは0.5〜0.3等。21時35分ごろ東から昇り、2時ごろには南東の空の高さ約50°に見えます。11日に動きが止まって見え(留)、その後は逆行に転じます。
おとめ座にあり、明るさは1.3等。日の入り後の西の低い空に見え、21時2分ごろに沈みます。流星を見始める前に探してみましょう。
しし座にあり、31日の合に向けて太陽に近づいていて、観察は難しい時期です。東京では19時14分ごろに沈みます。
水星は11日、金星は12日に外合(太陽の向こう側に回る)で、どちらも太陽に近く観察できません。
夏の大三角も見つけよう:2時ごろは、こと座のベガ(西北西の高さ約31°)、はくちょう座のデネブ(西北西の高さ約55°)、わし座のアルタイル(西南西の高さ約31°)が、西の空で大きな三角形を作っています。デネブとベガは、はくちょう座κ流星群の放射点を探す目印にもなります。
出典:国立天文台「ほしぞら情報 2027年8月」 ↗(惑星の見える方角・明るさ・星座、留・合の日付)。時刻と高さは東京での宇宙旅行.jpの計算です。
流れ星を待つ時間に楽しもう
流れ星がなかなか現れない時間も、今夜の星空には発見がいっぱい。隣の人に話したくなる7つの話を、NASA・研究論文などの一次情報に基づいて紹介します。
星を見つめる間は、スマートフォンの明るい画面を見続けるより、空に目を慣らすことが大切です。雑学は観測前や休憩中に読んで、夜空を見ながら話してみましょう。
「この流星群は、7年ごとに数が増えるんだって。次は2028年かも。」
はくちょう座κ流星群は、多くの年はとても静かですが、ほぼ7年ごとに活発になります。2007年の出現のあと、日本の流星研究者の小関正広さんがこの周期に気づき、2014年、そして2021年にも活発になりました。これまでの出現を平均すると、周期は約7.06年です。次は2028年の可能性があります(公式の予報ではありません)。
出典:eMeteorNews「Enhanced kappa Cygnid (KCG#0012) activity in 2021」 ↗ / NASA「MEO Looks to Identify Parent Body of Meteor Shower」(2016年) ↗
「木星が3周する間に、流れ星のもとのちりは5周するんだって。」
はくちょう座κ流星群のもとになるちりの群れは、約7.1年で太陽のまわりを回っています。木星(約11.9年で1周)が3周する間に、ちりの群れはちょうど5周。このような関係を「共鳴」といいます。共鳴のおかげで、ちりの群れは軌道の一部にかたまったままになっていて、7年のうち1〜2年しか活発にならない理由と考えられています。チェコなどの研究チームが2025年に発表した、欧州火球ネットワークの観測の分析です。
出典:Borovičkaほか「The structure of κ Cygnid and August Draconid meteoroid streams」(2025年) ↗
「流れ星のもとになった天体は、まだはっきりしないんだって。」
主な流星群の多くは、ちりを出した彗星や小惑星(母天体)がわかっていますが、はくちょう座κ流星群は決め手がありません。2008年には小惑星「2008 ED69」が候補として提案されましたが、後の研究で疑問が出ています。2014年の出現を詳しく調べたNASAの研究チームは小惑星「2001 MG1」を有力視しましたが、その軌道も流星群と完全には一致していません。
出典:Jenniskens・Vaubaillon(2008年) ↗ / NASA「MEO Looks to Identify Parent Body of Meteor Shower」 ↗ / SPA流星部会「Kappa Cygnids」 ↗
「明るい流れ星が、途中でパッ、パッと何度も光ることがあるんだって。」
はくちょう座κ流星群は、途中で何度か明るく光る(フレア)火球が現れることで知られ、「とても写真映えする」と紹介されています。流星が途中で急に明るくなるのは、もとの粒が大気の中でくだけるときなどです。この流星群の粒は、くだけやすい性質だとする分析もあります。
「はくちょう座のあたりで、たくさんの惑星が見つかったんだって。」
NASAのケプラー宇宙望遠鏡は2009年に打ち上げられ、はくちょう座からこと座にかけての空(約100平方度)を見つめ続けて、星の前を惑星が横切るときのわずかな減光を探しました。その後の延長ミッションも含めた9年間で、2600個以上の太陽系外惑星を発見しています。デネブとベガのあいだの空は、惑星探しの舞台でもあったのです。
出典:NASA「Kepler’s Diamond Mine of Stars」(2009年) ↗ / NASA「NASA Retires Kepler Space Telescope」(2018年) ↗
「はくちょう座には、いちばん最初に見つかったブラックホールがあるんだって。」
はくちょう座X-1は、1964年にロケットに積んだ観測装置でX線を出す天体として見つかり、最初に発見されたブラックホールとして知られています。2021年の研究で、重さは太陽の約21倍、距離は7000光年以上と見積もられました。物理学者のホーキング博士は1974年に「ブラックホールではない」ほうに賭けをし、1990年に負けを認めています。
出典:Sky & Telescope「First Detected Black Hole Is More Massive Than We Thought」(2021年) ↗ / アムステルダム大学(2021年) ↗
「北十字の足もとのアルビレオは、望遠鏡で見ると青と金色の2つの星なんだって。」
はくちょう座のくちばし(北十字の足もと)にあるアルビレオは、肉眼では1つの星ですが、小さな望遠鏡で見ると青と金色の2つの星に分かれて見えます。距離は約420光年。2つの星は宇宙空間での動きが違うため、たまたま同じ方向に見えているだけの可能性が高いとされます。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』には、「青宝玉(サファイア)と黄玉(トパース)」の球が回る「アルビレオの観測所」として登場します。
出典:NASA「APOD: Beautiful Albireo AB」(2022年) ↗ / 青空文庫『銀河鉄道の夜』 ↗
ここからは、出かける前に判断したい人へ2027年にわざわざ見に行く価値があるかを、月の条件と7年周期から考えます。
はくちょう座κ流星群だけを目的に遠出する年ではありません。ふだんの年は暗い空でも1時間に1個見えるかどうかで、2027年は極大が満月と重なるうえ、活発になるかどうかの予報もありません。
ただし、ペルセウス座流星群を見に行くなら、北西の空にも注目する価値は十分あります。12日・13日の夜の未明は、ペルセウス座流星群の極大前後(国立天文台によると見頃は14日未明)と重なります。ゆっくり流れる流れ星や明るい火球に出会えればラッキーです。7年周期のとおりなら、本命は2028年。2027年はその「前の年」にあたります。前回は、2021年の前の年の2020年にも、カメラ観測で弱い活動がとらえられました。2027年に同じことが起きるかは、宇宙旅行.jpの推測の域を出ません。
評価は宇宙旅行.jpの編集判断です。根拠:Miskotteほか(2022年) ↗(ふだんの年と活発な年のZHR)/eMeteorNews(2021年) ↗(7年周期・2020年の活動)/国立天文台「ほしぞら情報 2027年8月」 ↗(満月・ペルセウス座流星群)。
ここからは、もっと知りたい人へ基本データと数字の読み方、7年周期と出現の歴史、母天体の研究、今後5年の見通しをまとめています。
はくちょう座κ流星群は、国立天文台や国際流星機構の値と、最近の研究結果のあいだに差がある流星群です。観測ガイドで混同されやすい「理想条件のZHR」と「実際に見える数の目安」も分けて整理しました。
| 正式名称・符号 | kappa Cygnids(KCG・国際天文学連合の番号12)/はくちょう座κ流星群 |
|---|---|
| 活動期間 | 8月3日〜28日(国際流星機構の2027年版。英国のSPA流星部会は8月3日〜25日)。2021年には、カメラ観測で6月下旬から放射点を追えました |
| 極大 | 8月17日ごろ(太陽黄経144°。国立天文台・国際流星機構の2027年版。2027年は17日21時ごろ)。国際流星機構は、17日の満月で活動の中心の観測条件が悪いと注意しています。 研究では、太陽黄経142°(8月15日ごろ)を活動の中心とする分析(欧州火球ネットワーク、2025年)や、2021年の眼視観測で太陽黄経143°(8月16日)に極大とする分析もあります。 |
| 放射点 | 赤経 286°(19時04分)/赤緯 +59°(国際流星機構の2027年版。りゅう座の中で、はくちょう座との境目近く)。 最近の観測では赤緯+51°前後(はくちょう座κ星のすぐ近く)に求められ、放射点は南北に約30°も細長く広がり、日がたつにつれて北へ動きます。 |
| 対地速度 | 約23km/秒(国際流星機構。SPA流星部会は約25km/秒)。ゆっくり流れる流星群です |
| ZHR(1時間あたりの天頂出現数) | 3(国際流星機構の2027年版)。ZHRは実際に肉眼で見える個数ではありません。 |
| 母天体 | 不明(候補:小惑星2008 ED69、2001 MG1) |
| 2027年の月明かり | 影響が大きい(上弦は9日、満月は17日)。月が沈んだ後の12日・13日の夜の未明が狙い目 |
似た流星群との関係:はくちょう座〜こと座〜りゅう座のあたりには、似た軌道の流星群がいくつも重なっています(小関正広さんは「はくちょう座・りゅう座流星群複合体」と呼びました)。2025年の欧州火球ネットワークの分析では、このうち「はくちょう座κ流星群」と「8月りゅう座流星群」の2つが、別々の流星群として存在することが確かめられています。
出典:国立天文台「流星群の和名一覧」 ↗(IAU番号・極大の太陽黄経)/国際流星機構「2027 Meteor Shower Calendar」 ↗(極大・活動期間・放射点・速度・ZHR・満月の注意)/SPA流星部会「Kappa Cygnids」 ↗(活動期間・速度の別の値)/Borovičkaほか(2025年) ↗(活動の中心・放射点の広がり・8月りゅう座流星群)/Miskotteほか(2022年) ↗(2021年の眼視極大)/eMeteorNews(2021年) ↗(カメラ観測)/国立天文台「ほしぞら情報 2027年8月」 ↗(月の満ち欠け)
はくちょう座κ流星群は、数よりも「ゆっくり流れる明るい流星」を楽しむ流星群です。実際には、同じ夜のペルセウス座流星群や散在流星もあわせて観察することになります。ZHRや海外の目安を、そのまま日本で見える個数として使わないことが大切です。
参考:NASA・ZHRと実際の観測個数の違い ↗ / Miskotteほか「The kappa Cygnids (KCG#012) in 2021: analysis of the visual data」 ↗。
はくちょう座κ流星群は、多くの年は静かで、ほぼ7年ごとに活発になります。これまでの出現を平均した周期は約7.06年です。もとになるちりの群れが、木星と5:3の共鳴(木星が3周する間に、ちりの群れが5周)の関係にあり、軌道の一部にかたまっているためと考えられています。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1879年 | イギリスのデニングが、8月21〜23日にりゅう座とはくちょう座の境目付近から流れる流星を記録(当時は「りゅう座ο(オミクロン)流星群」と命名) |
| 1893年 | デニングが再び記録(このときは「はくちょう座θ(シータ)流星群」と命名) |
| 1950年 | アメリカ・ハーバード大学の写真観測で、初めてこの流星群の軌道が求められる(このころまでに「はくちょう座κ流星群」と呼ばれるようになっていた) |
| 1985年 | 眼視観測で、はっきりとした活発化 |
| 1993年 | オランダ流星協会が眼視と写真で出現をとらえる。南フランスでは、マイナス6〜7等の明るい流星が数夜続けて目撃される |
| 2007年 | 明るい流星の出現。このあと小関正広さんが約7年の周期に気づく |
| 2014年 | 予想どおり活発に。NASAの観測では、2007年の5倍、ふだんの年の10倍の強さ |
| 2020年 | 北半球のカメラ観測網が、弱い活動をとらえる |
| 2021年 | 再び活発に。眼視による極大は8月15〜16日の夜(太陽黄経143°)で、ZHRは約6 |
| 2028年? | 7年周期どおりなら、次に活発になる年の候補(公式の予報はまだありません) |
別の見方も:国際流星機構に集まった1975〜2015年の眼視観測を分析した研究(Rendtel・Arlt)では、この期間に眼視ではっきり活発化が確認できたのは1985年と2014年だけだったとしています(2021年は、この分析より後の出現です)。カメラやレーダーでとらえられる活動と、肉眼での見え方には差があります。
出典:Borovičkaほか(2025年) ↗(1879年〜2021年の出現史・5:3の共鳴・眼視の分析の紹介)/eMeteorNews(2021年) ↗(小関さんの周期の発見・平均周期・1993年の明るい流星・2020年の活動)/NASA(2016年) ↗(2014年の強さ)/Miskotteほか(2022年) ↗(2021年の眼視極大)
主な流星群の多くは、ちりを出した彗星や小惑星(母天体)がわかっていますが、はくちょう座κ流星群の母天体はまだ確定していません。2008年、Jenniskens・Vaubaillonは、軌道が似ている小惑星2008 ED69を候補に挙げました。流星群のちりの量は2008 ED69だけでは説明しにくいため、もとはもっと大きな天体で、分裂したときに2008 ED69とちりの群れが分かれたのではないかと考えています。
別の見方も:NASA流星環境室のMoorheadらは、2014年の出現でとらえた75個の流星の軌道を詳しく調べ、小惑星2002 LVと2001 MG1を候補に挙げ、なかでも2001 MG1を有力視しました(2015年)。ただし、どちらの軌道も流星群と完全には一致せず、「決定的な証拠はない」としています。英国のSPA流星部会も、2008 ED69には後の研究で疑問が出ていると紹介しています。
出典:Jenniskens & Vaubaillon(2008) ↗ / NASA「MEO Looks to Identify Parent Body of Meteor Shower」(2016年) ↗ / AAS Nova「The Search for a Missing Parent」(2015年) ↗ / SPA流星部会「Kappa Cygnids」 ↗
2027年は極大が満月と重なりますが、2028年は宵〜夜半前に月明かりがなく、7年周期の「活発な年」にもあたる可能性があります。はくちょう座κ流星群の放射点は宵の21時ごろにいちばん高くなるので、宵〜夜半前に月がない年が有利です。
| 年 | 極大の目安(日本時間) | 月 | 総合 | 観測のポイント |
|---|---|---|---|---|
| 2028 | 8/17 3時ごろ(推算) | ◎ | ◎ | 7年周期どおりなら活発な年。新月(20日)前で、宵〜夜半前は月明かりなし |
| 2029 | 8/17 10時ごろ(推算) | ○ | ○ | 半月前後の月が22〜23時ごろに沈んだ後は暗い空 |
| 2030 | 8/17 16時ごろ(推算) | △ | △ | 13日が満月で、見頃の夜はほぼ一晩中月明かり |
| 2031 | 8/17 22時ごろ(推算) | ◎ | ○ | 新月(18日)のころで一晩中暗い。ただし7年周期の年ではなく、ふだんの年の活動の見込み |
| 2032 | 8/17 4時ごろ(推算) | ○ | ○ | 上弦すぎの月が23時半〜1時半ごろに沈んだ後は暗い空 |
◎○△は宇宙旅行.jpの編集評価(東京基準・天候を除く)で、公式の判定ではありません。極大の目安は国立天文台・国際流星機構の値(太陽黄経144°)から宇宙旅行.jpが計算したもので、時刻の確定した予報ではありません。なだらかな流星群のため、前後の夜も条件はあまり変わりません。総合は、月の条件に7年周期による活動の見込みを加えた評価です。2028年の活発化も、公式の予報ではなく、過去の周期からの推測です。主要流星群の5年比較を見る ↗
国際流星機構(IMO)の2027年版カレンダーではZHRは3ですが、これは放射点が天頂にあり空が十分暗い理想条件で補正した活動指標で、実際に見える予想個数ではありません。オランダ流星協会のメンバーによる各国の眼視観測の分析では、ふだんの年のZHRは1前後です。2027年は活発になるかどうかの予報がないため、宇宙旅行.jpでは地点別・時間別の予測個数を出していません。暗い空でも1時間に1個見えるかどうか、と考えておきましょう。
月が沈んだ後の、12日(木)夜〜13日(金)未明と、13日(金)夜〜14日(土)未明がおすすめです。東京では13日0時46分ごろ、14日1時42分ごろに月が沈み、空が白み始める3時20分すぎまでが観察のチャンスです。極大(17日21時ごろ)は満月と重なり、一晩中月明かりがあります。 時間ごとの目安。
特定の方角を見つめる必要はありません。流れ星は空のどこにでも現れます。放射点は、未明には北西の空の高さ50〜30°ほど、はくちょう座の翼の先(κ星)の近くにあります。西北西の空のデネブとベガを目印にすると、位置をつかみやすくなります。 方角と星図。
流れた跡を逆向きにたどって、北西のはくちょう座の方向から来ていれば、はくちょう座κ流星群の可能性があります。北東のペルセウス座の方向から来ていれば、ペルセウス座流星群です。はくちょう座κ流星群は秒速約23kmとゆっくり、ペルセウス座流星群は秒速約59kmと速く流れるのも手がかりです。 見分け方。
大きく影響します。17日が満月で、15日〜21日ごろの夜は、空が暗い間ずっと月明かりがあります。12日・13日の夜も宵のうちは南〜南西の空に月が出ていて、月が沈んだ後の未明が狙い目です。月が出ているうちは、月を背にして北の空を見ましょう。 ほかの夜のチャンス。
はくちょう座κ流星群は、ほぼ7年ごとに活発になる流星群です。2007年の出現のあとに日本の流星研究者・小関正広さんが周期に気づき、2014年と2021年に予想どおり活発になりました。もとになるちりの群れが、木星と5:3の共鳴(木星が3周する間に、ちりの群れが5周)の関係にあることが、2025年の研究で示されています。 出現の歴史。
公式の予報はありません。7年周期どおりなら、次に活発になるのは2028年と考えられます。ただし、前回は活発な年(2021年)の前の年の2020年にも、カメラ観測で弱い活動がとらえられています。宇宙旅行.jpとしては、2027年もまったく期待できないわけではないと考えていますが、確かな根拠のある予想ではありません。 今後の見通し。
はくちょう座κ流星群は、途中で何度か明るく光る火球が現れることで知られています。ただし、火球がいつ現れるかは予測できず、数も多くありません。 火球について。
2027年8月12日の夜、月が沈むのは札幌0時10分、仙台0時31分、東京0時46分、名古屋0時59分、大阪1時7分、福岡1時31分、那覇2時5分ごろです。そこから空が白み始めるまで(札幌2時46分〜那覇4時38分ごろ)が観察のチャンスです(宇宙旅行.jpの計算)。 全国7都市の一覧。
はくちょう座κ流星群はもともと数の少ない流星群なので、30分見て1個も見えないのはふつうのことです。外に出てから15分以上たったか、月やスマホの明るい画面を見ていないかを確かめてください。同じ夜はペルセウス座流星群の極大前後なので、あわせて楽しめば流れ星に出会える確率はぐんと上がります。 見えないときのチェックと確率の表。
流れ星を見るのにはいりません。流れ星は目だけで見ます。双眼鏡や望遠鏡を使うと見える範囲がとても狭くなり、かえって見つけにくくなります。ただ、待つ間に、はくちょう座のアルビレオ(青と金色の二重星)などを楽しむなら、小さな望遠鏡があると便利です。 待ち時間の宇宙雑学。
雨雲レーダーには雨を降らせない雲が映らないため、星が見えるかどうかの判断には向きません。tenki.jpの「星空指数」で今夜の見やすさを、SCWの雲量予報で、月が沈んだ後の未明に雲が減るかを確かめてください。12日・13日の夜のどちらかが晴れれば、チャンスがあります。 天気の確かめ方を詳しく見る。
まだはっきりしていません。2008年に小惑星「2008 ED69」が候補として提案されましたが、後の研究で疑問が出ています。2014年の出現を調べたNASAの研究チームは小惑星「2001 MG1」を有力視しましたが、その軌道も流星群と完全には一致しません。 母天体の謎。
確認日:2026年10月12日。月の出入り・放射点の高さ・太陽黄経の日時は、宇宙旅行.jpの天体計算です。
同じ計算方法で、主要な流星群の見え方も予測しています(はくちょう座κ流星群のあとに見られる順)。
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